ドラマ『ケイゾク』『SPEC』の「SPECサーガ完結篇」として、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」にて独占配信中の『SICK'S 恕乃抄』に続く新シリーズとして、2018年9月28日(金)より配信が決定した『SPEC サーガ黎明篇 サトリの恋』。その記者会見が9月9日(日)に行われ、主人公のサトリを演じる女優の真野恵里菜、メガホンを取った堤幸彦監督、そしてプロデューサーの植田博樹が登壇した。

本作は、「SPECサーガ」の鍵を握ってきたSPEC HOLDERの一人、人の心を読むことができる"サトリ"こと星慧(ほしさとり)の若き日の姿とSPEC発現のルーツに迫るスピンオフ企画。

8年前、『SPEC』に出演したときの衣装で登場した真野は「当時、19歳だった私の夢は地上波のドラマに出ることだったのですが、それを叶えてくれたのが『SPEC』でした。私が今、お芝居を中心に仕事をするようになったこと、そして、サトリを通して真野恵里菜をより多くの方に知っていただけるきっかけになったので、すごく大事な作品」と心を込めてコメント。

さらに、「今でも"サトリ観てました"とか"サトリ好きでした"とか街中で声をかけられるんですが、中には"真野さん、サトリだったんですね"って、ここにきて一致するファンの方も中にはいて、こんなに影響力を与えていた役なんだと改めて思って。今回、そのサトリを主演にしたドラマができるということで、すごく嬉しかったです」と感無量の様子を見せた。

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一方、生みの親である堤監督は「これまで『ケイゾク』や『SPEC』『SICK'S』などの作品群がありましたが、時間が行ったり来たりする一つの大きな流れの中で、たった一人の人物が"サトリ"という具体的な名前で物語の主人公になるというのは、なかなかのレアケース」と強調。

なぜサトリだったのか、という理由については、「まず、時間の流れの中で一番いいところに存在していたこと。そして、数あるキャラクターの中でも非常にインパクトがあって、不思議でかわいいけれど、実は深いものを背負っている、というところが、植田さんと私が目指していたものでもあった。だから、我々にとっては、このドラマを作る必然性があった」と思いを述べた。

また、7月16日にサッカー日本代表の柴崎岳(ヘタフェCF)と入籍し、街中で「結婚おめでとう」と声をかけられることが多くなったという真野は「(結婚してから)かなり時間が経ちましたが、いまだにお祝いの言葉をかけてくださる方がいて、とても嬉しいのですが、その分、私もしっかりしなきゃなって改めて思いますね。今まで10年以上、お仕事優先でやってきたので、家庭的な部分はまだまだこれから。がんばって勉強します!」と現在の心境を告白。これを、まるで父親のような表情で、堤監督と植田プロデューサーが一つ一つの言葉に頷きながら見守っていた。

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そして最後に、追加キャストとして、一一十(にのまえいと)役の黒島結菜、野々村光太郎役の竜雷太、地居聖役の城田優の出演が発表された。植田プロデューサーは「今回のドラマは、『SPEC』という連続ドラマの前の話になるのですが、そのころに"こんなキャラクターがいたんだよ"ということを示したかった」と意図を説明。

各キャラクターに関しては、「まず、黒島さんは、『SICK'S』のストーリーの伏線も描きたいな、ということでお願いしました。竜さんには光太郎という亡くなったキャラクターではありますが、時間軸として随分前なので、もう一度出ていただこうと。地居役の城田くんに関しては個人的に仲がいいので、ドラマを華やかにするために声をかけました(笑)」とコメントした。

撮影を振り返った堤監督は「すごく楽しかったですね。いろいろなアイデアがどんどん出てきて、90分の台本が120分くらいに膨れ上がったんですが、地上波ではないので区切る必要もなく、結構、流しっぱなしのストーリーになったかな。でも、私も62歳、あと何本作品が撮れるかわからないけれど、自分の監督人生の中でも特別な作品になったと思う」とご満悦の様子。

さらに真野について、「ある種、戦友としてこれまで一緒にやってきた経緯もあり、大きな幸せ(結婚)も手に入れたし、『サトリの恋』で一つの大きな区切りもできたのでよかったと思う。僕としては、これからも女優を続けてほしいと思いますけどね」とエールを贈った。

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堤監督の言葉をかみしめながら、真野は「黒島さんと城田さんとは現場でお会いできたんですが、竜さんとはお会いできなかったんです。でも、まだこのドラマの話が来る前に別の番組でお会いする機会があって、"あの頃、何歳だったっけ?"とか、会話を交わしたあとに、すぐこのお話がきたので、『SPEC』の仲間たちって、何か不思議な縁でつながっているんだなと思いました」としみじみと語った。

以下、追加キャストの公式コメントを紹介。

◆黒島結菜(一一十役)
ニノマエイトを演じます、黒島結菜です。ニノマエイトは時空を操るSPECを持っている女の子で、まだ謎が多くこれからのことは想像もつかないのでニノマエイトが何をしてくれるのか楽しみです。『サトリの恋』では少しの出演ですが、替え歌を歌ったり、空を飛んでみたり、とても面白い撮影でした。皆様、楽しみにしていてください!

◆竜雷太(野々村光太郎役)
『ケイゾク』から『SPEC』まで活躍して来た野々村光太郎。そして『SICK'S』に受け継がれた弟光次郎。このシリーズに出演を依頼してくれた堤監督、植田プロデューサーをはじめとするスタッフの皆様に心から感謝です。御期待下さい。

◆城田優(地居聖役)
『SPEC』撮影当時、堤監督と「キモイ・ダサイ・うざい」という3原則で役を作っていたのですが、地居というキャラクターを久々に演じて、やっぱりこいつ気持ち悪いなと思いました(笑)。真野さん演じるサトリという超人気サブキャラクターの過去の話を観られるのは『SPEC』ファンの皆さんも嬉しいのではないでしょうか?

(C)Paravi