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瀧口:それが前回お話しいただいた、奥様が妊娠された時の手続きが大変そうだという、あれも一つの転機ですよね。

宮田:そうですね。世の中の課題を探すのにすごく苦労して、便利な世の中なので実際あんまりないんですよね。普段生活している分にはなかなか見つけられなくて。その中で妻の産休手続を見つけて。たぶんいい旦那さんだったら、「なんてひどい会社だ!」みたいなことを言うと思うんですけど、これ商売になるかもしれないから写真撮らせてって言ったのを覚えています(笑)。

原:でもそれで会社ができてこんなに大きくなっているから、素晴らしいですよね。

瀧口:結果的に奥様孝行されていますからね。

原:全部繋がっているんでしょうね。これまで寮でお風呂の椅子が使えないことへの反骨精神から何から続いていて、結果的に結実したのが今の事業ということですね。

瀧口:そのアクセラレータープログラムで一番学んだことは何でしたか?

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宮田:やはり世の中の課題やユーザーさんの課題から製品や機能を作るべきなんだということですね。それまでいろいろやって上手くいかなかったのは、自分たちのできることから発想してしまって机上の空論で事業を作っていたんですよね。そうすると出してみても最初は物珍しさでユーザーが少し付いたりするんですが、継続的に使ってもらうのは難しくて。これじゃいけないと思って課題から製品や機能作りをするやり方に変えてみたらうまく行き始めたので、これが本当に一番学んだ重要なことだったなと思います。

原:私が一番気になるのは、コンシューマー系のサービスと企業系のサービスと二つに大きく分かれると思うんですが、企業系に持って行ったというのは何かあるんですか?

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宮田:そもそも実はこういうSaaSのソフトが好きだったんです。SaaSの比較サイトやっていたってことがあるくらい好きでして、当時WEBディレクターだったのでプロジェクト管理ツールは何がいいとか、アクセス解析するには何がいいとか。オタクだったんですね。「自分たちでもSaaS作りたいよね」という思いはあったんですが、ネタがなくて作れなくて。なので比較サイトを作っていたという経緯があって。SaaSが作れるというと僕たちとしてもテンションが上がって面白いというのがありましたね。

原:SaaSを作りたいという思いがあったんですね。

宮田:あまり一般的ではないですけどね(笑)。

原:だいぶ変人に近いですね(笑)。

宮田:「このSaaSのUIめちゃめちゃイケてるよね」と盛り上がれるタイプだったので。

瀧口:組織の不合理を解決したいというところですね。本当にそれが時代のデジタルトランスフォーメーションというところに合致して。

原:本当に持っているんでしょうね(笑)。流れがちゃんと付いてきているというか。だから誰かが困っているということが自分事になった瞬間、サービスが一気に花開くんでしょうね。

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宮田:そうですね。当時アクセラレーターでメンターのような人がいて、その人に「この6つの質問に答えられるようになるまでは製品を作るな」と言われていたことがあって。何かと言うと「誰のどんな課題をどうやって解決するか。今既存の代替品は何か。市場規模はどれくらいか。最後の6つ目はそれをあなたがやる意味なんですか?」ということで。12回くらいピボットしていく中で、中にはこれはいいかもしれないというアイデアもあったんですが、自分たちがやる意味と聞かれたら「特にないですね」と(笑)。

原:それって結構難しいですね。

宮田:やる気も出ないですし、競争優位性も作れない。このSmartHRのジャンルに関しては社会保険手続きを変えて行くというのはすごくいいなと思いまして、さっきの病気した時の話で社会保険制度の一つである傷病手当金というものがありまして。何かというと働けない期間の収入を6割くらい補償してくれるんです。その制度のおかげでリハビリに専念して完治したというものがありますので、その制度のよくない部分、手続きがめんどくさい部分などを変えていくということは、まさに自分がやるべき事業だなと思えましたね。

原:腹落ちしたわけですね。