浜岡賢次のギャグ漫画を佐藤二朗主演でドラマ化した『浦安鉄筋家族』(テレビ東京)。
第一話では、原作の第一話を忠実に再現したことにより、原作ファンがイメージする、世界観がある程度定まってからの「浦安」との違いに、少々違和感を覚えた人も多かったのではないだろうか。

そうした意味で、待望の「浦安」の世界観が観られたのは、4月24日放送の第三話である。
今回のストーリー主役は、大沢木家の長女・桜(岸井ゆきの)の彼氏・花丸木くん(染谷将太)。これまでも「〇〇らむ~」という独特の語尾や、関節が奇妙に曲がった軟体動物のようなぬるぬるした動きなど、異常な再現度の高さを見せてくれていたが、唯一引っかかるのは「すぐに裸になっちゃう」要素が省かれていたことである。

しかし、それも第三話で見事に解消されていた。
桜とデート中の花丸木くんは、歩行時にズボンのすそが木に引っかかり、スルスルと糸がほどけて、ナチュラルに裸になっていく。それの様子を父・大鉄(佐藤二朗)が見てしまったから、大騒ぎ。桜は必死で弁解する。

「花丸木くんは肌の抵抗が少ないの! 育ちが良いのよ!」。

つながりは全くわからないが、確かにツルツルヌルヌルした質感は抵抗がなさそうだし、育ちも良さそうだ。

その後も「小学生の悪ガキたちにランドセルを持たされていた」「おせんべいが辛くて駄菓子屋の前で泣きじゃくっていた」など、大沢木家が遭遇した花丸木くんの日常が次々に回想されていく。そのダメっぷりが実に可愛い。

さらに、一番楽しみだったのが、花丸木くんがデート中、スパゲッティを食べながら自分の着ているニットを食べてしまい、裸になっていくシーン。これぞ花丸木! これぞ浦安!
こんな摩訶不思議なシーンを、ハイテンションに誇張するでもなく、実写としてナチュラルに説得力を持たせてしまう染谷は、すごい。

桜の語る「ユニセックスな走り方。イノセントでブリリアントなオーラ」という表現も、「裸で、天然で、いじめられっ子だけど私の大事な彼氏」という紹介も、彼ならしっくりくる。大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合ほか)で演じている新しい信長像もそうだが、彼が登場するだけで、何をしてくれるのかと胸が高鳴り、釘付けにされてしまう不思議な魅力を持つ役者だ。

ちなみに、今回は、実写化不可能だと思われていた「猪木の巨大うんこネタ」を、真壁刀義の出演により実現するという小技も効いていた。この下ネタと格闘技へのこだわりに拍手を送りたい。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第4話あらすじ(5月1日[金]放送)】
ある日、大沢木家に不審者が侵入する事件が...!??と思いきや、正体は小鉄のクラスの担任・春巻龍(大東駿介)だった。腹をすかせてはタダ飯を食らおうと生徒の家を訪ねるサイテー教師・春巻は金欠ゆえに学校に住み着くろくでなし。
ある日、ひょんなことから学校で小鉄のクラスの酷い有様を見てしまった順子(水野美紀)は、ついついお節介をしてしまい生徒達から賞賛を浴びる。そんな姿を見た春巻は、悔しさからか行方をくらましてしまい・・・!??

◆番組情報
『浦安鉄筋家族』
毎週金曜夜0:12からテレビ東京で放送中。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信中。
※新型コロナウイルスの感染拡大で撮影スケジュールに影響が出ているため、7話以降の放送は延期となりました。