佐藤二朗が主演する『浦安鉄筋家族』(テレビ東京)の第10話が、9月11日に放送された。
今回はいくつもの「出来事」「場面」が交錯しながら同時に描かれる、バカバカしいのに非常に凝った複雑な構成になっていた。

前回、発明によって(本当はロケ地の一軒家が取り壊されたため)「家を壊した」罪により「準家族」に降格した晴郎(本多力)は、まだ「準家族」のまま。そして、地球侵略に来た宇宙人・星くん(永野宗典)の宇宙船にのってしまった春巻(大東駿介)も、やっぱり宇宙船にいる。

一方、大沢木家はいつものようにバカバカしくも平和だ。大鉄(佐藤二朗)と順子(水野美紀)の「タバコ争奪腕相撲大会」が行われる中、隣室では小鉄(斎藤汰鷹)がもらったラブレターへの返事を書いていて、順子ママの関心は完全にそっちに行ってしまっている。

さらに、小鉄の恋バナについて長女・桜(岸井ゆきの)に相談しようとすると、桜のスマホケースに「安産 子宝」のお守りがぶらさがっていることに気づいてしまう。しかも、電話相手に語っていた「やっぱり産むことにした」という衝撃の言葉も聞いてしまったから、もう大変。

ここからは順子ママの「心の声」の一人芝居が延々と繰り広げられることになる。

「準家族」の晴郎の発明をここぞとばかりに利用し、小鉄、桜を尾行し、「張り込み」する順子ママ。

しかし、「ラブレターの相手」として小鉄のもとにやってきたのは、小鉄と同じ小学校に通う、団員は本人一人だけの「タイガー軍団」団長、デニムのベスト+短パン姿の「中村タケシ」だった。実は順子ママが見つけた手紙はラブレターではなく、果たし状だったのだ。

原作よりもイケメンだが、「小学生」を違和感なく演じられてしまう泉澤祐希・27歳の恐ろしさ。童顔で華奢な身体ゆえに、「いつまでも高校生役ができる」と思っていたら、さらにそのハードルを大幅に下げてきた。腹筋が意外にバキバキであることとすね毛以外は、小学生として何の違和感もない。

また、妊娠疑惑があった桜はというと、実は彼氏の花丸木(染谷将太)とスマホゲームの話をしていただけだった。一安心して順子たち微笑ましく見守る中、桜が語る言葉に思わずホロリとする場面も・・・今回、子どもたちの恋への関心や不安、成長の嬉しさや、ちょっぴりの寂しさなど、激動の感情を「モノローグが漏れてたわ」状態で、ひたすら豊かな表情と激しいリアクションの千本ノック状態で表現し続けた順子ママこと水野美紀。彼女の魅力がこの1回に全部ギュッと詰まっていたようにも思える。

順子ママはSNSの反響を見ても、初回から一番人気の高いキャラだっただけに、今回は順子ママのファンサービス回だったのかもしれない。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第11話(9月18日[金]放送)あらすじ】

限りなく東京に近い千葉、浦安。"夢の国"から少しはずれたところに、どんな些細な出来事でも大波乱になってしまう大沢木一家が住んでいた。中でも大鉄(佐藤二朗)のだらしなさは空前絶後。家族サービスなどもってのほか...と思いきや、順子(水野美紀)が大鉄のある行動を、なんと「温泉旅行を計画している」と勘違い!「歴史的事件」「奇跡」と色めき立つ大沢木家!やがて旅行話は浦安中に広まって...たどり着いたのはサンタモニカ!?そんな騒動が引き金となって、大鉄の身に何かが起こる――。

◆番組情報
『浦安鉄筋家族』
毎週金曜夜0:12からテレビ東京で放送中。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信中。