20200313_nikkei_22.jpg

瀧口:「じゃあこのellipseを使って円を作ろう。かっこの左側にellipseって打ち込んでみよう」。ここに打ち込めばいいんですね。これでいいんですか?あ、Lは二つですね。早速間違えてしまいました。

水野:でもこれは良い例で、一つでも間違えるとプログラムって動かないんですよね。ちゃんと入力すると円ができています。次は数字を変えてみます。

瀧口:左側の「100」だったところを「400」に変えます。これでいいですか?

水野:そうすると今場所が変わりましたよね。

神先:右に移りましたね。

20200313_nikkei_23.jpg

水野:今の数字が何かというと横軸の数字なんです。100の場所から400の場所に動いた。こういう感じでステップバイステップでやっていくと、こうやって動くんだって分かるじゃないですか。この円を作るところから、複数の円を作ります。この円をランダム生成して、上にゆらゆら動かす。その円の画像をランタンに変えて、背景を変えていくということをやっていくとランタンのシーンができます。では最後の方の良いシーンをやってみましょう。

瀧口:え、良いんですか?(笑)。

水野:こちらがランタンを飛ばす章ですね。

瀧口:一気に文字数が増えましたね。

水野:これも1時間半くらいで自分で書くようなプログラムになっています。今やろうとしているのはまだランタンが止まっているので、上に動かすというコードを書きましょう。

瀧口:難しそうですね。

20200313_nikkei_21.jpg

水野:ちょっと読みますね。この通り書いてみてもらえますか?

瀧口:この赤くなっている文字を入力すればいいですね。「lanternPosition」、「マイナスイコール0.5」。こういう風に指示をするんですね。あ、来た! すごい! これで動くんですか!

水野:こんな感じで学んでいって、自分の作りたいものを作るという形になります。

瀧口:面白いですね。

神先:何を書けばどう動くのかすぐ分かって、直感的で非常に楽しめますね。

水野:ありがとうございます。

瀧口:これがオンライン上の作業になるんですね。

水野:そうです。インターネットさえあれば学んでいけます。

瀧口:これが終わった後オフラインの本の方でも組み合わせて。

水野:そうですね。これが終わるとはがきが郵送されてきて、それを使って次の章に進んでいくと。

神先:なるほど。

瀧口:オンラインとオフラインを組み合わせるというのは、オンラインだけよりも効果が出やすいんですか?

20200313_nikkei_25.jpg

水野:そうですね。オンラインのプロダクトを作る時に大事にしたいのは学びの継続率というところです。オンラインの学びってハーバードの研究結果では5%くらいしか続かないと。eラーニングとかなかなか続かないじゃないですか。どんなにコンテンツが増えても学びの継続率が上がっていかないと結局みんなやらない。なのでどうやったら人は学び続けるのかということを僕らはリアルなキャンプを通じてやってきているので、その要素をオンラインとオフラインの融合型という形にしました。

ラーニングエクスペリエンス(学習体験)と呼んでいるんですけど、インターネットで言うところのUI、UXのユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の学び版みたいなものです。ラーニングエクスペリエンスをどう高めるのか、学び続けたいと思えるような状態をどう作るのかということを科学して作ったのが、このオンラインとオフラインの融合型になっています。

瀧口:オフラインもあると日常の中でもタッチポイントができてくるので、やはり頻度が高い方がやりたくなるんですかね。

水野:あとは収集したい気持ちなど。いろいろなモチベーションの要素を加えているという感じですね。

瀧口:ちなみにこちらの教材はおいくらでできるんでしょうか。

水野:1年くらい学べるんですけど、4万9800円で販売しています。学生さんは3万9800円になっています。

瀧口:学生さんに優しいですね(笑)。

神先:思ったより安いですね。

瀧口:1年分ですもんね。そうしたら全然安い気がしますよね。こういった学びの仕方もあるし、スクールもありますよってことなんですよね。

水野:そうですね。

瀧口:アメリカでも展開が始まったと伺いましたが。

20200313_nikkei_27.jpg

水野:そうです。昨年の8月にアメリカに会社を作らせていただきました。グローバルでもプログラミング教育の必修化で教える先生がいないということで評価をいただいて、ディズニーさんから「ちょっとやってみないか」ということで売り出しを開始しました。

瀧口:お声がけがあったということですか。

水野:グローバル会議で話してもらったみたいで、噂によるとボブ・アイガー(当時の米ウォルト・ディズニー・カンパニーCEO)も知っているとか。

神先:すごいですね。

水野:噂ですけどね(笑)。

瀧口:でもスタートアップがディズニーと組むなんて異例じゃないですか?

神先:異例だと思います。なかなかできないですよね。

瀧口:契約とか大変でしたか?

水野:最初の頃は版権の使い方、例えばミッキーや全部の映像を使わせていただいたんですけど、アメリカの各スタジオに許可を取ったり。企画が大変でしたね。大きく変わったのは僕らのキャンプをディズニーの方にも見ていただいたこと。ラーニングエクスペリエンスの高さや質の高い教育をしているという評価をいただき、その後はスムーズに進みました。それでも2、3年かかってやっと出せたという感じです。

瀧口:ディズニーの方々もキャンプまで足を運ばれてすごいですね。