Plus Paraviが注目する人物にフィーチャーする新企画「オシダン!plus」。第3回では、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信中の番組『SUPER★DRAGONの本気スポーツテスト!(スパドラのマジスポ!)』に出演する古川毅の素顔に迫っている。
前編では自身が所属するミクスチャーユニット・SUPER★DRAGONのこれまでの歩みと今後の目標について語ってくれた。そんな熱い思いを持ってメインボーカルとして充実した音楽活動に取り組む一方、古川毅は別の顔も持ち合わせている。それが、俳優・古川毅としての顔だ。
2019年冬クール最大の話題作となった『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(以下、『3年A組』)に出演。クラスの問題児グループの一員・須永賢役を演じ、新たな魅力を開花させた。
最初は興味がなかったという俳優業に、今、彼はどんな想いで向き合っているのだろうか。
『3年A組』で初めてお芝居で泣く感覚がわかった
──ソロでは俳優としても活躍されていますが、俳優業には前々から興味が?
いや、最初はまったくなかったです。事務所に入ったときに上の人に「俳優業は?」って聞かれて、「興味ないです」って正直に言っちゃったぐらい全然考えていなかったんですけど(笑)。今はこうしていろんなことをやらせてもらえて、すごくありがたいです。
──お芝居は慣れてきましたか?
いやあ、慣れないですね(苦笑)。まだ全然わからないことだらけです。
──改めて『3年A組』について振り返っていただけますか?
よくあんなチャンスをいただけたなというか、あの場所にいられたことは奇跡だったなと、終わってから何ヶ月も経ちましたけど未だに思います。「学園ドラマは一生モノの経験になる」って周りの人から聞いていたんですけど、自分にとっての学園ドラマが『3年A組』で良かったと本当に思うし、いいターニングポイントになりました。
──現場はどんな雰囲気だったんですか?
とにかく熱気とか一体感がすごくて。共演者も同世代の人たちが多かったので、その中でいろいろと感じることもあったし。何よりキャストもスタッフもみんながいい作品をつくろうとひとつの方向を向いている姿に刺激を受けました。
たとえどんなにプロモーションをしても、あの熱気がなかったらここまで大きな作品にはならなかったと思うんです。やっぱり芸術をつくる上で気持ちは大事なんだと『3年A組』を通じて気づかされました。それはお芝居だけじゃなくて音楽でも同じ。だから、撮影が終わってSUPER★DRAGONに戻ってきたときも、自分が『3年A組』の現場で学んだことや感じたことはメンバーに伝えましたし、ツアー中もみんなでひとつの方向を向くことが大事なんだという話はよくしていました。
──熱気がすごかったということですが、特にどんな瞬間にその熱を感じましたか?
常日頃ではあったんですけど、特にラストにかけてのみんなの熱量や思い入れはすさまじかったです。柊先生(菅田将暉)の最後の授業とか、それぞれ役に入ってはいるんですけど、自分自身に向けられた言葉として受け取っていたんですよね。
事前に台本を読んでいるし、何を言われるかわかっているはずなのに、みんな本気で生身で受け取っていて、大号泣。僕、この『3年A組』をやるまでお芝居で泣く感覚を感じたことがなかったんです。だから泣く演技とか全然できなかったし、自信もなかった。
でもこの『3年A組』で初めて芝居をしていて自然と涙が出てくる感覚を味わって。自分のお芝居に対する感覚を変えられた作品でしたし、同時に終わったあとに悔しいなと思うこともたくさんあった作品でした。
──その悔しさは、「もっとこうできた」みたいなことですか?
もっとこうできたっていうのもそうですし、周りにすごい方たちがたくさんいたから。僕は経験も浅いし仕方ない部分もあるかもしれないけど、あのときこう感じていればどうだったんだろうって考えることが多くて。終わってから初めてわかることがたくさんありました。でも、それも含めて、自分にとって本当にこれ以上ない経験をさせてもらったと思っています。
菅田さんからもらった台本カバーは今も大切に使っています
──須永という役を演じる上でどんなことを考えていましたか?
最初、あまり須永のことは好きではなかったんです。須永は、開始早々、先生を蹴飛ばしたりしていて、「高校3年生にもなって何やってんだ?」っていうタイプ。最悪の状況だったクラスの雰囲気に呑まれちゃっている嫌なやつだなと思っていたんです。
でもお話が進むにつれて、意外と素直なところが見えてきて。ありがたいことに須永個人の展開も用意していただけたので、ちゃんとそこで根は素朴な彼のいい面をできるだけナチュラルに見せられたらとは考えていました。
――菅田さんの印象はいかがでした?
スターだなと思いました。日本一カッコいいなって思う瞬間が何度もありましたね。
──そんな菅田さんから学んだことは?
前半5話ぐらいまで、僕たち生徒を閉じ込める敵側という役まわりだったので、菅田さん自身、役づくりとして僕らと話さないように徹底されていたんです。だから、最初の頃はいるだけで体力を持っていかれるような緊張感があった。
僕たち生徒29人を菅田さんがたったひとりで相手にしている。そのエネルギーが半端ないなと思いましたし、それだけ役に集中している姿は勉強になりました。
──特に忘れられない想い出と言えば?
最終話の撮影が終わったあとに、スピンオフドラマ(『3年A組―今から皆さんだけの、卒業式です―』)の撮影があって。そのとき、もうすでに菅田さんはオールアップされたあとだったんですけど、サプライズで現場に来てくれたんですね。
そこで卒業のお祝いに、メッセージカードと花と、役者の先輩として台本カバーをプレゼントしてくれて・・・。もうこんなにうれしいことはないなと。僕の一生の財産になりました。台本カバーはそのあともお芝居の現場に行くときは必ず使っています。革なので使えば使うほど味が出てくる。一生かけて育てていきたいです。
まだわからないお芝居の感覚をこれからどんどん掴んでいきたい
──そんな貴重な経験を経て、これから役者としてどんなふうに活動してきたいですか?
役者のお仕事に関しては正直まだまだわからないことばかりで。でも『3年A組』で一緒に向き合ってきた同世代の仲間の中には僕がまだわからない演じることについての感覚をすでに持っている人たちもたくさんいて。だからまずは、今僕が知りたい感覚を掴むためにも、もっといろんな現場を経験してみたいです。
僕は自分のことを役者だとは思っていないし、まだ俳優と呼んでもらえるような力はないと思っています。いつか自分で俳優だと名乗れる日が来るのかはわからないですけど、まずは今の自分がまだ理解できていないお芝居の感覚を、こういうことなんだって見出せるところまで頑張りたい。それが、今、お芝居をするにあたっての目標です。
撮影=井上修二
◆番組概要
『SUPER★DRAGONの本気スポーツテスト!(スパドラのマジスポ!)』
TBSで深夜に放送されている『買い物ラボ』内で月曜日、火曜日、水曜日に2分コーナーとして放送中。
また、未公開シーンを含めた完全版がパラビで独占配信中。
◆SUPER★DRAGON情報
最新アルバム『3rd Identity』が発売中!
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