安達祐実が本人役で主演し、さまざまな"捨てられないモノ"を捨てていく『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京/毎週金曜深夜0:52~)。女性誌の「私物を捨てる」という企画の相談を持ちかけられた日に、捨てられないモノが夢の中に擬人化して登場するようになる。

テレビ東京らしい"視点"の面白さが売りのユルいドラマだろうと思っていた。しかし、初回からかなりヒリヒリするセリフ・展開が連発される。

夢の中の謎の少女(川上凛子)が連れてきた初回ゲストの"捨てられないモノ"は、とあるオンナ(貫地谷しほり)。あなたは誰かと問われると、「安達さんの代表作のDVD」。代表作のわりにテンションがいやに低いなと思ったら、「正確には、DVD化されていない、"安達さんの代表作"と世間で言われている作品の完パケが焼かれたDVD」という。

この瞬間に視聴者の頭には、あの作品が浮かんでくるだろう。「4年前くらいにこの家に来た」「当時のスタッフさんと20年ぐらい前に再会したときにもらったもの」というから、時期的にもやはりアレか・・・。それにしても、あんなヒット作がDVD化されていなかったとは。なぜだろうなどと考えている間に、DVDである貫地谷と安達さんの会話はグングン進む。

「代表作のDVD」なのにテンションが低いのは、積んである本と本の間にしまわれて、一度も観られていないから。しかし、安達さんは「ここにあればいつか見るかもしれないし」と、捨てるわけでもない。「見たくない」「でも、捨てられない」存在であるDVDは言う。

「同情するなら、観ておくれ!」

近年、自身が童顔であることにコンプレックスを抱いていたことや、「安達さんの代表作と世間で言われる作品」に出ていた頃に味わった嫌な記憶などをインタビューで語っている安達祐実。そんな「現実」とフィクションが重なり合い、DVDの訴えが痛切に響く。

「捨ててよ、安達さん。」

さらに、夢の中の少女も言う。

「いいんだよ、今の自分を肯定してあげても」「この人(代表作)を捨てても、こういう人、今後も出てくるよ」

第一話から、なんてギリギリのところを攻めるのだろう。
それにしても、こんなシュールなシチュエーションが単調にも、安っぽくもならないのは、安達さんが良い女優だからこそ。

ちなみに、第一話のゲスト・貫地谷しほりと安達さんの会話劇は非常に見応えがあったが、それもそのはず、舞台版&ドラマ版の『ガラスの仮面』北島マヤ同士という夢の共演でもあったのだ。つくづく不思議で、豪華な企画だ。

(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)

【第2話あらすじ(4月24日[金])】
女性向けのライフスタイル雑誌の編集者から"毎号私物を一つ整理してほしい"という企画の依頼を受けた安達さん(安達祐実)。
再び夢の中に現れた少女(川上凛子)を見て、安達さんは幼少期時代のある出来事を思い出す。
そんな中、輪ゴム(臼田あさ美)とレジ袋(戸塚純貴)を名乗る男女2人が安達さんの元を訪れる。
何やら自身の使い方について不満がたまっているらしく・・・。さらに、話していくうちに輪ゴムとレジ袋が喧嘩を始めてしまい・・・。

◆番組情報
『捨ててよ、安達さん。』
毎週金曜深夜0時52分からテレビ東京で放送中。
動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、放送1週間前から先行配信中。