先日、都内のスタジオで、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」にて独占配信される『もっと観たくなる森高千里「ザ・森高」』のコメンタリ-収録が行われました。私が訊き役を務めましたが、臨機応変にお話くださった森高さんに助けられ、無事、収録を終えました。最終的な編集作業は、もちろんスタッフにお任せしているわけですが、ここでは収録当日のエピソ-ド、さらに、そもそも『ザ・森高』のツア-は、彼女の中で「どんな位置づけなのか?」を説明したいと思います。

まずは当日のこと。実際に映像を観ながらのコメンタリ-収録は、正直、普段と勝手が違いました。普段というのは、音楽評論家である私の、通常業務としてのインタビューです。通常のインタビューでは、訊ねたいことを時間内であれば、ランダムにぶつけることが可能です。

ところがコメンタリ-では、時間経過とともに楽曲が過ぎ去っていって、その曲について訊ねられるのは、そのタイミングのみとなります。そう。後戻りが出来ない。流石にスリルがありました。

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質問する際、私がこだわったのは、彼女が書く歌詞の「先見性」です。ライブの終盤に歌われた「テリヤキ・バ-ガ-」では、文化を輸入するだけではなく、もっと日本からも輸出しましょうという、ここ最近の流れを予見していました。最後に歌った「この街」も、中央集権だけでなく、地方それぞれの良さを見直そうという、そんなメッセ-ジのように受け取れるのです(間奏で彼女が故郷・熊本の方言を披露するところなど、まさに)。

そして、ストレスで入院した経験をもとに書かれた「ザ・ストレス」も、画期的でした。ライブで披露されたこの歌の音源は、7分半という長尺で、それだけ見せ場を盛り込むことができます。人見記念講堂では、彼女の後方のスクリ-ンに、1991年当時のライブ映像も流されました。私としては、「数あるコスチュ-ムの中で、なぜウェイトレスだったのか?」という、素朴な質問をしてみました。さてさて、彼女の答えは・・・。

当日、ステ-ジに居た人間にしか知り得ない、熱い声援を送る観客の皆さんとのコミュニケ-ション、醸し出される臨場感についても、まさにその瞬間、ステ-ジの上でしか感じられないことを、映像とともに語って頂いてます。この部分に関しては、こちらの想像と、ちょっと違った答えも返ってきたりして、実に興味深かったです。また、彼女が無言となり、ぐっと映像に見入る場面もありました。

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ここからは、『ザ・森高』の位置づけについて解説します。彼女は1991年に『ザ・森高』、1992年に『ROCK ALIVE』、1993年に『Lucky7』のツア-を成功させるわけですが、ア-ティストとしての歴史は、1991年に始まったわけではありません。デビューは1987年です。ただ、『ザ・森高』と定冠詞がつけられているのは、ここで一区切りという、そんな意識の表れかもしれません。実際、サウンド面をみても、打ち込みのダンス・ビ-ト主体から、ここを境に生楽器主体へと変化するのです。

ツア-の流れから解説すると、『ザ・森高』のひとつ前、1990に始まったのが、アルバム『古今東西』を引っ提げた『古今東西 鬼が出るか蛇が出るか』でした。バラエティ的な演出も楽しめる内容であり、そこから一転、歌と演奏に特化し、"ライブ・ハウスのノリ"を目指したのがこのツアーです。ステ-ジ・セットがシンプルなのは、そのあたりを意識したからかもしれません。

彼女といえば、今や伝説となっている、ヴィジュアルの存在感を一気に高めた『非実力派宣言』というアルバムもありました。1989年のことです。それから2年後が『ザ・森高』。"非実力派"と名乗った彼女が、そろそろ自分の"実力"に気づいたのが、『ザ・森高』の頃かもしれません。

さて今回、そんな彼女の昨年の再現ライブはもちろん、1991年、1992年、1993年当時の3本のコンサートも含め、4月1日(日)よりスタートする動画配信サービス「Paravi(パラビ)」での配信が決定しています。この機会にぜひ、彼女のなかの独自性と普性性を、改めて感じてみるのはいかがでしょうか。今だからこそ強く響く、そんなパフォ-マンスに、きっと出会えることでしょう。

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【4月1日より配信】

森高千里 TOMORROW NEVER KNOWS「ザ・森高」(2017)※配信初

森高千里「ザ・森高」ツアー(1991)

もっと観たくなる森高千里「ザ・森高」※Paravi オリジナル番組


<その他の配信予定コンテンツ>

森高千里 Autumn Tour 2014 ~LOVE~

tofubeats with 森高千里 at WOMB LIVE Special Program

森高千里 Special Live In Blue Note TOKYO

森高千里ライブ『The Dance Moritaka Nights』

森高千里ライブ『The Plain Moritaka Nights』

森高千里 47 HARD NIGHTS

森高千里「HAVE FUN TONIGHT CHISATO MORITAKA」


【5月1日より配信】

森高千里 TOMORROW NEVER KNOWS「ROCK ALIVE」(2017)※配信初

森高千里コンサートツアー'92「ROCK ALIVE」

もっと観たくなる森高千里「ROCK ALIVE」※Paravi オリジナル


【6月1日より配信】

森高千里 TOMORROW NEVER KNOWS「LUCKY SEVEN」(2017)※配信初

森高千里コンサートツアー'93「LUCKY SEVEN」

もっと観たくなる森高千里「LUCKY SEVEN」※Paravi オリジナル


詳細は、公式番組サイトにてご確認を。

【公式サイト】https://www.paravi.jp/static/moritaka/

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