山田涼介と田中圭が凸凹バディの刑事を演じ、池袋の町で起こる凶悪事件に挑む『キワドい2人--K2-池袋署刑事課神崎・黒木』の第4話が、10月2日に放送された。
今回は、「いじめ」「毒親」「SNS」など、いまどきの話題がてんこもりだった。
女子高生・橘望美(蒔田彩珠)の行方不明事件が発生。実は、キャリア官僚でシングルマザー・美咲(奥貫薫)が、不登校の娘・望美と車内で口論した末、山中に置き去りにし、すぐ戻ったが姿がなくなっていたことから、「誘拐」の疑いを主張していることがわかる。
また、不登校だった望美が、同級生を自殺に追い込んだ首謀者だということが、学校の"いじめアンケート"で示されたこと。「毒親」の疑いをかけられていた母は、娘が謝罪しようとしないことで、山中に置き去りにしたという事実が発覚していく。
だからといって、山中に置き去りはどうなのか。しかも、さらに悲しい事実――望美はいじめをしていたわけではなく、かばっていたほうで、いじめグループに濡れ衣を着せられていただけだったことが発覚する。
親子の絆を再確認する一方で、なかなか救いのない話ではあるが、見どころは、神崎(山田)・黒木(田中)のバディが良い感じになじみ、さらに役回りが逆になるほどに進化していたこと。これまでだったらキレ者の黒木が主導していた掟破りの危険な作戦を、今回提案したのが神崎だったのは、明らかに黒木の影響だ。また、「いじめていないことを、母だけには信じてほしかった」と泣く望美の「心をほぐす」担当が、いつもは神崎だったのに、黒木だったこと。
ただし、黒木は神崎のように涙で優しく包んだりしない。「甘ったれるな!」と言い、親の真意を突きつけるのだ。
このようにバディが互いに補い合い、影響を与え合い、一体化していく変化は、バディモノの楽しみの一つだろう。
さらに、今回一番気になっていたのは、実は予告CMで流れていたシーン。山田涼介演じる神崎がキラキラの瞳でわざとらしい笑顔で放つ「タメだよ! タァメ~~!!」がどんなシチュエーションで、誰にむけられたものかが気になっていた。正解は、学ランに身を包んだ神崎が望美の同級生たちのもとに「潜入」するというものだったが、毎週日曜に『スクール革命』でブレザーをごく自然に着ている山田が、「学ランはさすがに無理がある」感を、こんなにもおかしく醸し出すことができるとは。
近年、山田は整いすぎた顔をコメディ方向に利用することで、見事なまでの「キレイなおバカ」を演じることに成功している。この「タメだよ!」の1シーンだけで、抜群のおかしさがあったし、メモしまくることを不審がられて「全日本メモ倶楽部会長」と紹介されていたのも、なんだか似合う。
さらに、チャーハンを作るシーンで、山田が出演していた「香味ペースト」CMを連想させたり、望美の母を演じていた奥貫薫が、山田の出演ドラマ『探偵学園Q』のキャラクター・ユリエだったりと、オタクサービスも満載。
今後は"異母兄弟"な二人の悲しい過去が明かされる展開となるが、神崎と黒木、チームの楽しい掛け合いだけは失われないものと信じたい。
(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)
【第5話(10月8日[金]放送)あらすじ】
神崎隆一(山田涼介)が、黒木賢司(田中圭)と父・神崎賢造(椎名桔平)の仲を取り持とうと模索するいっぽう、賢造は黒木に一通の手紙を託す。 そんな折、末長光一(八嶋智人)が待ち合わせをしていた警察学校の教官・植田太一(中村育二)が銃殺死体となって発見される。
池袋署の捜査員たちが事件解明に急ぐなか、第2の銃殺死体が見つかる。
被害者2人の電話の発着信履歴から、神崎と黒木の父・賢造が容疑者に浮上し、神崎は捜査から外されてしまう。
さらに、2つの殺人事件と22年前に起きた「ファミレス立てこもり事件」が関連していることが分かり、黒木は単身で捜査に乗り出す――。
◆番組情報
『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』
毎週金曜22:00からTBSで放送、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で地上波放送後より配信中。
ジェシー演じる諸星が主人公のParaviオリジナルストーリー『キワドくなりたい男』も独占配信中。
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