急性心不全のため63歳の若さで亡くなられた西城秀樹さんの葬儀告別式が、2018年5月26日(土)に東京・青山葬儀所にて執り行われ、ファン、関係者1万人以上が参列。涙に濡れた「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」の大合唱と、愛と感謝を込めた最期の"ヒデキ"コールで、希代のスーパースターに永遠の別れを告げた。
想像を絶する人の波。葬儀所に入り切れないファンが最大3.5kmにも及ぶ列を成し、歩道を埋め尽くす光景を見た時は、改めて西城さんの人気の凄まじさを体感し、同じ時代を共に過ごせたことを誇らしくも感じた。報道ではあまり取り上げられていなかったが、ファンの列は青山墓地内にも及び、午後1時の出棺に間に合わず、葬儀所から離れた墓地で西城さんを(心の中)で見送ったファンも多数いたことを特筆しておきたい。
生前、西城さんが最も愛したバラード『ブルースカイ ブルー』が流れてきた時は、すすり泣く方、うずくまる方、目に涙をためながら歌詞を口ずさむ方、少しでも西城さんの近くに行こうと歩を進める方など・・・葬儀の裏で、西城さんを想う人それぞれのドラマがあった。
動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、音楽はもとより、ドラマ、バラエティで活躍した西城さんを映像で偲び、夢に向かってキラキラ輝いていた我らが"ヒデキ"の追悼特集を組んでいる。「もう会えない」という空虚感は誰にも埋められないが、淋しさが募ったら、パラビでタイムスリップを。西城さんの元気な姿、歌声が、いつでも、何度でも、あなたの気持ちを照らしてくれる。
音楽、バラエティ、ドラマで活躍した西城さんを偲ぶ
●『8時だョ!全員集合』
西城さんが歴代最多73回の出演を果たした昭和を代表するバラエティ番組。生放送の緊張感の中、毎回、歌手をゲストに迎え、ザ・ドリフターズが過激な笑いを展開。特に、当時売れっ子だったアイドルたちは、少年少女合唱団や体操、ミニコントなど、即興&体当たりでいろんなことに挑戦している。西城さんは、抜群の運動神経で難易度の高い体操を軽々とこなし、とりわけ高跳びや跳び箱などジャンプもので実力を発揮。
合唱団コーナーでは、指揮者のいかりや長介さんにたびたびイジられる天然ぶりを見せたり、コントでは加藤茶らとの絶妙のコンビネーションで大爆笑を取った。もちろん、歌のコーナー(当時は生バンド)では、出演時の新曲を毎回熱唱。まさに100%"西城秀樹"を満喫できる番組だったと言えるだろう。
● 『寺内貫太郎一家』
『時代ですよ』の久世光彦さん(演出・プロデュース)と向田邦子さん(脚本)がタッグを組んだファミリー・ドラマの傑作。東京のとある下町、石屋を営む寺内一家とそれを取り巻く人々との人情味溢れる日々をコメディータッチで描く。西城さんは、父親役の小林亜星と毎回、何かしらの理由で取っ組み合いが始まり、パンチが当たって本気のケンカに発展したことも。1度、勢い余って庭に飛んでいった際、骨折した話は有名だ。また、祖母役の樹木希林との食事シーンでは、毎回ちょっかいを出す樹木に対して、「汚っねえなぁ、ばあちゃん!」と言って、けんかをするのもお決まりだった。なお、番組のエンディングで、屋根の上で浅田美代子とギターを弾きながら歌う『しあわせの一番星』が爽やかで印象的だった。
●『サウンド・イン"S"』
ジャズ、アメリカン・ポップスをメインにした選曲で構成され、国内外のアーティストから、演歌歌手、アイドル歌手ら、バラエティ豊かなシンガーが多数出演した大人の音楽番組。洋楽好きで知られる西城さんも、松崎しげる、伊東ゆかりらと、楽しそうにディスコナンバーで弾ける貴重な映像が収録されている。
ファンのことを何よりも大切にしていた西城さん。1万人が参列し、『YOUNG MAN(Y.M.C.A)』を大合唱する盛大な告別式は、いかにも不世出のスーパースター"ヒデキ"らしいダイナミックなステージだった。とくに昭和40年代のあの濃い時代をともに生きたファンにとって、西城さんの力強い歌声は、血と骨に染み込んでいることだろう。私たちは、あなたのことを永遠に忘れない。もう会えないけれど、映像の中で、心の中で、西城さんは永遠に生き続けている。
(C)TBS
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