流郷:プラントも作っていかなくてはいけないので、プラントエンジニアという職も必要になります。プラントエンジニアは今もいるんですけど、一人二人で耐えうるようなものでもないので、外部の企業とどう連携を図っていこうかというところで今動かしている状態です。
瀧口:面白いですね。
流郷:領域が広いので。
村山:いろんなスペシャリストがどんどん必要になりそうだと。
流郷:工学系、生物系だとか、機能的な細かい部分もそうですし、環境インフラもそうですし。
村山:オフィスに行ったらいろんな人が集っていて、それ自体が面白そうですよね。
流郷:かなり面白いですね(笑)。この時期にスタートアップに入って来る人達って個性的な方が多いかなと思いますし。我々は事業的なものもあるかもしれないですけど、割と年齢層も高いですね。私がフロントに出ていたりするので若いのかと思われがちなんですが、平均年齢40代くらいの会社ですね。
瀧口:それぞれの方の職歴があって、それぞれプロフェッショナルの方たちが集まっていると。
流郷:そうですね。
瀧口:最近国連のSDGs(持続可能な開発目標)に対する認知が広がって皆さんそこに向かって事業計画されていらっしゃいますけど、ムスカさんはまさにサスティナブルな事業ということでSDGsの項目などは意識されたりしますか?
流郷:項目ひとつひとつを意識するかというと、この事業を行っているとSDGsに絡まない訳がないと思っているので、むしろ"SDGsの申し子"だという発言をしても誰も文句を言わないくらいの事業だと思っています。事業になればですけどね。まずこの技術を事業にすることが一番の課題。そもそもSDGsやサスティナブルや循環という考え方はミッションやビジョンに埋め込まれているものだったり、ムスカのDNAとして組み込まれているものだったりするので、ある意味SDGsって当たり前だよねっていうのが、今チームメンバーみんなが思っていることです。
瀧口:項目としては17項目あるわけですけど、その中で何項目くらい当てはまりますか?
流郷:ざっくり言うと14項目くらいは最低でも当てはまっているだろうと思っています。
村山:相当なカバー率ですよね。
流郷:企業によって当てはめ方についてはいろいろな切り口を持たれていると思うので、項目を意識しているというよりは、やるべきことをしっかりやっていくと項目はある意味到達していくものですよね、という考え方です。
瀧口:おのずとそうなっていくと。
流郷:そうですね。すごく大事なことを言うと、我々の事業を伝えることでSDGs自体を社会に伝えられると思っているので、そこにある意味責務があるかなと考えていたりします。
瀧口:ムスカという企業が世の中に受け入れられて発展してきた時に、SDGsというものが初めて当たり前のものになっていくという発想でしょうか。
流郷:そうですね。やはり我々がやることってサスティナブルから切り離すことができないことなので、我々の事業を説明する中で絶対にSDGsと言う文脈や、投資でいうならESG投資という文脈って必ず出てくると思っています。ある意味「SDGsしっかりやりましょう」をリードしていくべき企業だろうと考えています。
私たちの事業って一社で完結する事業ではなくて、ある意味今の既存のプレイヤーの方々と一緒になって作っていかなければ、どうしても環境インフラとして作られていかないんですね。そういった意味でも、こういう技術があるからそこにジョインすることによって環境インフラの中に入ることができるから、SDGsをしっかりうたっていける企業になりますよね、と言うことも含めてそういうツールになれたらいいなと思っています。
村山:例えば最近行ったインドも起業がさかんですけど、クリーンテックやサーキュラーエコノミーに関するものが非常に多いんですよね。農業をサポートするものやリサイクルだったり。インドはインドで環境というものが非常に大きい課題にもなっているしテーマにもなっているので、そこの課題を解いている人たちは起業家だったりするわけです。世界的にムーブメントになってきていますね。
瀧口:ESG投資というのも言われて久しいと思うんですけど、結構共通言語としてESG投資ってみんなに通じるようになってきたかなという気はしますが、一方でまだまだな部分もあったりしますよね。
村山:全体のマネーの流れからすればまだ新しい分野でしょうし、ただミレニアル世代とかZ世代とか、世代で見ていくと若い世代ほど社会的課題への関心が高いというか、意識が上向きという気がしますね。
瀧口:流郷さんはまさにミレニアル世代ですよね。
流郷:そうですね。
瀧口:我々はミレニアル世代に入りますよね(笑)。という意味ではたしかに意識が変わってきた世代と言えるかもしれないですね