野球界のビッグイベント、運命の「プロ野球ドラフト会議」がいよいよ10月25日(木)夕方4:30から動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信される。今年は、第100回記念大会となった夏の甲子園で大阪桐蔭が史上初2度目の春夏連覇を達成。過去最高となる入場者数100万人を突破し、金足農業高校のエース「吉田輝星」、投手と遊撃手の二刀流「根尾昂」(大阪桐蔭)などが大きな注目を集めた。彼らをはじめ、期待選手が多数かかる今年のドラフト会議を1位指名から終了まで完全生配信。その注目ポイントを"高校野球大好き芸人"いけだてつやさんに聞いた。
――いよいよ、今年もドラフト会議が目前に迫りました。いけださんの考える、今年のドラフト会議の見どころを教えてください。
今年は志望届の提出者が高校生123名、大学生110名。ここ数年の中で一番多いんです。よりたくさんの選手を見られるのが、一つ面白いところだと思いますし、僕が過去に見た以外の選手もたくさんドラフトにかかってくるでしょうから、楽しみです。
――今年の注目選手は誰になるでしょう?まず気になるのは、甲子園を沸かせた高校球児たちの動向ですが。
僕が楽天ファンなのもありますが、やはり金足農業高校の吉田輝星(よしだ こうせい)投手には注目しています。楽天にもし来てくれたら、地元東北の選手がヒエラルキーに入ってくる。今年は岸(孝之)投手が11勝したくらいで、則本(昂大)投手も10勝しましたが11敗。投手陣が定まっていない感じなので、次期エースとしてお願いしたいです(笑)。
いま岸投手が34歳、則本投手が27歳ですよね。その次が20歳の藤平投手といった感じなので、そのあたりの若手選手と切磋琢磨して、成長して欲しい希望はありますね。
――他にも大阪桐蔭などに複数の実力派選手がいます。注目している選手はいますか?
やはり根尾昂(ねお あきら)選手なんかは、どこも欲しがるんじゃないでしょうか。これだけ身体能力を買われている選手は珍しいです。今年の甲子園、大阪桐蔭の初戦は柿木蓮(かきぎ れん)選手が投げたんですよね。球団のスカウトさんって、甲子園は基本的に一巡目の一試合しか見に来ない。2回戦の最初くらいは見ますが、二巡目からは見る必要がないから、一通り全チーム見たら大体引き上げてしまうんです。
でも、今回は根尾選手が投げていなくて、彼の成長スピードが早いからとんでもない記録を出すんじゃないか、"もう一回見ないと"となってスカウトさんが残った。スカウトさんのスケジュールを狂わせるくらい、すごい選手だから面白いなと思いますね。
――法則を覆す男、ですか(笑)。
基本的にスカウトは、甲子園の大舞台で緊張せずいつものプレーができるか見るらしいですが、そこを捻じ曲げたのは興味深いですよね。
――外野手でも藤原恭大(ふじわら きょうた)選手など才能のある選手が揃っています。
本当に今のプロ野球にマッチした選手というか、打つだけ・走るだけ・守るだけの時代ではなくて、全部できて当然くらいの流れがプロ野球にはある。その中で藤原選手は、ものすごくアスリートっぽい選手だから、"引く手あまた"になると思いますね。
特に外野手が高齢化している球団もあるので、やはり欲しがる選手の一人という印象があります。ハンサムですし、プロ入ってからも人気出るんじゃないかな。
――近年、大卒選手や社会人野球からプロといったルートも増えてきました。そちらで注目したい選手はいますか?
東洋大の三人、上茶谷大河(かみちゃたに たいが)選手、甲斐野央(かいの ひろし)選手、梅津晃大(うめつ こうだい)選手には、今回注目していますね。あと、日体大の松本航(まつもと わたる)選手も楽しみです、すごいピッチャーですからね。
今年も甲子園の盛り上がりから高校生が騒がれていますが、大学生の球を見たら「あ、これは打てないわ」って思いますよ。やはりドラフトで即戦力を考えるなら投手だし、今年は大学生ピッチャーで結構注目されている選手が多い気がしますね。
――日本通運の生田目(なばため)選手みたいな?
生田目翼(なばため つばさ)選手ですね。僕も高校時代から見ていましたが、良い選手です。プロ野球に入る大事な条件のひとつだと思うのですが、"トリッキーな名前"って結構大事な気がする(笑)。
もちろん、田中とか鈴木とかがあってもいい。でも、「新庄」とか「北別府」とかあまり聞かない。浮世離れしているというか、スーパースターって、少し変わった芸名みたいな名前の方が伸びると思うんですよ。そこで「生田目」ですから、ものすごく引きのある名前ですよね(笑)。性格も面白いので、こういう選手がプロに入ると面白くなると思います。
――いけださんの選ぶ「入団してほしい球団」と「ドラフト1位選手」を教えてください。
僕は、根尾選手あたりが日ハムとかにいって欲しいと思っています。大谷選手を二刀流に挑戦させてくれたし、根尾選手もこれだけ騒がれているけど、まだ成長過程。そう考えると小さくまとめない、将来的にメジャーいってもいいよと言えるくらいの球団の方が見ていて楽しいですよね。ものすごく頭のいい選手なので、そういうところも日ハムの方針に合っている気がします。
――各球団別の補強ポイント、ドラフトで狙ってくる選手はどう見ていますか?
DeNAは明治大学の渡辺佳明(わたなべ よしあき)選手とか、いって欲しいですね。横浜高校の前監督である渡部元智さんのお孫さんで、一年からレギュラーを獲っている選手です。DeNAって今、横浜高校のOBがめちゃくちゃいるじゃないですか。だから、横浜高校出身はDeNAで人気を獲得するためのパスポートの一つだと思うんですよ。やっぱり、横浜高校が嫌いな神奈川人は少ないですから(笑)。
あとは、明豊高校の濱田太貴(はまだ たいき)選手。僕としてはすごく良いバッターだと思っていて、高校通算45本くらいホームランを打っている。本当にバッティングセンスがあって、気持ちも強い選手で色々なポジションもできる。加えて、ソフトバンクの今宮選手と柳田選手が、彼のことを好きらしいんですよ。甲子園で見て、SNSとかで彼のことを書いたりしていたので、スッと馴染めるんじゃないかなと。やはり、地元のスターは大事ですよね。
――今回、パラビではドラフト会議終了まで完全生中継します。いけださんがたくさん選手を見ている中で、二巡目以降に呼ばれそうな最後まで目が離せない期待の選手はいますか?
そうですね、菰野の田中法彦(たなか のりひこ)選手かな。気になっているピッチャーで、甲子園は出ていませんが、152キロ投げるんですよ。140キロが速球と言われないこの時代で変化球もバリバリ切れるし、バッティングがすごくいい。本当に二刀流でいけるような選手で、知らない人も多いと思いますが、恐らくドラフトかかると思っています。
あとは、埼玉栄の米倉貫太(よねくら かんた)投手。若生正廣(わこう まさひろ)監督という東北高校でダルビッシュ選手を育てた方が「高校時代のダルビッシュ以上」と言っていて、スカウトさんもずっと前から追っかけている選手ですが、夏はあまり伸びなかった。才能はすごくある選手なので、育成の強いプロの球団にいったら面白いかなというのがあります。"ダルビッシュ2世"とか"平成最後のダルビッシュ"とか、すごくややこしいキャラ設定で呼ばれてますね(笑)。
――最後に野球初心者でもドラフト会議を楽しむ方法を教えてもらえますか?
分かりやすいところでは、基本的には重複する一巡目が楽しい。「獲りにいった」「獲れなかった」「次また被っちゃった」「また獲れなかった」と、いい大人が一喜一憂していますが、みんな、それだけ真剣なんですよ。球団にとっては未来を担う逸材を得られるか、未成年の選手にとっては、将来が決まる日ですから。よく考えると、すごい光景ですよね(笑)。
野球をまったく知らなくてあそこだけ見ても、単純に漫画カイジ(賭博黙示録カイジ)の世界ですよ。「これ、当たりでたら脱出できるぞ~」みたいな感じ。それだけ、いい大人が熱狂するくらい意味のあるものなので、その熱を見て感じてもらえたらいいのかなと思います。
パラビでの「プロ野球ドラフト会議」LIVE配信は、10月25日(木)夕方4:30から。"流しのブルペンキャッチャー"こと安倍昌彦の解説で、1位指名から終了までを完全生配信。
またTBS系列では、プロ野球を目指し母と息子二人三脚で壮絶な苦難を乗り越えてきたドラフト候補たちの知られざる感動秘話を完全ドラマ化した「お母さんありがとう」が夜7:00より放送される。
(C)Paravi
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