「カイジ」「銀と金」などギャンブル漫画の第一人者・福本伸行氏の伝説的麻雀漫画を実写化した『天 天和通りの快男児』で、主人公の天貴史(岸谷五朗)、赤木しげる(吉田栄作)に感化されながら雀士の道に突き進む井川ひろゆきを演じる古川雄輝。「待ってました!」と喜びをあらわにする彼は、なんと"趣味"と公言するほどの麻雀好きで、プロの雀士と対戦した経験もあるという。

荒武者たちがひしめく中、「ひろゆきらしい美しい麻雀を表現したい」と意気込む古川が、本ドラマへの並々ならぬ思いを語った。なおこの作品は、テレビ東京グループと動画配信サービス「Paravi(パラビ)」が本格的にタッグを組んだ連続ドラマ第1弾となる。

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――高身長、高学歴、語学堪能の超ハイスペック男子の古川さんが、無類の麻雀好きとは意外でした。今回のドラマはまさに待望の作品と言えますね。

はい、待ちに待ちました(笑)。趣味を活かした仕事がしたいという気持ちがあったので、「なんで麻雀の仕事、入らないんだろう」といつも思っていました。

――ご自身からアピールしたりしていたんですか?

すごくアピールもしましたし、麻雀番組のオファーもあったのですが、まずは役者として麻雀に関わりたいということで、なかなか実現しなかったんです。でも今回、福本先生原作の作品に呼んでいただいたので、これを機にどんどん麻雀番組に出たいと思います(笑)。

――そもそもどういう経緯で今回のドラマのオファーが来たのですか?

ひろゆき役をキャスティングする時に「麻雀ができる若手の俳優はいないか」とプロデューサーの方が探していて、人づてに見つけてくださったんだと思います。しかも、ひろゆきというキャラクターが僕に似ている部分が多いので、キャスティングしていただけたんじゃないでしょうか。

――原作も当然、読まれていたわけですよね。

もちろんです。大学時代によく雀荘に行っていたんですが、そこに必ず置いてあったので、夢中になって読んでいました。福本先生の漫画はメチャメチャ面白くて、特に『天』は、麻雀好きの"ツボ"をうまく突いて僕たちが思いつかない展開が描かれているので、実に衝撃的でたまらないんですよね。今回、改めて読み直してみましたが、やっぱり面白くて。役をいただけて、もう嬉しいの極みです。
バスケットボール好きにとっての『スラムダンク』みたいな存在ですから。

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――古川さん演じるひろゆきというキャラクターについてどういう印象を持っていましたか?理詰めの打ち方が非常に似ているそうですが。

そうですね。僕も理詰めで、危険を冒さない打ち方です。高い確率と安全策を選択しながら理詰めで打つので、まさにひろゆきと一緒です。でも、そういう人って常に2位狙い。1位にはなれない。上を目指すためには、相手の一歩先を読めるようにならなければいけないんですが、このドラマでいえば、天や赤木がその域に達している人になるわけです。ひろゆきは、二人に憧れてどんどん感化されていきますが、その辺りの打ち方とかパーソナリティーが僕とすごく近いと思います。

――まるで古川さんのためにあるような役ですね。

本当に共通部分が多いです。麻雀の打ち方とパーソナリティーというはリンクしていて、絶対に人間性が出るんですよね。劇中、赤木から「お前は真面目すぎる、もっと適当になれ」「もっと自由に生きればいいんだ」といったアドバイスをされるんですが、どこか僕自身に言われているようで大好きなシーンなんです。「確かに僕もそんな生き方をしているな」とついつい役を忘れて納得してしまったりして。だから、我が道を行く赤木には、ドラマを超えた憧れの気持ちを抱いています。

――原作漫画の「再現率」も見どころですが、古川さんの場合、ビジュアル面はもとより、麻雀の打ち方をかなりひろゆきに寄せているとお聞きしましたが?

完全に寄せています。僕は普段、足を組んで椅子の片方に寄りかかって打つんですが、ひろゆきはきちんとした姿勢で、礼儀正しくスッと牌を引いて美しく打つ。そこはキャラクターを意識してやっています。ひろゆきっぽい雀士がほかにいないので、差別化という意味でも品のある感じを出せるようにしています。

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――役づくりで皆さん、現場をリサーチしたりする方もいますが、古川さんに限っては、もういつでもOKだったということですね。

リサーチ済みですし、漫画も読み込んで、学生時代から今に至るまでずっとブランクなく麻雀をやっているので万全でした(笑)。ただ、逆にやっているからこそ苦労した点もありました。麻雀を知らない視聴者にもわかりやすいように役(やく)の名前を省略しないとか。例えば、七対子(チートイツ)ならチートイ、8,000点なら満漢とか、実際はだいたい略すんですが、ドラマでは正式名称を使ったので麻雀をやっている方が観ると少し違和感があるかもしれません。

――"心の声"が多くて難しかったとおっしゃっていましたが、これはどういう感じなのでしょう。

麻雀を普通に打っているシーンでも、例えば「◯◯が来た!」とか、「よし、ロンだ!」とか『今、どういう状況で、どういう心境なのか』を"心の声"として別に録って、それに合わせてリアクションを取らなきゃならないんです。他の作品でもよくあるやり方ですが、ここまで多いのは初めてでした。喋らずに"心の声"に合った芝居をしなきゃいけない。それは麻雀を打っている時と、後ろで見ている時とは違います。特に打っている時は、基本的にポーカーフェイスじゃなきゃいけないので、監督やスタッフの皆さんと撮影前にじっくりと話し合いました。ドラマならではのリアクションと、ひろゆきというキャラクターとのバランス、そこが難しかったです。

――そもそも、古川さんはどうしてこんなに麻雀好きになったんですか?

まず、実力勝負であるところがすごく好きです。もちろん運もありますが、本当に強い人にはどうしても勝てないのが麻雀なんです。あとは、初対面の人とコミュニケーションを取るのがあまり得意ではないので「何かを通して人と仲良くなろう」と考えた時に、麻雀はすごくいいなと思ったんです。目上の方でも立場も関係なく、男同士で勝負して、だいたい7~8時間は打つので必ず仲良くなれるんですよ。だからどの現場に行っても、まずはスタッフさんに「麻雀打ちます?じゃあ、行きましょうよ」と声をかけるとすぐに馴染むことができる。そういうところも好きな要因の一つですね。

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――主人公の天を演じる岸谷さん、赤木を演じる吉田さんとの息詰まる攻防や心の交流も楽しみですが、大先輩であるお二人とは、仲良くなれましたか?

お二人ともタイプは違いますが、本当に優しくて、勉強になるところがたくさんありました。岸谷さんはまさに"漢(おとこ)"ですよね。天を演じているからそう思うのかもしれませんが、すごく"役者"という印象です。天はまっすぐで、目力も強くて、男気にあふれているんですが、岸谷さんはピッタリだなと。男が男に憧れる先輩、という感じです。初めてお会いした時も「おお、雄輝か、よろしくな!」みたいに下の名前で呼んでくれたり、麻雀でわからないところがあると聞きに来て「ありがとう、麻雀先生」と言ってくれたり、後輩との接し方がすごく自然で憧れます。

――演じる上で、何か具体的なアドバイスをもらったりはしましたか?

長年お芝居をやられている方なので、取り組み方や台詞の言い回し、すべて見ているだけで勉強になります。あとは「身長が高すぎると主役とのバランスが悪くなって役が来ないことがある」という相談をさせてもらった時に「お前が主役になれば、関係ないだろ」とズバッと言ってくださって。そういう直球の言葉が心に響きました。

――吉田さんはいかがでしたか?漫画の赤木にかなり寄せていましたね。

ビジュアルを見た時に、本当にピッタリだと思いました。吉田さんは、岸谷さんとはタイプが違うと思いました。大人の余裕というか、色気があるので、絶対にモテると思います(笑)。それがまた、赤木という役にピッタリなんです。撮影の最後に「いろいろありがとね」と握手を求めてきて下さった時に「まだ、タイトルバックの映像が残ってますよ」とお伝えしたら「でも、劇中は終わりだろ?」ってサラリと言って去って行かれたんです。「わぁ、カッケ~なぁ」と思いました(笑)。お二人に言えることなんですが、演技だけじゃなく、ひろゆきにとっての天と赤木のように"男の生き様"も勉強させていただきました。

――本作は、テレビ東京グループと動画配信サービス「Paravi(パラビ)」が本格的にタッグを組む第一弾ドラマで、テレビ東京、BSテレビ東京での放送に加え、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信されます。こうしたメディアの多様性についてどのような感想をお持ちですか?

僕はすごく注目しています。テレビをあまり観ない時代になって来ていて、スマートフォンが生活の中心で、動画配信も電車の移動中に観たりしていますよね。自分の好きな時間に好きな作品を一気に観ることができるので、録画する必要もない。一人一人のライフスタイルに合っていて、明らかに時代はそちらの方向に向かっていますよね。ドラマの視聴率がよく話題になりますが、動画配信をはじめ、いろいろな方法で後追いして観ている方もいるので、数字が悪くてもめちゃめちゃ話題になっていたりする。だから、たくさんの方に観ていただけるという意味では、作り手側としてはとてもありがたいことです。『天』もたくさんの方に観ていただきたいです。麻雀好きはもちろん、麻雀がまったくわからない方でも十分楽しめます。もし、少しお時間があったら、ほんの少しルールを理解しておくと、面白さが倍増しますよ!

ドラマパラビ『天 天和通りの快男児』はテレビ東京系にて深夜1:35より放送。さらに、動画配信サービス「パラビ」では、1話~12話まで全話一挙配信中。

(C)テレビ東京 (C)Paravi