佐藤二朗が主演する『浦安鉄筋家族』(テレビ東京)の第9話が、9月4日に放送された。

今回のテーマは「晴郎アローン」で、主役は丸ごと、劇団「ヨーロッパ企画」である。もともと脚本を手掛けているのが、ヨーロッパ企画の上田誠、酒井善史らで、大沢木家の長男でアニメ・発明オタクの「くそニート」晴郎が、同じくヨーロッパ企画の本多力。

毎回何かと変な発明をしては、家族かなり邪険に扱われたり、順子ママ(水野美紀)にぶたれまくっていたりする晴郎が、今回はとうとう「準家族」に降格する。
きっかけは、晴郎が実験を失敗して家を爆破したため。
もともと撮影場所となっていた一軒家がコロナ禍の休止中に取り壊されてしまったため、放送再開後の第7話では新旧の一軒家が場面によって入り乱れる構成になっていた。そこで、出演者にも「家、違わない?」などと散々ツッコませていたが、第9話では全てをリセット。家が壊れた原因が晴郎にあるとして片付けられているのは、なかなかの不憫さだ。

そんな不憫な晴郎に、さらに不憫な出来事が起こる。
大沢木家の次男・小鉄(斎藤汰鷹)のクラスに、「体は大人、心は子ども」の不思議な転校生・星くんがやってくる。星くんを演じるのは、本多と同じくヨーロッパ企画の永野宗典だ。「お友達が来て、良かったね」と思いきや、この星くんは実は地球侵略に来た宇宙人だった。そして、とある事情から、大沢木家を「浦安の王(キング)」と勘違いし、ニートの晴郎が留守番している大沢木家に侵入するのである。

そこで、不審者である宇宙人と、家を守ろうと必死のセイラープーンのコスプレをした「くそニート」晴郎の攻防が繰り広げられる。これは「晴郎版・ホームアローン」だ。しかし、セーラープーン姿の本多力のピチピチ短めトップスからはみ出た腹肉を、宇宙人姿の宗典がくすぐる「攻防」を見ながら、「今、私たちは何を見せられているんだろう・・・?」という気もしてくる。

しかし、そんなみっともない攻防を経て、晴郎は誰にも知られず、大沢木家と浦安市、さらには地球を守り抜く。しかも、そんな晴郎が発明に目覚めたきっかけが、幼い頃、妹・桜(岸井ゆきの)にアイスを溶けない状態で持ち帰ってあげるために作った「さクーラーボックス1号」だったことが発覚。それを母から聞いた桜は、一人、誰にも認められず、必死の攻防で疲弊している晴郎に、さりげなくアイスをくれるのだった。

ちなみに、今回の裏テーマは実は「無駄」じゃないかと思う。
晴郎という存在と、「無駄」にしか思えない発明の数々。また、現在、他局の『妖怪シェアハウス』で色気ダダ洩れの上司を演じている大東駿介が、本作で最もアホ可愛い春巻を演じていること。他局で大ヒット中の『半沢直樹』続編に出演を望む声がSNSに多数あるにもかかわらず、そこには出ず、『浦安』に何度も出演している滝藤賢一も。
全ては「無駄」に見えて、実は誰かを助けていたり、重要な意味があったりする。そう思うと、実は今回は『浦安鉄筋家族』の本質を突く回だったかもしれない。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第10話(9月11日[金])放送】
大沢木家に恋の季節到来!?腕相撲対決
限りなく東京に近い千葉、浦安。"夢の国"から少しはずれたところに、どんな些細な出来事でも大波乱になってしまう大沢木一家が住んでいた。そんな大沢木家で大鉄(佐藤二朗)VS順子(水野美紀)のタバコ争奪腕相撲大会が勃発!しかし大鉄はあっさり敗北してしまう。大黒柱としての矜持を保つべく、夜の再戦に向け晴郎(本多力)を巻き込んだ特訓を開始する。一方順子は小鉄がもらったラブレターを偶然発見!動揺しつつも子供の恋路に興味津々な順子は・・・。さらに春巻(大東駿介)は宇宙人の実験台に!?挙句の果てには"サイボーグ大鉄"爆誕!?とにかくパワフルで極端な家族が巻き起こす、最高のエクストリーム・ホームコメディ!

◆番組情報
『浦安鉄筋家族』
毎週金曜夜0:12からテレビ東京で放送中。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信中。