体長約60センチ、腹の黒い斑点が特徴のスマ。マグロやカツオと同じサバ科に分類されますが、水揚げ量は極めて少なく、市場にはめったに出回らないため"幻の魚"といわれています。知名度はないものの、その身には上質な脂が乗っていて"全身トロ"のよう。クロマグロと比べても遜色ないとされています。
全国有数の養殖魚の産地として知られている愛媛・愛南町で、養殖の"スマ"その名も「媛(ひめ)スマ」が生産されています。
稚魚から育てる一般的な養殖と違い、親のスマに卵を産ませ、それをふ化させて育てる「完全養殖」で生まれた「媛スマ」。
愛媛県と地元の大学、水産研究センターが組んで2013年から研究を開始し、世界初の「完全養殖」に成功しました。
扱い方も、普通の養殖魚とは違います。魚体に傷をつけないようエサを付けた釣り針で1匹ずつ釣り上げ、すぐにエラの内側を切って血を抜き、塩分を含んだ粒の細かい特別な氷の中に入れて鮮度を保ちます。
その日のうちに地元の水産業者に運び、乾燥を防ぐ特殊なシートに包んで、東京や大阪の飲食店へ向けて出荷。
2019年11月、質・量ともに安定的に供給できる仕組みが確立したことから、ブランド魚「媛スマ」として販売を始めました。
成長が早く、価格はマグロ並みの値がつくことから、収益を生む養殖魚として期待されています。
愛媛県庁漁政課の橋田直久課長は「スマをマグロの代替品とは一切考えていない。新しい赤身のおいしい魚として、広く皆さんに食べてもらいたい」と言います。
2022年には稚魚の生産量を今の4倍の年間8万匹に増やし、「媛スマ」の販売を加速させたい考えです。
この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2020年3月2日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
(C)テレビ東京
こちらの動画もオススメ!あのレストランも起用 「マイクロインフルエンサー」とは?「アマゾン」に対抗 "アマゾンキラー"とは?カンブリア宮殿 ゴディバ快進撃の立役者64万円でバカ売れ!究極のマッサージチェアシャープが5Gスマホ
- 1