日本人が大好きな「マグロ」。しかし今、その数が激減しています。いったい何が起こっているのか?そこには知られざる実態が存在していました。
東京の新たな台所、江東区の豊洲市場。指折りのマグロ仲買人である藤田浩毅さんは、マグロの取引の量について異変を感じているひとりです。
藤田さんは「量はものすごく減っているが、何が影響しているか分からない」と語ります。
2018年、11月。大間のマグロ漁は最盛期をむかえていましたが、漁師たちの表情には厳しいものがありました。
マグロ一筋40年というベテラン、マグロ一本釣り漁師の泉徳隆さんは2カ月の間、漁に出るものの、1本もマグロが釣れていなかったのです。
「以前は、水面で泳いでいるマグロを見ながら漁をしていたが、今は水面のマグロを見ることはない」と言います。
2018年大間のマグロ水揚げは、前年から6割も減っていました。
近年、日本近海で獲れる太平洋クロマグロは、乱獲などの影響もあり漁獲量が激減してしまいました。そこで水産庁は2018年7月から罰則を伴う漁獲規制をスタートさせ、漁法ごとに漁獲量の枠を決めました。
そんな中、まき網船の一大拠点と言われる鳥取・境港市では、7月初旬のセリで約600本ものマグロがセリに並んでいました。
漁獲量が減少する中で、これほどの数を獲ることができるのは、産卵のために浮かび上がったところを網で囲むという、まき網船の独特の漁法だからだと専門家は分析します。
この状況を変えようと、一本釣りやはえ縄でマグロ漁をする漁師たちは、まき網船を運営する企業の親会社に交渉しますが、「何も答えることはできない」との回答。解決の糸口さえ見つかりません。
地中海に面したスペインも一時、マグロの漁獲量が激減しました。日本と同じまき網船を使った漁法ですが、獲ったマグロの数などを国際機関の監視員が管理し、一匹でも不正がないように漁獲量を厳格にチェックすることで、クロマグロの資源量が急回復しました。
この映像と記事はテレビ東京「ガイアの夜明け」(2019年12月3日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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