7月27日のWOWOWぷらすと配信復習!今回のテーマは『70年代TBSドラマを語る。』。サンキュータツオさん、春日太一さん、松崎健夫さん、池田裕子さんでお送りしました。

この日のぷらすとは、タツオさんといえば"紫"と言うことで、オレンジ色の服を着てきた春日さんでしたが、なんとタツオさんとオレンジが丸かぶり!"絶対大丈夫だと思ったのに・・・"と話しつつ早速語っていきました。

戦後が何だったのかは70年代のTBSドラマを見れば分かると言ってもいいとのこと。例えば『時間ですよ』『ありがとう』『白い影』『寺内貫太郎一家』『岸辺のアルバム』など、TBSが世の中を倦厭していました。この頃は他局ではドラマを作る力がなく、TBSでは自社でドラマを作り発信していたからだと言います。これは開局当初からの方針らしく、当時はVTRがないため生放送でやらなければいけなかったのだそう。

そのため、あまりコスパが良くありませんでしたが、これを柱にしようとそれまであまり生放送に出たくないと言っていた、歌舞伎役者などの舞台の人たちと専属契約を結び、それまで劇場まで行かないと見られなかった人たちがTBSで見られることに。

テレビは日常のメディアと言われており、食事を取りながら見るような日常の一部となっていきました。そのため、家の中が舞台だと関係性がわかりやすくテレビドラマに最もふさわしい表現手段は"ホームドラマ"となり、1960年代はホームドラマ全盛になっていきます。

ホームドラマには4原則があります。
【1】隣近所含め、登場人物が多い
【2】登場人物全員が善人であること
【3】事件が小さい
【4】ハッピーエンドで終わる

70年代のTBSドラマを牽引する3人の製作者と言えば、"石井ふく子さん""久世光彦さん""大山勝美さん"の名前があがります。この3人はまったく違うアプローチで、石井さんは木曜夜8時台で4原則に則ったホームドラマ、久世さんは水曜夜9時台でギャグやバラエティー混じりのホームドラマ、大山さんは金曜夜10時台でジャーナリスティックなホームドラマと、それぞれの枠がありました。

77年には、大山さんが専任プロデューサーになり、金曜ドラマをどのような路線でやっていくのか方針を立てます。
【1】女性の自立を描く
【2】新しい家族劇を描く
【3】一流のキャスト、スタッフ、脚本家でドラマを描く

また、大山さん×山田太一さんが手がけた『岸辺のアルバム』が大ヒット!今では普通の話ですが、主婦が不倫するのは当時ではセンセーショナブルで、さらに八千草薫さんがヒロイン。八千草さんがとても素敵で堪らなかったのだそう(笑)。

「日本はもっとリブートをちゃんとやっていくべきだ」と春日さん。当時の文脈を今の感覚でどう表現するのか、そのセンスや読み取り能力が重要になってくるとのこと。ただ、古い人たちが作ってしまうと、リスペクトが強すぎてノスタルジーになってしまうので若者が作ることが大事と語られました。

番組最後に健夫さん、春日さんにそれぞれオススメの70年代TBSドラマを教えていただきました。

健夫さん
・悪魔のようなあいつ

春日さん
・高原へいらっしゃい

日本のテレビドラマ黄金期で、山田太一さんや向田邦子さんと連動し始め、85~86年までのトレンディドラマが出るまで、TBSドラマが牽引していたと振り返りました。

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