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――『浦安鉄筋家族』をドラマ化することになったきっかけは?

私が元々高校生まで浦安市に住んでいて、小さい時から読んでいた漫画だったのでいつか実写化されたドラマを観たいなと思っていたんです。それでドラマ室に配属されてそういう企画も出せるようになったので、せっかくだからと企画書を出してみたらOKを頂けて実際に実写化にまで至ることが出来ました。

――今回がプロデューサーデビューなんですよね? 手応えのほどはいかがでしょうか?

一作目にしては中々ハードルが高いですよね・・・(笑)。実際に企画を立ち上げて、撮影など進めていく中で、APの頃とは考えるところが違ってくるので勉強になることがすごく多いです。作品性をぶらさないためには、クオリティを落とさないためにはどうすれば良いのかと、監督などの意見や意図などを聞いてプロデューサーと言う立場ながら毎話勉強しています。

――ドラマ化が発表されてからすごく話題になっていましたね。

実写化を発表した際にネットで話題にしていただいてうれしかったです。原作をご存じの方々から「どうやって実写化すんの!?」などの声をすごくいただいて、「これだけ注目していただけてる。いけるな!」と思いました。

――原作者の浜岡先生の反応はいかがでしたか?

撮影が始まってから私はお会いさせていただいたんですけど、撮影前から先生とお話を進めていた担当の方からは「先生、まだドラマ化信じてませんよ」と伺っていました(笑)。「企画決まりました! キャスティングも進めています」という段階でも信じられなかったようで(笑)、いざ撮影が始まってからはすごく喜んでくださっているようで、私もうれしいです。

――浜岡先生から実写化に際して何かリクエストなどありましたか?

実はほとんどなくて・・・自由にやらせていただいてます。原作がある作品でこんなに自由にやらせていただくことは他にないんじゃないかというくらいで・・・本当に感謝しております。

――原作は小鉄が主人公ですが、ドラマで大鉄を主人公にした意図はなんでしょうか?

原作だと小鉄の存在感が大きくて子供たちの物語が中心になっているんですが、ドラマとしてどういう要素が加えられるかと考えた時に『浦安鉄筋家族』と言うタイトル通り、家族の話でもあるので家族の良さみたいなものを伝えたいなと思ったんです。それであれば話の中心は小鉄じゃなくてお父さんでも良いのかなと思って。せっかくドラマ化させていただくので、子供たちだけでなくもう一歩踏み込んで家族の話にしたかったのが大鉄が主人公になった理由です。

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5月15日(金)放送 第6話より

――そんな大鉄を佐藤二朗さんが演じられていますが、佐藤さんを起用されたポイントは?

原作の大鉄って本当にどうしようもなくて、ただただ横暴で子供にも当たりが強いしだらしがなくてろくでもない感じなんですけど、漫画だからこそ面白くて許されるキャラクターであって、実写化する時にはもう少し人間として愛せる部分が欲しいなと思ったんです。
佐藤二朗さんであれば"こんなにダメダメだけど憎めない、愛おしい"というような大鉄を作り上げていただけるんじゃないかなと思いました。二朗さんご本人のSNSとかで酔っぱらった時の投稿が話題になっているのを見て、年上の方に使うのも失礼ですが「可愛らしいなぁ」と思ったことがあり、そういう部分が好意的に受け止められているのも二朗さんご本人の魅力だと思いました。ドラマ化が決まってすぐに「佐藤二朗さんにお願いしたい!」というのが決まりました。

実際に撮影してみたら佐藤二朗さんの大鉄が本当にすてきで。子供たちにあたりは強いんですけど、ちゃんと血が繋がっているんだなというのが見てわかるような風にしてくれているんです。原作のキャラクターに人間らしさというのをより多めに加えてくださっているのですごい魅力的な大鉄になっていると思います。

――他の登場人物もすごくぴったりな配役だなと感じたのですが、そういうところは意識されたんでしょうか?

実はそんなに原作の性格とかキャラクターに似ているから・・・とかではキャスティングしていなくて。キャラクターの個性、雰囲気を把握した上でそれぞれの解釈で演じていただければとても自然な大沢木家が出来るんじゃないかと思ってリクエストさせていただきました。実際に順子役の水野さんも、その他のキャストの皆さまもすてきに仕上げてくださっていて。

順子だと普段はおしとやかなんだけど怒るとめっちゃ怖くてパワフル、という原作のベースは残していただきつつ、あとは水野さんご自身で家族へのお節介焼きな感じとかを取り入れていただきました。漫画ではそこまで詳細に描かれないけどドラマだとセリフが無いところも動きが入るので、水野さんがご自分のアイデアで「ずっとせわしなくみんなの名前を読んで、せわしなく動いている」という設定を作ってくれていたりして、それが大沢木家を作っていく中ですごく活きていたんじゃないかと思います。

大沢木家のシーンは普通の一軒家を借りて撮影しているので、スタッフが大人数入るとあまりスペースが無くて。待機場所も大部屋に皆さん一緒に居ていただいてたりするんですけど、それもあって空き時間にムードメーカーである二朗さんを中心にコミュニケーションをとっていらして、見事に大沢木家の雰囲気を作り上げていってくださっています。

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5月15日(金)放送 第6話より

――大沢木家だけでなく、花丸木くんや春巻龍、仁ママなど原作でも人気のキャラも話題になっていますよね。

原作の中でも花丸木君や仁ママ、春巻先生はめちゃくちゃキャラが濃いので「あれは誰がやるんだ」ということでずっと注目いただいていたと思います。

花丸木役の染谷将太さんは、小さい頃から原作ファンだという情報を得てから、即座にオファーしました。ダメ元ではあったのですが、なんと快諾していただけてびっくりしました。原作ファンだからこそ、ドラマで役にする時に何が大事なのかというのをすごく考えてくださったんです。監督たちとも打ち合わせをして、「服が勝手に脱げていく」人格が形成されるまでにどんな風に育ったのか...などを勝手な解釈ですけど、お坊ちゃん過ぎて世間知らずだから行き過ぎてああなっている・・・"肌がすべすべしてる"から服が脱げてしまう・・・と、監督・染谷さんを中心に色々と議論しながら人格形成をしていきました。

3話が花丸木くんのメイン回だったんですけど、SNSでもすごく話題にしていただけたので、ありがたいなと思いました。染谷さんが"ヘンテコなのに、なぜか放っとけない男・花丸木"を、岸井ゆきのさんが"そんな花丸木になぜか盲目的に恋する乙女・桜"を、
お互い説得力を持たせてくれるように仕上げてくださいました。花丸木くんはすぐ裸になっちゃったり「らむ~」ってクネクネしててヘンテコなのに愛しちゃう感じが、なんだかすごくわかるんですよね。染谷さんが人間的な魅力を足してくれているからこそだと思います。

春巻役の大東駿介さんも原作ファンで並々ならぬ気合で臨んでくださっていて、この役のために減量してくれたんです。1週間ほとんど水と野菜だけで過ごして痩せてくださったようで、現場でもご自分ですごいアイデアを出してくださって、急に段ボールを食べたり・・・美術さんが用意してた草(にら)を生で食べたり結構身体を張ってくださっていて、その役者魂に感激しました。原作愛がダイレクトに芝居に反映されていて、素晴らしかったです。

大東さんが春巻役だと発表されたときに「こんなイケメンが春巻を!?」と思われた方もいらっしゃると思うんですけど、放送後には大東さん演じた春巻が"驚異の再現度!"と原作ファンの方たちからも受け入れられているのを見て、私も嬉しかったです。
どのキャラクターもすてきな仕上がりになっているので、楽しんでいただければと思います。

――後編では、さらに撮影現場の裏話やドラマならではの魅力などを聞いた。

◆番組情報
『浦安鉄筋家族』
毎週金曜夜0:12からテレビ東京で放送中。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信中。
※新型コロナウイルスの感染拡大で撮影スケジュールに影響が出ているため、7話以降の放送は延期となりました。

(C)「浦安鉄筋家族」製作委員会