俳優・遠藤憲一の主演ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』が、2019年1月16日(水)深夜1:35よりテレビ東京で放送開始となった。本作は、昨年末より動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で先行配信されており、現在は第七話までを観ることができる。「俳優・遠藤憲一が引退し、全国の名湯・秘湯で仲居・中井田健一として働く姿に密着」という、虚実入り混じったドキュメンタリー仕立てのドラマについて、遠藤本人に見どころや撮影裏話を聞いた。

20190123_enken_02.jpg

――遠藤さんご自身の名前がタイトルになっている新ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』が誕生しましたね。

監督が「今までにない面白い作品になっている」とおっしゃってくださったので、見る目が鋭い深夜ドラマファンにも楽しんでいただける作品になっているのではと思っています。

――「俳優・遠藤憲一が役者を引退するとのうわさを聞いた番組スタッフが真相を確かめに本人を直撃。そこで目にしたのは"中井田健一"と名乗り、男仲居として温泉で働く遠藤憲一の姿だった。疑問を抱きながら密着をつづけるスタッフは、さすらいの仲居が訪れる温泉宿で巻き起こるさまざまな人間ドラマを目撃することに――」というドキュメンタリー風ドラマだそうですが?

最初の段階では、もう少しバラエティ色が強く「温泉を若い子と一緒にレポートしていく」といった内容だったんですが、スタッフ陣との話し合いの中でよりドラマ要素を強くした形に修正され「各地の名湯・秘湯で仲居として働きながら、人々と交流し、"ワケあり美女"たちの事情にクビを突っ込み、問題解決に奮闘したり、惚れてしまったり、ちょっとした事件に巻き込まれる」という人情ドラマ風の内容になりました(笑)。

――第一湯(※第一話)にともさかりえさん、第二湯に山口紗弥加さん、第三湯に大場美奈さん(SKE48)が"ワケあり美女"として登場しますが、撮影中の印象的なエピソードはありましたか?

2日で1本分の撮影をしなければならないという超ハードスケジュールで撮影をしてきたので、ゲストに来てくださった方たちとじっくりコミュニケーションを深める時間もない状態だったんです。でも「どうやったらこのシーンを意味のあるものに出来るだろう」「もっと面白くできるだろう」というセッションをする中で、彼女たちもモノ作りの"同士"という意識で参加してくださっていたのを感じました。

そんな中、山口さんの回では俺と監督の表現の方向性にズレが生じて、天狗姿の俺が監督と意見をぶつけ合っている姿を見た山口さんが笑いをこらえるのに必死だったり、芝居に対して真剣であるがゆえの笑えるエピソードが生まれましたね(笑)。コスプレのシーンからの流れが、ある種"力を持つシーン"にならないといけないので、俺も監督もつい熱くなってしまったんです。終始そんな感じで、皆さん撮影を終えて帰る時には笑顔で「楽しかった」と言ってくださいました。その一言が、俺やスタッフの活力になりましたね。

――それにしても2日で1湯分を撮影をされていたとは・・・思った以上にハードな撮影ですね。

本当にそうなんですよ!撮影に入る前は「仕事が終わったら温泉に入って、美味しい食事を食べて、のんびりして・・・」なんて考えていたスタッフもいたかもしれませんが、そんな時間はまったくありませんでした(笑)。

ロケ現場への移動にも時間がかかったので、早朝に都内を出発して、宿についたらそのまま深夜まで撮影、ちょっと仮眠したらまた早朝という濃いスケジュールだったので、スタッフの皆さんもヘロヘロになりながら「とにかく撮りきるんだ!」という執念で取り組んでいました。

思いつく限りのアイデアをスタッフと俳優が現場で出し合って、より面白くなるようにシーンに投影させていく・・・そんなわけのわからない熱いエネルギーが渦巻いている、やりがいのある現場でした。

――ハードスケジュールの撮影とはいえ、いろんな温泉を楽しめたのは、ちょっとうらやましいですね(笑)。

でも俺、泉質の違いとか効能とかは、よく分からないんだよね(笑)。長湯が苦手だから、お湯の違いが分かるほど長時間入っていられなくて・・・。でも、温泉に入った翌日は持病の腰痛が少し楽になるので、「やっぱり効くんだな」というのは実感しました。

20190123_enken_03.jpg

――遠藤さんが思う、このドラマの見どころは?

今までやったことがない要素のものがごちゃまぜになっているので、それが編集されてまとめられた時の「どうなるんだろう」というワクワク感かな。例えば、俺の本物の友達にインタビューするシーンがあったり、コスプレしたり、温泉紹介のコーナーでは画面の端っこに必ず僕が映り込んでいて黙々と仲居の仕事をしているシュールな映像があったり、約30分の中にいろんな要素がぶち込まれているので、きっと全部面白いと思います(笑)。

それから、撮影でお世話になった温泉宿が、どこも本当に魅力的なんですよ。今回は仲居役ということもあって、普段はあまりクローズアップされないようなところでも撮影させていただきました。受付やロビーなど歴史を感じる建物、風光明媚な景観や温泉街の風情なども画面を通じて堪能してもらえたらと思っています。

――ドラマの見どころが、いつの間にか"仲居目線"になっていますね(笑)。今回は関東近郊の温泉地でしたが、個人的に行ってみたい温泉はありますか?

全国にはいい温泉地がいっぱいありますから、行けるものならいろんな場所にいってみたいです。女房の実家が北海道なんですけど、周りが温泉だらけなんです。遠いから気軽には行けないんだけど、素敵な場所なのでまた行きたいです。

日本に限らず世界各国にも温泉はいっぱいありますからね。以前、別の局で温泉紹介番組のナレーションをしていた時に、3年間毎週紹介するぐらいの数の温泉地が世界中にあると知ったんですよ。でも俺は、日本の温泉が一番情緒があって癒される感じがしますね。

――ちなみにドラマのキャッチフレーズには"温泉、癒し、エロティシズム"とありましたが・・・。

まぁ、深夜のドラマなので、多少エロティックな演出は・・・でもエロが売りではないですよ。ちゃんと品のあるおかしさになっています。女性にも安心して見ていただける内容になっています!

――本作は、テレビでの放送を前に動画配信サービスで一部先行配信されました。どう思われますか?

俺、インターネットにはあまり詳しくないので、まったく訳が分からない事だらけなんですよ(笑)。でも、テレビだけではないところでも見てくださる方がいて、「これ、面白いぞ」ってどんどん拡散されて、ネットでもテレビでも視聴してくれる方が増えたらいいなと思いますね。

20190123_enken_04.jpg

――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。

俺自身、撮影をしていてどんなに疲れていても飽きない、気分が失速しない、モノづくりの喜びに溢れた作品になったと実感しています。スタッフ一同、夢中になって作ったので、映像を通して「何かが生まれている」という自信があります。ぜひ多くの方に見ていただきたいです。どうぞよろしくお願いします。

『さすらい温泉 遠藤憲一』は、テレビ東京にて毎週水曜深夜1:35から放送。このほか、テレビ和歌山で1月31日(木)放送スタート、BSテレ東では4月クールに放送を予定している。

さらに、動画配信サービス「パラビ」では本作のテレビ放送に先駆けて独占先行配信を実施しているほか、遠藤憲一出演のドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』や『空飛ぶタイヤ』なども配信中。
詳しくはParavi特設サイトへ。(Paravi限定ムフフな動画も公開中)

(C)「さすらい温泉 遠藤憲一」製作委員会