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第1話のラストでは、真加田のSOSに気づかず呉井が酔っぱらいながら部屋を訪れた時にはすでに亡くなっており、危機的状況な中、真加田のアシスタントである寺師(萩原聖人)から真加田の死を隠し、連載を続けようと話を持ちかけられる衝撃的な展開を迎えた。呉井がどうやって腹をくくるのか、「ミリオンジョー」はどうなっていくのか、今後の物語が気になる本作。呉井、寺師が嘘を隠しながら"なりすまし連載"をしていく舞台になる、真加田の部屋を取材。美術を担当している佐々木麗子氏、装飾の天野竜哉氏、セットデザインの髙橋淑氏にこだわりのポイントなどを聞いた。

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真加田の作業部屋に入ると、そこには大量の本や設定資料集など、もし自分がドラマの中の住人なら垂涎ものの景色が広がっている。さらに、この日の現場には、1話の最後で真加田が握っていた大人気漫画「ミリオンジョー」の生原稿や下書き状態の原稿なども。

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佐々木「マンガの素材、ミリオンジョーの素材は漫画家さんにお願いして、紙に落としこむ作業はこちらでしています。助監督さんとかが講談社さんで校正紙とか色々とリサーチしてくださって、本当に漫画家さんが描いている通りに再現しています」

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リアルに再現するというこだわりは、真加田の作業机でも観ることが出来る。

佐々木「装飾の天野さんが漫画家さんのデスクを参考にしてペンを集めたりして世界観を表現しています。実際に漫画家さんから道具をお借りしているものもあったり、トイレットペーパーをペン立てにしたりも、実際にやられているのを参考にして再現しました」

高橋「2話以降に出てくる通帳とか免許証とかも結構作り込んでます。永野さんの免許証を作らせていただいて光栄でしたね」

佐々木「通常のドラマより多く、細かい小道具はいっぱい作り込んでいると思います」

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また、1話の最後で寺師が呉井に"なりすまし連載"を持ちかけた場所であるリビングには、「ミリオンジョー」の単行本や「週刊少年グローリー」など、物語に重要なアイテムも。本当に発行されているのではないかと言うほどのハイクオリティな仕上がりになっている。

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真加田の部屋は原作を意識しつつ、実際にロケハン(下見)をしたタワーマンションを参考に作っていったという。

高橋「スタッフの中では、(ロケハンしたタワーマンションが)撮影部、照明部との共通言語になって、『ああいう雰囲気で良いんですよね』って作っていきました。実際は壁の色ってもっと明るいんですけど、撮影上、ライティングとかで壁の色が変わってくるので、撮影部や照明部と相談してちょっと暗くしていたります。入り口の玄関前の廊下とか、真加田先生の部屋に入る廊下とかの作りは、監督の要望も取り込みつつ、東映撮影所にたまたまイメージに合うものがあったので配置してみたらいい感じにハマって。あと、ロケハンで行ったところはここの倍くらいあったんですけど、その大きさで作ると照明とかが入らないので、照明部に許されるギリギリの距離感で作りました(笑)。」

天野「真加田の作業部屋は原作と同じような感じで雑多な感じなのですが、リビングに関しては逆に監督の方からあまり何もない方が良いというリクエストを頂いたので、壁とか本来ならもう少し飾りとかあるものだけど無くしました」

佐々木「(呉井と寺師の"なりすまし連載"を手助けすることになる呉井の友人・)岸本が入ってきたりしたらもうちょっとこのリビングも岸本らしさが出てきたりします。"なりすまし連載"を進めていくメンバーがみんながここに集まって色々やったりするので、後半に向けてちょっとずつ物が変わっていったりしますので、そこも見どころです」

動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、全話一挙配信中。細部までリアルに再現された真加田の部屋。物語が進むにつれて追い込まれ、殺風景だったリビングが呉井たちの苦労と共に変化していく様子に注目だ。

ドラマ『ミリオンジョー』はテレビ東京毎週水曜深夜1:35で放送中。