安達祐実が本人役で主演し、夢に登場する擬人化した"捨てられないたち"と対峙する『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京/毎週金曜深夜0:52~)の第二話が4月24日に放送された。

冒頭から、安達さんの"天才子役"出身ならではの、勘の良さ、小賢しさがさく裂。
第二話にしてすでに"擬人化したモノ"が出てくることのシステムを理解してか「夢に出るのは、自分の後悔や心残り」と読んできた安達さんは、部屋に座敷童のように登場する謎の少女(川上凛子)に対して、「あなた、サトウチエちゃん?」と尋ねる。

サトウチエちゃんとは、幼稚園のお遊戯会で、安達さんが変身後のシンデレラを演じたときに、「変身前のシンデレラ」を演じた子だという。
「幼稚園児ながらに傷ついたと思うんですよねー」と言いつつ、すでに子役としてプロだった自分がセリフの少ない「変身後」を演じることに複雑な思いもしたと語る安達さん。そのナチュラル上から目線の語りに対し、少女は引き気味に言う。

「うわぁ・・・自分にお酔いになられてます?」

年を重ねても変わらない可愛さで、幼稚園児の頃の記憶も昨日のことのように無邪気に自分目線で語れてしまう安達さん。一方で、寝そべりながら紅しょうがを食べる自堕落な大人の面を見せるアンバランスさが実におかしい。

と思ったら、第二話で登場したのは、「輪ゴム(臼田あさ美)とレジ袋(戸塚純貴)」。人選のサブカルくささも良いが、第一話の""安達さんの代表作"と世間で言われている作品の完パケが焼かれたDVD"からの大きな落差で、なんとも所帯じみたモノだ。
しかも、冷蔵庫のフックに引っ掛けられている輪ゴムの中で「一番上にあって、ちょっと大きめで、自分ばかり使われていて、体が限界の輪ゴム」と、シンクの下の物入れに詰め込まれ、ときどき溢れるレジ袋の中で「ゴミ袋として使われることのない書店のレジ袋」という。
この細かすぎる視点に思わずクスリとさせられるが、単なる「あるある」で終わらないのが、このドラマである。

両者はなぜかモメ始めたり、慰め合ったりする。「なに、この感じ?」――二人のやりとりが、妙に生っぽいと思ったら、やはり二人は付き合っていた。
さらに、輪ゴムとレジ袋の意外な関係性も、次々にわかってくる。「同時期に家に来た理由はこれか!」「だからちょっと大きめなのか!」などなど・・・小さなプライドにドキリとしたり、恋模様にほっこりしたり、数々の伏線が回収されていく謎解きのような爽快感まで味わえたりする第二話。ただの輪ゴムとレジ袋なのに、奥が深いったらありゃしない。

(文・田幸和歌子/月野くみ)

【第3話あらすじ(5月1日[金])】

【女性向けのライフスタイル雑誌の編集者から"毎号私物を一つ整理してほしい"という企画の依頼を受けた安達さん(安達)。
ある日、西村マネージャー(西村晋弥)との会話でふと、学生時代に使っていた携帯電話の存在を思い出す。
その夜、夢の中に安達さんが使っていた初代携帯電話の男(加藤諒)が現れるが、今まで登場したモノ達と少し様子が違うようで...。そして、初代携帯電話との出会いを機に思い出した自身の学生時代の本当の記憶とは?

◆番組情報
『捨ててよ、安達さん。』
毎週金曜深夜0時52分からテレビ東京で放送中。
動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、放送1週間前から先行配信中。