――本作への出演が決まったときのお気持ちは。

概要をお伺いしたときに「今だからこそできる、今だからこそダイレクトに伝わる」作品なのかな、面白いなと純粋に感じました。それをみなさんに届けられて、何か後押しできたらいいなと思いました。

――渡邊さんが演じる千秋はどのようなイメージで演じられたのでしょうか? また、ご自身に似ているところなどあったりしますか?

千秋はポジティブなんですよね。コロナ禍で仕事ができなくなっている中でも、ふさぎこまないで今自分にできることを見つけて、屋上から空を撮ったり、ベランダから空を撮ったり。僕もすごくポジティブな方なので、そういうところは似ているかなと感じました。

20200702_love_05.jpg

――作中では美和を演じる水川さんとのやり取りが一番多かったかと思いますが、共演してみて印象はいかがでしたか?

本当に明るい方で、スタッフ、キャスト、水川さんにかかわる方全員を巻き込んで自分のペースで歩んでいくのがすごく上手な方だなと思いました。お花みたいな、すごく素敵な方だなと思います。

――水川さんの他にも清原さん、NewTuberの役で、馬場さん、板垣さん、中尾さんが出演していらっしゃいますが、皆さまの印象はいかがでしょうか?

清原さんとは以前ドラマでご一緒させていただいてるんですけど、前回に引き続き一緒になるシーンがなくて・・・(笑)。次はしっかり絡みのある共演がしたいねというお話をしました。NewTuberの方たちとのシーンは、ベランダ越しに話すなどの制約があっていつもと違う撮影方法なので、セッティングに時間がかかったりしたこともあって話す時間が結構ありました。板垣くんがまだ19歳ということもあって「若いね、板垣くん」とか話していました(笑)。馬場さんは年齢が意外と近かったっということで親近感がわいて、中尾くんとは「飲み行こうよ」って話になったり。共演者に恵まれたとてもいいドラマでした(笑)。

久しぶりに人と話したというのもあるんですけど、距離を保ちながらでも人と面と向かって話すというのはすごく大事なんだなというのを今作で気づかせていただきましたね。

20200702_love_03.jpg

――この作品では "愛"と"キョリ"がテーマになっています。「ちょっと距離はあっても直接話した方がいい」とおっしゃっていましたが、やっぱり離れているよりも近い方がいい・・・など自粛前と後で価値観は変わりましたか?

両方いいところがありますよね。近ければ近いほど心が通じ合って仲が深まるのは早いだろうし、遠くても距離があることで一歩引いて見ることができるので見えなかった部分が見えてくることもあると思いますし。その人だけじゃなくてその人の周りにあるものの相性だったり、そういうのが見えてくるようになるので、どっちがどうとかはないのかなって思いましたね。仲良いからこそ一歩遠くから見てみようかなという考え方も持てるようになりました。

――何度でも観たくなるお気に入りのシーンはありますか?

僕は今回フォトグラファーである千秋として参加させていただいたんですが、基本的に撮る写真は空と美和さんと花なんですよ。撮影の合間にも思わず美和さんを撮ってしまう瞬間があって・・・水川さんと花の相性がすごく良くて、すごくお似合いだったんです。ドラマの中で僕視点の美和という場面が結構あるんですけど、僕はそのシーンだけを抜いて話を作ってもいいと思うくらい、すごく素敵な画になっているんですよね。なので、そういうシーンは何回でも見てほしいです。僕と同じ気持ちを味わってほしい。

――普段はよくカメラで何か撮影したりするんですか?

いえ、実は携帯のカメラで撮るという習慣はないんです。思い出は心に留めておくタイプなんですけど、この自粛期間にたまたまフィルムカメラを始めて、そんな中で千秋という役をいただいたので運命的な流れを感じました。

――ステイホーム期間中にフィルムカメラ始めたんですね。ずっと興味があったことだったんでしょうか? また、他に始めたことなどはありますか?

昔、1950年くらいに出たビンテージのカメラを買って、一回友達と旅行に行ったときにそのカメラでめちゃくちゃ撮っていたんですよ。フィルムがいっぱいになったので取ろうと思ったら古すぎて取り方がわからなくて、フィルムをちぎってしまったんですよね・・・それで、僕には合わないかなと思ってしまっていたんですけど、ステイホーム期間中、散歩に行くついでに何かできないかなって思ってカメラを始めました。

あと、人としゃべることが本当になくなっていたので、カメラを通してしゃべるということをやっていました。あと滑舌が悪くならないように発声をやったり、料理もするようになりましたね。

20200702_love_02.jpg

――ちなみに料理は何を作られたのでしょうか?

事務所で「ハンサムライブ」というのをやっているんですけど、"ハンサム"メンバーでリモートライブをやらせていただいた待ち時間とかに、料理うまいメンバーが何人かいるので「何買って、何作ったらいい?」っていうのを聞いたりして作りましたね。石賀和輝くんからは「鶏のむね肉を買ってきて煮込むといいよ」と言われたので作りました。ちょっと水入れて煮ていたら吹きこぼしてしまったんですけど(笑)、でもすごくおいしくできました! 今は、朝ごはんだけは自分でちゃんと作るようになりました。

――『恋はつづくよどこまでも』への出演で世間から注目度も変わったと思うのですが、そういうのを実際に感じることなどありましたか?

今までは『仮面ライダー』の印象が強かったのでお子さんを連れているお母さんやお父さんに声をかけられることなどはあったのですが、『恋つづ』の放送後には20代くらいの方に声をかけていただけるようになりました。あと友達からもいろんな連絡をもらっているので、「頑張ってるよ」って連絡したりします。

――『仮面ライダー』に出演されたときは同世代の役者さんが多かったと思いますが、『恋つづ』や今作では先輩の方もいらっしゃるので共演して刺激を受けることもあったと思うんですけど、そういうことは何かありましたか?

台本の理解度が違うといいますか・・・『恋つづ』でご一緒した佐藤健さんも水川さんもそうなんですが、イメージの深さの次元が違うなって感じました。僕が考えていたことの、もっともっと深いところでイメージを持たれているなと・・・膨らませ方がやっぱりうまいなって。僕も表面的な理解だけでなく、もっと飛躍させていかなきゃいけないなと思いました。

20200702_love_04.jpg

――視聴者の方へのメッセージをお願いします。

緊急事態宣言が解除されたからと言って、人との距離は保たなければいけない世の中。もしかしたら苦しいなとかやだなと思う部分もあると思うんですけど、一歩引いて見るからこそ普段絶対気づけなかったものがある・・・というところを描いた作品になっています。こういうことに気付けるよ、こういう距離があるからこそ人とのつながりの大切さを感じるんだよというのを訴えられるドラマだと思います。「何かしようかな」と悩んでいる人の背中を少しでも押せるようなドラマになればと思っていますので、観ていただけたらうれしいです。

◆番組情報
Paraviオリジナルドラマ「love⇄distance」(毎日配信1話8分×全10話)
動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で独占配信中
(C)Paravi