1月17日(金)夜10:00からTBS金曜ドラマ枠で放送される新ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』の試写会と制作発表が1月9日(木)に行われ、伊藤英明、中谷美紀、ムロツヨシ、松本穂香、片寄涼太、余貴美子が登壇。本作への意気込みや伊藤&中谷&ムロの "同級生トリオ"がお互いの印象などを語った。
本作は、ビッグコミック増刊号で現在も連載中の同名漫画が原作で、僧侶でありながら救命救急医でもある異色の主人公・松本照円の奮闘を通して、「生きることとは、そして死ぬとは何か」を問う一話完結形式の医療ヒューマンドラマ。
東京・善立寺で試写会と制作発表が行われ、現役の僧侶たちも参加。荘厳な雰囲気の中、主演を務める伊藤をはじめとするキャスト陣が登場した。
主人公・松本照円を演じる伊藤は「近年は子供が生まれて、そんな中20代の頃から見守ってくれていた"第2の父親"と言っても過言ではない事務所の社長や本当にかわいがっていただいていた津川雅彦さんを亡くし・・・人の"生と死"という、自分自身の岐路を感じている時に、こういう素晴らしい役をいただいたことに感謝を感じ、縁を感じています」と自身の経験を振り返りつつ、主演を務めることに感謝を述べた。そして「今、素晴らしいキャストとすてきなスタッフの方に囲まれながら撮影をしておりますが、手ごたえを感じております」と語った。
また、伊藤は2年間伸ばしていたという長髪を剃髪し本作の撮影に臨んでおり「3年以上伸ばしていたのでスッキリしました。『良く似合う』って言っていただけて、自分自身も楽な髪形が好きなので、坊主気に入ってます」とコメント。
さらに、3ヶ月以上かけて般若心経やさまざまな真言を覚えたり役作りをしてきたという伊藤。「特に般若心経を覚えるのに苦労しました」と振り返り、「ジムのお風呂でよくお経を唱えていたんですけど、ジムの人が(坊主頭だったことで)市川海老蔵さんがジムでお経を唱えていると誤解されたようで・・・(笑)。ドラマが解禁されてからは、"伊藤英明がお経を読んでいた"ということで落ち着いたんですが、その間に不気味がられた市川海老蔵さんに対して謝りたいなと思います」と驚きのエピソードを告白した。
松本の同僚で松本と相容れない部分も多く衝突しながらも、お互いの実力を認め合う救命救急医・三宅涼子役の中谷は「私は松本とは真反対の無宗教だったんですけど、伊藤さん演じる松本と言う人間が僧侶であり医師で、すごく人間味に溢れていて情熱的。とても魅力的だったものですから、この際、極楽浄土はもとより地獄の果てまでも最後までご一緒にお供したいと思いました」と伊藤が作り上げた松本というキャラクターに惚れ込んでいる様子。
そんな"魅力的"な松本を敵対視するエリート心臓血管外科医・濱田達哉を演じるムロは「今年のお正月は地元の横浜に帰省しまして、地元の友達、親族、甥っ子姪っ子たちから『ツヨシくん次は何の役をやるの?』と言われて『天才心臓外科医だよ』って・・・ずっと笑われました。そいつらを見返すために私はこのドラマ頑張りたいと思います」と闘志に燃える瞳で語った。
それでも少し不安があったのか、1話を見た観客に対して「見ていただいたんですよね? どうですか? 私は・・・心臓外科医だったでしょうか?」と問いかけたムロは、観客からの盛大な拍手を受け、満足げに笑っていた。
また、濱田の下で働く新人心臓外科医・児嶋眞白役の松本は「先ほど1話を見させていただいたんですけど、本当に面白くて。面白いだけじゃなくて、 "終わってしまう"という辛い悲しいできごとの中でも残された人たちが明日から頑張れる活力みたいなもの、バネにする強さ、そういうものをもらえるドラマだなと思いました」と作品の魅力を語り「すてきな先輩たちに囲まれて、私ももっともっと児島を一生懸命生きて頑張って良いドラマにしていければいいなと思います」と意気込んだ。
さらに、代々続く医者の家系で千葉にある大病院の御曹司でもある"サトリ研修医"・田中玲一役の片寄は「自分は高校の同級生に二人研修医をやっている人が居て、大阪に帰省した時に二人のリアルな声を聞いたりしてきました」と役作りについて語りつつ「("サトリ世代"の生意気な役でもあるので)現場では中谷さんにも『本当にムカつく!』と言っていただくこともあって(笑)、若い世代の代表としてやらせていただこうかなと思います。精一杯いい経験をしていきたいと思います」とコメントした。
そして、松本をチャプレン(教会・寺院に属さずに施設や組織で働く聖職者)兼救急医として雇うことを決めたあおば台病院の理事長・澁沢和歌子を演じる余は「本日はこんなすてきな本堂の前でこうやってやらせていただいて清々しい気持ちになっているんですけど、撮影が入る前にもこちらの住職さんに祈願していただいて、清めていただいて邪悪な心が消えていったような気がします」と晴れやかな表情で語り「私は理事長という役なんですが、制服を着る役が大好きで今回も白衣を着られて、理事長なのでちょっと皆さんよりいい白衣を作っていただいて楽しんでおります。ひと癖もふた癖もある病院のメンバーと一緒に物語を作っていきたいと思います」と語った。
伊藤、中谷、ムロは同い年ということもあり、そのことを司会者から話を振られたムロは「僕は20代の時はお二人を観る側だったので『伊藤英明だ!』『中谷美紀だ!』ってなってました、最初は。今はもう共演してるのでそんなことはないですけど! 20代私がバイトしてる頃二人ともバリバリ映画やドラマに出てらして。『海猿』なんかは同年代の俳優がいっぱい出ていたので『なんで俺は出れないんだ!』って悔しくて。でも今、43、44歳で共演しております!」と共演を喜んでいる様子。
しかし、「まだ実は対立しているシーンが多いのでご一緒する時間がまだそこまでないんです」と語り「でもずっと英明さんが『鍋を食べたい、鍋を食べたい』と言ってくれるのでどこかで私は鍋を振舞おうかなと思っておりますよ」と、この時期にぴったりなプランを告白した。
そんなムロに対し純粋な瞳で中谷が「80人分ですか? スタッフ、キャスト・・・」と投げかけるとムロは「あ、そういうことか・・・うん、作りますよ! プライベートで、80人家に招待して作りますよ。5種類くらいのスープで。ちょっと(家に)入りきらないと思いますけど!」と驚きつつ冗談も交えつつ宣言した。
一方、伊藤は中谷の差し入れを毎回楽しみにしているとのことで「昨日は見たことないような洋菓子なのか和菓子なのか分からないんですけど、口の中でとろけるアーモンド風味の・・・。あと、人生の中で一番うまいと思った小さめのクリームパンだったり! とにかくそれが毎回楽しみです」と笑顔で語っていた。
そんな伊藤に対し、中谷は「ムロさんとのシーンが本当にわずかしかなくて、これから色々ご一緒できるのを楽しみにしています。伊藤さんは恐らく皆さん私と同じようにヤンチャなイメージを持たれていると思うんですけど(笑)、現場に入ったらこう見えてすごく真面目な方で!」とコメントし「本当に台本も行間をしっかりと読んでいらっしゃるので、なんというんでしょう・・・小手先でお芝居をしないんですよ。ご自分の納得のいく、セリフを心から言えるようになるまでこだわって演技をされるので、私たちも心を動かされました。本当に地獄の果てまでお供したいと思わせてくれるリーダ―で、そんな主演の方に出会えて幸せです」としみじみ語った。
同い年3人組のチームワークは、他キャスト、スタッフを含めバッチリの様子。「生と死」という重いテーマを扱いながら、僧侶であり医師でもあるという珍しい主人公の設定から巻き起こる騒動や、個々の登場人物の性格、やりとりで発生するコミカルな要素も楽しめるのも本作の魅力だ。
新ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』は1月17日(金)夜10:00からTBSで放送開始。また、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では1話の放送前である1月11日(土)から片寄が主演を務めるパラビオリジナルストーリー『病室で念仏を唱えないでください~サトリ研修医・田中玲一~』が先行配信されることも発表された。オリジナルストーリーの第1話は本編の第1話につながる内容となっているという。
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