動画配信サービス「Paravi(パラビ)」のオリジナルコンテンツ、『ナイトラン・コンシェルジュ~走って自分みがき~』。毎回、一つの街を走りながら、夜の景色と共に"走る"ことの楽しさを追求する本番組の4回目は、下町風情の残る情緒あふれる街・谷中のコースを紹介する。
近年、根津・千駄木を合わせ「やねせん」と呼ばれる人気エリア、谷中。短い通りに約79の店舗が軒を連ねる「谷中銀座商店街」は下町情緒あふれる谷中のシンボルとも言える場所だ。今回も走るのは、女性ファッション誌「Oggi」の専属モデルなどで活躍する香川沙耶。ライトアップされた東京の下町を巡る3.6kmのコースを駆け抜ける。
今回のナイトランは、昭和の面影が残る、レトロな雰囲気の「谷中銀座商店街」の前からスタート。日が沈んでいく中、香川は「味のある街ですね」と辺りを見渡した。
スタート直後の細い路地で、まずは散歩感覚のウォーミングアップ。300mをす過ぎるあたりには、江戸時代、ホタルの名所として知られた全長85mの蛍坂が現れる。ゆるやかな坂を駆け上がり、さらに路地を進んでいくと、徐々に江戸の風情が残る景色が見えてくる。
名所や旧跡があちこちに残る谷中の街。今回紹介するコースでも、たくさんの名所や寺院の前を通過する。まずは、御府内八十八か所巡礼のひとつである「加納院」。赤穂浪士ゆかりの観音寺南面にある練り塀「観音寺 築地塀」を目にした香川は「昔に戻っているみたい」と感嘆の声をも漏らす。そして、「今回のコースは刺激を受けるというよりも、落ち着きますね」と下町ならではの風景に想いを馳せた。さらに足を進めていくと、薬医門形式の立派な山門で知られる「常在寺」が見えてきた。
多くのお寺が密集する谷中周辺では、松尾芭蕉が句を詠んだ寛永寺の時の鐘が、朝夕6時と正午の1日3回、音色を響かせている。重厚に響き渡る鐘の音を聞きながら走っていくと、現存する都内最古の煉瓦建築として知られる東京藝術大学が見えてきた。ここを通過すると、本格的なランニングコースに入る。
続いて見えてくるのは、1872年に開館した日本最古の博物館・東京国立博物館。夜はもちろん閉館しているが、館内には11万7000件以上の収蔵品が並ぶ。ぜひ、昼間にも訪れてみては。
そして、上野恩賜公園へと入ると、ライトアップされた噴水池が目の前に広がる。ここから、約600mの広々とした直線の道が続く。香川は「このコース、好きです。一人で走るのに、そんなに勇気が必要ないかも」と、順調に足を進めた。
公園内には、上野屈指のパワースポットとして、恋愛成就や縁結びのご神徳で知られる「花園稲荷神社」など、名所や名跡がたくさん。昼間は多くの人で賑わうものの、夜になると、そこには落ち着いた時間が流れている。
公園内を抜けると、美しくライトアップされた「不忍池辯天堂」の姿がお目見え。ここは、江戸時代に建立された池に浮かぶお堂で、金運上昇と音楽・芸能の守り神として信仰されている。夜になると、不忍池に光が反射し、より一層の輝きを増して見える、ビュースポットだ。
そして、そのまま不忍池の外周をランニング。不忍池は、江戸時代から蓮の名所と知られる池で、浮世絵などの芸術作品にも数多く描かれてきた。この外周は道幅が広くノンストップで走れるため、地元ランナーにも人気のランスポットとなっている。今回は、この不忍池の外周を回ったところでゴール。
「このコース、とっても好きです」と、下町の風情ある景観を楽しみながら、谷中から上野まで完走した香川。おすすめポイントは「キレイな景色が一番かなと思います。和な、日本独特のライティングは、見るだけで癒されました。癒されながらランニングできるっていいですね」とのこと。また、人通りや車の通行量もあまり多くないため、「自分の世界に入り込めるので、走りやすいと思います」と、充実の表情でコースを振り返った。
今回は、谷中周辺で見つけたおすすめスポットとして、水月ホテル鴎外荘(台東区池之端3-3-21)を紹介。ゴールとした不忍池から徒歩5分のところにあるこの宿は、明治の文豪、森鴎外ゆかりの宿で、日帰り入浴を気軽に楽しむことができる。
湯船は、趣向を凝らした「檜の湯」と「福の湯」の2つが用意されている。「檜の湯」は古代檜をふんだんに使い漆で仕上げた贅沢な作りになっており、「福の湯」は重厚な大理石のお風呂。男湯と女湯で日替わりとなっているので、どちらに入れるかも、楽しみの一つだ。お湯はカルシウムやラジウムを含んだ重炭酸ソーダの天然温泉。走って汗をかいた身体を、癒やしてみてはいかがだろうか。
水月ホテル鴎外荘 日帰り温泉(台東区池之端3-3-21)
営業時間6:00~23:00(※10:00~11:00は除く)
料金1,650円(税込/タオル貸出)
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