加藤実秋の人気小説を原作とするドラマ『メゾン・ド・ポリス』は、退職した警察関係者が住むシェアハウスを訪れた新人女性刑事・牧野ひよりが、くせ者ぞろいの"おじさま"たちに振り回されつつ、事件を次々と解決していくストーリー。

好評放送中の本作で初の刑事役に奮闘中の牧野ひより役・高畑充希と、メゾンの雑用係・夏目想一郎役の西島秀俊に、本作の魅力や撮影裏話、おじさまキャストたちとの"ほのぼの"エピソードについて話を聞いた。

<お芝居の話より、ツッコミや昭和ギャグの練習に余念がない!?>

――最初に原作小説や台本を読んで、どのような印象を受けましたか?

高畑:なかなかありそうでなかった「おじさまたちが住むシェアハウス」という設定が面白いし、原作小説を読んだ瞬間に心をつかまれてしまいました。実際に撮影が始まってみると、より1人1人のキャラクターが魅力的で、なおかつおじさまたちが集まった時のやり取りの"可愛らしさ"が素敵だなと思いましたね。

西島:僕も最初に原作小説をいただいて読んだ瞬間、「これ、絶対に撮影現場が面白くなる」という確信がありました。「元刑事たちが一緒に住むシェアハウス。そこに若手の女性刑事がやってきて一緒に捜査をするというストーリーはもちろん、ひと癖もふた癖もあるこのキャスト陣ですから。面白くないわけがないですよね。

――モニターで撮影中の様子を拝見させていただきましたが、シリアスなシーンを撮影しているはずなのに、合間で見せる皆さんの笑顔がとても和んでいて、いい雰囲気の現場だなというのが伝わってきました。セットチェンジの間なども楽屋には戻らず、スタジオ入口付近のスペースでお話をされていることが多いそうですね。

高畑:ず~っと喋っています(笑)。撮影の最初の頃は最終回の予想を話したりしてましたね。

――お芝居の話なども?

高畑:ん~、お芝居の話はあまりしていないかも(笑)。

西島:お芝居の話したじゃない~(笑)小日向さんが演じる高平の「ガピーン!」の台詞の言い方を、角野さんが「それ、ちょっと違うんじゃないか?」って言い出して「突っ込むところ、そこですか?」っていうこととか(笑)。あとは"コケ"の練習とか。

――コケですか?

高畑:ひよりが「・・・やっぱり分かりません!」って言った直後に、その場にいる人たち全員がコケるシーンがあったんです。その"コケ方"について、みんなで熱い議論を繰り広げました(笑)。

――なんだか昭和のバラエティの香りがします。

西島:おじさんたち自身、文字通り"昭和な人たち"ですからね(笑)。今日も休憩中にずっとドリフの話で盛り上がりつつ、最新のお笑いの話もしていました。

――そんな昭和のおじさまたちの会話に、平成生まれの高畑さんはついていけているのでしょうか?

高畑:不思議なんですけど、同世代のチームでいるより自分らしく居られるような気がしています(笑)。皆さんすごくお話が面白くて、一緒にいるだけでゲラゲラ笑っちゃう。撮影中も笑いをこらえるのが大変だったりします。

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<やっぱり刑事って特殊な職業>

――ところで高畑さんは、本作が刑事役初挑戦ですが、実際に演じてみていかがですか?

高畑:台詞が大変なんですよね。人の名前がいっぱい出てきたり、今日も役職名がたくさん出てくるシーンが多かったので、なかなか覚えられず苦戦しました。

西島:聞きたいのはそういうことじゃないと思うよ(笑)。もっと「刑事役ならでは」の苦労とかじゃない?

高畑:刑事役もですけど、今まで医者や弁護士のような専門職の役を演じることがなかったので、毎回新鮮で大変で・・・。

西島:でも、話が進むにつれて、どんどん「牧野ひより」が刑事らしくなっていくように、充希ちゃんも刑事役がはまってきている気がします。

高畑:ありがとうございます。

――刑事役を多く演じて来た西島さんを見て、参考にすることもありますか?

高畑:西島さんの動きはキレキレなんです!私もたまに殺陣のシーンがあるんですけど、ちょっと動いただけでゼーハーいってしまうんですよね。西島さんの華麗な殺陣を「カッコイイな」と思いながら毎回見ています。

西島:いやいや、今回は"元・刑事"で雑用係の役なので、そんな多くないです(笑)。でも刑事って特殊な職業ですからね。今回、演出で入ってくださっている佐藤祐市監督とは、以前『ストロベリーナイト』でご一緒した時、ちょっと現場の空気がゆるむと「これ、刑事だからね」ってよく言われていて。その言葉に「そうか。俺は刑事なんだ」「人を捕まえる仕事なんだ」って気持ちが引き締まるというか・・・。今回の現場でも、佐藤監督から「刑事として居てください」と言われるとピシっとする感じがあるし、具体的なアドバイスはなくても、充希ちゃん自身が何となく感じて、掴んでいくものだと思うんですよね。

――牧野ひよりの刑事としての成長は、高畑さんはどのように意識して演じていますか?

高畑:第1話では、まだまだ脇が甘くて、すぐに相手を信用してしまうお人好しな人でしたが、物語が進むにつれて相手の情報を引き出す技術を身につけたり、少しずつ刑事らしくなっているなと思います。時には作り笑顔や、人を疑って必要に応じて嘘をついたり、確かに刑事として成長しているけど、人としてはどんどんピュアじゃなくなっているのかなって・・・ちょっと複雑ですね。

――年の離れたベテラン俳優陣との共演で、日々勉強になることも多いのではないでしょうか。

高畑:「すごいな」とか、「こんな大人になりたいな」って・・・2日に1回くらい思う時があります。

西島:それって、多いの?少ないの(笑)?

高畑:(笑)。撮影期間も長くなってきて、話せることが増えてきたので、楽しいし嬉しいです。最初の頃は緊張していたんですが、皆さんの醸し出す余裕というか、穏やかな雰囲気が本当に心地よくて。大先輩方なのに、いじったら応えてくださるところが本当に可愛いらしいおじさまたちだなって思います(笑)。

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<シェアハウスに住んでみたい?>

――ところでお二人は、実際に"同業者のシェアハウス"があったら住みたいですか?

高畑:女優さんは小食の方が多いイメージなので、食べるのが大好きな私は一緒に住むと気を使っちゃいそう(笑)。私は異業種の方が集まるシェアハウスがいいですね。

西島:僕は、同業者かどうかは別として、『メゾン・ド・ポリス』のようなシェアハウスがあったら住みたいです。リアルに撮影現場で何回も言ってます。

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――いよいよ物語もラストに向かって動き出しました。楽しみに観ている視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

高畑:今までは、ちょっと"ほのぼの"した空気感で捜査をしていましたが、後半にかけては作風が変わったかのようにサスペンス度が増していきます!ひよりやみんなの過去を絡めて、どんどん伏線が回収されていくスピード感のある面白い展開になっているので、ぜひ見逃さないようにしてください。

何話か見逃してしまった人や最初の頃のエピソードを忘れてしまったという方は、パラビで過去の放送を見て最終回に向けてのおさらいを万全にして一気に見てくださいね。

西島:ラストに向けて"巨大なひとつの敵"・・・というよりは、三つ巴の"いろんな力"がうごめき始めます。シェアハウス内でも様々な想いが交錯し、目が離せない展開になっていくので、ぜひ最後までドキドキ・ワクワクしながらお楽しみください。

ドラマ『メゾン・ド・ポリス』は、毎週金曜夜10:00より放送。