Plus Paraviが注目する人物にフィーチャーする新企画「オシダン!plus」。記念すべき第1回では、ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEのリーダーである工藤大輝の素顔に迫っている。前編ではDa-iCEの歩みや、パーソナリティーを務める『TALK ABOUT』についてたっぷり話を聞いてきたが、後編は、アイドル好きアニメ好きというオタクの一面や、その冷静な分析力など、他の人とはちょっと違う彼の個性にズームアップする。
「自分は平凡」と言い切る言葉の奥底には、どんな想いが隠されているのだろうか。
メンバーはメンバー。他のどの言葉でも形容できない
――そもそも大輝くんにとってDa-iCEのメンバーはどういう存在なんでしょうか?
難しいですね。家族でもないし友達でもないし、仲悪くないし良くもないし(笑)。でも、その感じが大事なのかなって。他に形容できないんですよ。メンバーなんで、メンバーですとしか言えない。仲間と言うのも違う気がするし、ライバルでもないし。聞かれるたびにいつも迷うんですけど、その全部が当てはまるっていう感じです。
――コイツらと一緒にやってきて良かったと思う瞬間ってありますか?
結構あります。たとえば、全然お客さんが盛り上がっていないアウェーのライブで、ここから5人で楽しもうみたいな空気感になっているときとかいいなって思うし。ワンマンのライブツアーの1曲目が始まる前の感覚とか。
――それはどんな感じなんですか?
どんな感じですかね。言われてみれば、あんまり分析したことなかったなあ・・・。
(少し考えて)・・・何だろう、安心感がありますね。一人でステージに立つ機会もあるんですけど、そういうときの緊張感に比べると、だいぶリラックスできているので、そこはありがたいなと思います。
――始まる前に今日の注意点とか目標とか想いとか喋ったりはしない?
そうですね。あんまないです。各々やっているっていう感じで。
――よくアイドルにありがちなエモいルーティンとかない?
全然エモくないです。エモさ皆無(笑)。
――アイドルもののドキュメンタリーとかバックステージでみんなが声を掛け合ったり円陣を組んだりするじゃないですか。ああいうキラキラは・・・?
そんなキラキラは僕たちには一切ないです(笑)。
――それがDa-iCEらしさだと思うと素敵です(笑)。メンバーと一緒にいるときの自分の立ち位置は?
バランサーですかね。そもそもうちはみんなバランサーなんですよ。気を遣われることもあるし、遣うこともあるし。
――誰かがドーンッと前に出たりはしない。
いい意味で仕事として割り切っているというか。誰かひとり我が強すぎてケンカするみたいなことが全然ないです。そういう話をすると、「もっと意見を言い合った方ががいいんじゃない?」とアドバイスをくださる方もいるんですけど、「そんなことで仲悪くなる方が危うくないかい?」っていうのが僕らの考えなんです。
――自立した個が5人揃っている感じ?
そうですね。社会人が5人いる感じです。
――会社で言うプロジェクトのメンバーみたいな感じだ。
そうですそうです、まさに。たとえばテレビとかに出させてもらったとき、上手くお互いカバーし合ってトークをつなげたりするんですけど、今はそれが自然にできるようになっていて。そういう瞬間に、グループっていいなって実感しますね。
敢えて「ダンス&ボーカルグループっぽくない」ブランディングをしている
――自分のチャームポイントを挙げるとすると?
あんまり好きなところがないんですけど、「ダンス&ボーカルグループっぽくない」はずというか、自分でそういうふうなブランディングをしているところがあるので、そこは他の人とは違うところなのかなと。
――そこは意識して差別化を図っていたんですか?
「ダンス&ボーカルグループ=アイドル」っていう日本独自の見られ方があると思っていて。それをどれだけ早く払拭できるかがポイントになると考えていたので、そこは昔から意識はしていました。服装もそうですし髪型もそうですし発言だったり、それこそ僕がアイドル好きだって言っているのも、ステレオタイプのイメージを崩すためのひとつですし。
――すごく戦略思考ですよね。その考え方って何から身についたんですか?
気づいたらっていう感じではあるんですけど、拍車がかかったのはDa-iCEに入ってからだと思います。手前味噌ながら、うちのボーカルはめちゃくちゃ歌が上手いんです。そういう突出した才能を目の当たりにして、努力ではどうにもならない壁があるんだということを知った。で、じゃあ自分はその世界でどうやってそいつらと肩を並べていくのかってなったときに行き着いたのが今の考えで。
だから、ある種の逃げなんですけどね。でも、そういうふうに生きていかないといけないよねという諦めがついたのは、Da-iCEに入ってからでした。
――もしかして大輝くんは自分のことを平凡だと思っていますか?
めちゃくちゃ平凡だと思います。それは今も昔も変わらず。このまま年をとったらやべえなって危機感を抱きながら日々を過ごしています。
――だから、努力をする。
どうだろう・・・あまり努力しているイメージはなくて。僕、筋トレがすごく嫌で、やらなければいけないと思ったら逆にできないタイプなんですよ。歌もダンスも、それこそアイドルもアニメもゲームもどれも好きが高じていろいろやっていたら今に至るだけで。無理矢理知ろうとしていたわけでもないですしね。無理矢理やると上手くいかないんですよ。だからいつもやりたいと思うことを自然とやるようにはしています。
アイドルのコンサートでは、首だけ動く地蔵です(笑)
――では、Da-iCEにいるときの自分と、ソロで活動しているときの自分。違いがあるとしたら、それはどんなところでしょうか?
やっぱりひとりでいるときの方が自分の好きなこととか全開で出せますよね。たとえば衣装もソロの仕事では自分でスタイリングをやっているんです。けど、グループのときは衣装さんにお願いしていますし。全部自分でやっちゃうと5人のバランスがとれなくなるので。その分、ひとりのときは自分で自分のブランディングでやってみるっていう感じです。
――パラビで配信中の『TALK ABOUT+』の#2でも、アイドルについていっぱい話していましたもんね(笑)。
収録に2時間ぐらいかかりました(笑)。もっとそれぞれのテーマについて細かく喋っていたんですけど、カットされました。マニアックすぎて(笑)。
――アイドルがお好きなのは有名ですが、コンサートにも行く派ですか?
行きますよ。
――現場ではどうなってますか?
地蔵です。首だけ動く地蔵です(笑)。
――ペンライトとかは振らない?
規模感によりますね。乃木坂46さんのときは振っていましたし、フィロのス(フィロソフィーのダンス)とかはペンライトがないんで、そこはTPOに合わせて。ライブ中はライターさんみたいになっています。何番目に何の曲をやってとか、MCで何喋ってとか、そういうのを見ながらめっちゃインプットしています(笑)。
もっと海外経験を自分にプラスしたい
――では、せっかくなのでアニメ大好きの大輝くんにパラビで配信中のアニメの中からオススメを紹介していただきたいのですが・・・。
(一覧をスクロールしながら)結構あるな~。何? 『美少女戦士セーラムーン』もあるの?

――お好きなんですね。誰派でしたか?
亜美ちゃんです。圧倒的に亜美ちゃんです(笑)。(一覧を見ながら)わ! 『(美少女戦士セーラームーンSuperS外伝)亜美ちゃんの初恋』がある! 迷う~。すっごいあるじゃないですか。あ、でもやっぱりこれかな。
――おお。何でしょうか?
『笑ゥせぇるすまん((89~93)【デジタルリマスター版】)』です。大好きなんですよ。前にやっていた『笑ゥせぇるすまんNEW』も全部観ました。『世にも奇妙な物語』のアニメ版というか、大人の怖さを知れる元祖アニメ。『笑ゥせぇるすまん』を見て謙虚でいようと思いました。悪いことはできないなって(笑)。

――では最後に、大輝さん自身が今後"プラス"したいものを教えてください。
もっと海外に行きたいですね。英語は挨拶程度しか喋れなくて、今年もいろんな国に行きましたけど、喋れた方がいいなって思う機会がいっぱいあったので、もっと語学も勉強したいですし。
――今、いちばん行きたい国は?
去年行ったんですけど、(イギリスの)ロンドンにもう1回行きたいです。個人的にヨーロッパが音楽的ルーツなんで、そっちの人たちとお仕事したい気持ちが強いです。
――お話を聞いていても、本当に仕事が好きなんだなと思いました。
趣味みたいなもんですからね。全然仕事って思ったことがないんです(笑)。
撮影=龍田浩之
◆番組概要
『TALK ABOUT』
TBSラジオにて毎週土曜夜10:00-0:00に放送中。
『TALK ABOUT+』
パラビにて独占配信中。
BS-TBSで毎月最終日曜 午前10:30-11:00放送
(次回は6月30日(日)、7月28日(日)にOA予定)
【インタビュー前半】『TALK ABOUT』でパーソナリティに挑戦中!Da-iCE 工藤大輝が今の10代にビックリしたことは?
(C)武内直子・PNP・東映アニメーション(C)東映・講談社・東映アニメーション1995 (C)藤子Ⓐ/シンエイ
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