拝啓 田所(瀬戸康史)さんへ

胸板のよくわかるスーツ姿に、清潔感ある七三の前髪。いつもスマートで素敵だなと見とれておりました。でもね、でもですね、心ひそかに思っていたのです。できれば前髪を下ろしたところも見てみたいなあ、と。

そんな瀬戸康史ファンの願いを叶えてくれたのが第4話のラストシーン。湯上がりでしょうか。首からタオルを下げ、ベランダの手すりにもたれてビールをあおる前髪を下ろした田所さん。わずか15秒。わずか15秒の短いシーンですが、発熱のあまり南極の氷が3センチくらい溶けた。地球温暖化に拍車をかけてしまい誠に申し訳ございません。

癒しドラマの顔をしていた『私の家政夫ナギサさん』(TBS系/毎週火曜22:00〜)ですが、ここに来ていよいよ恋の導火線に火がついてまいりました...!

瀬戸康史の乗ったブランコの板に、私はなりたい

そもそも火曜22時枠といえば、『ダメな私に恋してください』(2016年、TBS系)から『恋はつづくよどこまでも』(2020年、TBS系)まで、恋愛ドラマが消滅しつつある昨今の連ドラ界において、希少かつ強力なラブコメ枠。そしてラブコメに必要なのは、魅力ある男性スターです。

『中学聖日記』(2018年、TBS系)の岡田健史や『初めて恋をした日に読む話』(2019年、TBS系)の横浜流星のようなフレッシュスターの発掘から、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年、TBS系)の星野源、『わたし、定時で帰ります。』(2019年、TBS系)の向井理、そして『恋つづ』の佐藤健のようにキャリアのある実力派の新たな魅力の開拓まで。同枠をきっかけに多くの俳優が人気を爆発させてきましたが、『わたナギ』から飛び出したのは、やっぱり瀬戸康史。放送終了後には「田所さん」がTwitterでトレンド入りするほどの大反響に。

だって、この第4話、もはや完全な田所さん祭り。指切り、顎クイなどイケメン仕草が出るわ出るわ。唇についたマヨネーズを指で拭くのなんて、瀬戸康史だから許される芸当。一般人があんなのやったら、確実にそのあと女子たちのLINEグループで滅多打ちにされているから気をつけて!

メイ(多部未華子)は肥後先生(宮尾俊太郎)から、田所さんは薫(高橋メアリージュン)から告白され、飲み込みきれない気持ちを抱えたふたりはそのまま夜の公園で外飲みをすることに。コンビニの焼き鳥を片手にビールをあおるふたりは、今までよりもずっと親しげな雰囲気。

できるならバインバインにまたがっている瀬戸康史を見たかった・・・という名残り惜しさはあるものの、ブランコに乗って、どちらが高くまで漕げるか競争するメイと田所さんのキラキラ感は大人の放課後みたい。

毎回、個性と可愛らしさを両立させたメイのファッションも楽しみのひとつですが、このときに着ていたピンクに白のストライプが入ったワンピースは多部未華子にぴったりで、「たぶん田所さんより器用だから」といつになくはしゃいだ様子でブランコに勢いをつける姿なんてもう超絶かわいい。

そして、立派な成人男性なのに不思議なくらいブランコがしっくり来る瀬戸康史のおそろしさよ。見ながら、今度生まれ変わるなら瀬戸康史が乗ってるブランコの板になりたいなとうっすら考えておりました。

メイと田所さんはお似合いか、それとも地獄の始まりか?

第4話を見たところ、完璧そうに見える田所さんも家の中は段ボールの山だらけで、引っ越ししてもう1ヶ月も経つのにこの有り様ということは、おそらく田所さんもメイと同じ人種の模様。「たぶん田所さんより器用だから」という台詞から考えても、メイも田所さんも世間的には器用そうに見えるけど、実はすごく不器用なんでしょう。そう考えると、このふたり、案外お似合いかもしれません。

まだまだメイは田所さんにはっきりとした恋愛感情はないようですが、ここからメイと田所さんのラブコメが展開されていくことはもはや間違いなし。そのときに気になるのが、メイが"家事下手"であることです。

ナギサさん(大森南朋)を受け入れたものの、どうやらまだメイは若い女性が家政夫を雇うなんてみっともないという世間向けの呪いからは解き放たれていないみたいだし、もしお付き合いする男性ができても、家事が下手であることを相手に打ち明けるのは相当ハードルが高そう。

ましてや、もし田所さんが予想通り家事が下手で、しかも悪意なく「女性に身の回りの世話をしてもらえるとうれしい」「結婚したら女性は家庭に入ってくれたらいいな」というタイプの男性だったら・・・? 「今の自分の生活を1ミリも変えなくていい人」が理想の相手と断言するメイにとって、もはや地獄の始まりでしかない。母・美登里(草刈民代)の呪いが娘に連鎖する未来まで見えてきた・・・!

そして、そんなときこそナギサさん。シングルの女性が家事をアウトソーシングするのは別に恥ずかしいことじゃないという価値観を世間に気づかせてくれるとともに、共働き夫婦の家事のアウトソーシングまでしっかりと描いてくれたら、めちゃくちゃ今日的なドラマになると思うのですが、はたしてどうでしょうか。

本命・ナギサさん、対抗・田所さん、大穴はまさかの瀬川くん?

一方、ここに来て新たに気になるキャラクターも出てきました。それが、新入社員の瀬川くん(眞栄田郷敦)。これまでも愛犬感をたっぷり振りまいて、画面に華をもたらしてくれていましたが、第4話で一気に存在感アップ。

メイと肥後先生との慰労会で無になっている演技は、ピュアすぎて好感度急上昇。瀬川くんといえば、いつもちょっと俯いて口を結びはにかんでいるのがデフォルトですが、あれも忠犬っぽくて、思わず髪をわしゃわしゃしたくなる。

と思いきや、第4話のラストでは物憂げな横顔がインサートされていましたが、あれは何? もしや瀬川くんも恋のリングに参戦してくるの? 確かにメイに結婚願望があることをやたら驚いていたけれど、まさか・・・?

原作を知っている者としては、このままナギサさんが癒し系おじさんで終わるはずもないように思え、なんだかこのラブコメ、思った以上に想像がつかない展開になりそう。

いつも笑顔でいい上司なんだけど、なんだか妙な圧がある古藤支店長(富田靖子)など、天保山製薬を舞台としたお仕事ドラマ。唯(趣里)と美登里の和解など、さまざまな家族の呪いとその解放に迫るホームドラマ。そして、田所さんを筆頭にアラサー女性の恋と結婚を描いた恋愛ドラマ。この3つの要素をまじえながら、さらに広がっていくであろう『私の家政夫ナギサさん』。

とりあえず今、私が願うことは、毎回ワンシーンは前髪を下ろした瀬戸康史を出してください!!

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第5話(8月4日[火]放送)あらすじ】
ある夜、メイ(多部未華子)が帰宅するとナギサさん(大森南朋)から料理を教わる母・美登里(草刈民代)の姿が。父・茂(光石研)の還暦パーティーで手料理を振舞い、驚かせたいらしい。
これを機に、3年前に実家を飛び出したままの妹・ 唯(趣里)と美登里の仲を取り持ちたいメイは、ナギサさんに相談。
すっかりナギサさんに心を許しているメイは、自分もナギサさんについて知りたいと思うようになる。
一方、田所(瀬戸康史)はメイのことを意識しながらも何かを隠している様子...。

◆番組情報
『私の家政夫ナギサさん』
毎週火曜22:00からTBS系で放送
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信。
またParaviオリジナルストーリー『私の部下のハルトくん』も独占配信中だ。