記者会見は『死役所』のセット内で行われ、職員や手続きをする"死者"がいるという不思議な雰囲気な中、まずは倉地雄大プロデューサーが登壇。倉地Pは「第1話の仕上がりが圧倒的に良いと思っています」と本作への自信を見せ、「『死役所』の原作ファン、ドラマファンの方たちが期待することが出来ていると。全てハードルを越えていった作品になっているかと思うので、多くの人に届けばいいなと思います」とアピール。そして、松岡らキャスト陣も会見の場に登場し、自身の役のことなどについて語った。
「総合案内」で働き、「お客様は仏様です」と慇懃無礼な態度で死者に対応する主人公・シ村を演じる松岡は、今までに演じたことのないキャラクターを演じることに「新しい引き出しであることは間違いない。俗にいう死後の世界の話なので、血は通ってないんですよね。やったことない役だからこそ、手探りでやりつつも『やったことないから何やってもいいだろう』と、楽しくやらせてもらっています」と語った。
また、急性アルコール中毒で亡くなった女子大生・三樹ミチル役の黒島は、「死んだ理由はあっけないというか、まさかこんなことで死ぬとは・・・ということで自分の死が中々受け入れられず、"シ役所"に居座るんですけど、その中でいろんな人と出会って、みんながどう死と向き合っているのかを間近に感じて、自分もどう死と向き合うか考え始めるようになるんですよね」の役について語り、「実際に演じていて私も感じられることが多くて、すごく良い経験になりました。お芝居は難しいけど、楽しく頑張って演じました」とコメントした。
連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)で主人公の義理の兄を演じ、さわやかなイメージがある清原だが、今作では語尾に「す」をつける言葉遣いが特徴の、一見チャラくミーハーな今風な青年である職員・ハヤシを演じる。そのことを清原は「一見チャラそうといっても、本人がチャラいわけではなく言葉遣いが軽くてそう見られているだけなので、朝ドラで演じていた役と大差ないかなと」と分析し、「本人はしっかりとしたものを持っているので、差をつける意識はしなかったです」と役作りについて語った。
一方、美人だが笑顔はなく、口が悪い職員・ニシ川を演じる松本は「原作を読んだ時にこのキャラが魅力的で、ビジュアルとかのイメージも自分からあまりにもかけ離れていたので、いかに原作に忠実なところまでいけるか徹底しました、ヘアメイクさんなどいろんな方に本当に細かい調整をしていただいて作り上げました」と明かし、「絶対に笑ってはいけない役なので、今日の会見もなるべく笑顔の写真を撮られないように・・・。すぐ笑っちゃうんですけど、なるべく笑ってるところは撮らないでいただきたい」と言いつつ何度も後ろを向き、笑顔を見せないように奮闘していた。
その後もなんとか笑いをこらえて口元を隠したり、俯いたり頑張っていた松本だったが、そんな様子を見ていた松岡から「いいんじゃないの、もう? 大丈夫だよ、そこまで望んでないよ(笑)」とフォローが入り、ようやく少し肩の力が抜けたような表情を見せた。
そして、強面だが人情に厚く涙もろい、「死役所」の良心・イシ間役のでんでんは「(イシ間を演じるのは)とても楽しいです」と笑顔になり、「1つのドラマの中でこれだけ喜怒哀楽を出せるのは役者として、やっていて楽しい仕事だなと思いました」と撮影を存分に楽しんでいるようだ。
会見では、作品にちなみ生まれ変わるなら何になりたいかという質問が。黒島は「私は犬になりたいです。毎日幸せそうだなって」とかわいらしい答えを出したが、でんでんは「私はでんでんむしに生まれ変わりたいです」とボケて記者たちの笑いを誘った。そんな中、清原が「僕はもちろん、ヒューマン。人間ですよ」と小さくボケながら答えると松岡が「めんどくせぇな(笑)」とツッコんだ。清原はそれでも「ジャパンでヒューマン。ヒューマンインジャパン」と続けて松岡らを笑わせ、和気あいあいとした雰囲気を見せた。
松本も「ヒューマンですかね。ヒューマンは面白いですよね」と清原の言葉に乗っかりつつ、「人って辛いことも沢山あるけど全部ひっくるめて面白いに変えることが出来るし、自分次第というか」と真剣に語る。そんな中、松岡は「僕はテレビ東京のプロデューサーに生まれ変わりたいですね。楽しそうでいいなって」とまさかの回答。そして倉地Pを見て、「社風ですよ、社風。会見だったらもっとピシッとした服装で来るでしょ(笑)。良いなぁと思って、ラフで」といじってキャスト陣や記者を笑わせた。
最後に、松岡は「とてもシンプルなんですけど、とても面白いと思います。めちゃくちゃ面白い作品だと自信を持って言えます。スタッフの皆さん、キャストの皆さん一人一人がプロフェッショナルに仕事をやった結果の面白い作品になっているので、一人でも多くの方に見ていただけたらと思います」と座長らしい頼もしい言葉で会見を締めくくった。
ドラマ『死役所』は10月16日(水)深夜0:12からテレビ東京で放送開始予定。毎週地上波放送終了後には、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信される。
- 1