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宮田:よく言われるのが人事分野の困りごとって可視化とクロス集計さえできれば7、8割は解決すると言われているんです。ですが日本の人事部ってエクセルが大量にあってどれが最新版か分からなかったり、データが更新されていなかったり、データの集め方もエクセルごとに異なっていたり、可視化さえできてなかったりする状態なんです。まずはSmartHRを使うことによってデータをきれいにしてあげて、可視化をできるようにして、クロス集計までできるようにしてあげると日本の人事の生産性、ひいては組織の生産性がどんどん高まると思っていますのでそういう方向にも製品を出していきたいと思っています。

瀧口:働き方改革って今言っていますけど、実際何を改革したら働き方改革になるのかということに対する解像度が日本全体で薄いんじゃないかと思いますよね。単純に時間減らせばというのも違うと思いますし、でも可視化できるツールがあればそこもまったく変わってきそうですよね。楽しみです。

原:それぞれの会社で人事部ってあると思うんですけど、なかなか接する機会があまりないので、ちゃんとやってるのかなっていう、ちょっと興味がありますよね。

瀧口:そうですよね。大きな組織だとなかなかコミュニケーションを取ることもないですしね。

原:海外進出などはイメージしているんですか?

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宮田:コアな部分は行政の手続きなどに紐づく部分が多いので、基本的には海外はあまり考えていないです。国によって法律も違いますし。一方でビジネス的な観点と言うと国内だけでもまだまだ需要が大きいと思っています。

我々の社会保険というジャンルって年間1億5千万件の手続きが申請されていると言われていまして、そのうち電子化されているものって10%に満たないんです。近いジャンルで税務や会計だと6割くらいは電子化されているんですけど、9割くらいはいまだに手書きとハンコを役所に持っていくという状態なので、ここを改善していく。これだけでも十分魅力的な市場規模だと思っていますので、まずはそこからと考えています。

原:行政というところで言うと2000年くらいからずっと電子政府だとやってきてなかなかうまく行かず、今ようやく本気で変わりつつあるタイミングですよね。そこに合わせて効率化が進めていければ国民にとっても良いですし、その事業をやられているところもすごく大きなチャンスですよね。

宮田:意外と国もこのジャンルの電子化に積極的で。昨年はデジタルファースト法案というのが可決されまして、行政手続きをどんどん電子化していきましょうと。まもなく我々がやっている社会保険手続きも資本金が1億円以上の会社さんは電子化が義務化されたりするんです。国もこういった手続きは紙ではなくて電子化しようという思いがあるので、我々も国と一緒になってこの分野を電子化というのを進めてきたいと思っています。

瀧口:経産省も2025年の壁と言っていますしね。その方向に全体としても動いているんでしょうね。

原:最後に伺いたいのは、今事業を展開する中でネックになっていること、例えば経営者の意識や法律的なものだったり、どういったところを壁に感じていらっしゃいますか?

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宮田:それで言うと大企業さんがSaaS製品をもっと使ってほしいなというのがありますね。最近では請求書も電子で送るのが当たり前になっていると思うんですけど、受け取る側の大企業さんがうちは紙じゃないと受け取らないと言っちゃうと、中小企業やフリーランスの方がいかに電子化しても結局日本の電子化が進まないと思っています。大企業って社数はそんなに多くないんですけど、とはいえそこで働く労働人口は日本の半分を占めているんですよね。結果日本の生産性を高めていくためには大企業さんがそういうツールを使うのがすごく重要だと思っています。

SaaSを使っている企業と使っていない企業の生産性って30%くらい差があると言われているんですけど、それって日米の労働生産性の差と同じくらいなんですね。日本の大企業がSaaSを使ってより業務効率化をしていかないことにはこの国の生産性も上がらないと思っているので、それを後押しする役割を担えればいいなと思っています。

瀧口:分かりました。今日はどうもありがとうございました。

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