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神先:初期の頃ってコミュニケーションも円滑に行くかなと思いますが、人が増えてくると難しくなってきますね。Phone Appliさんはどういったステージからコミュニケーションが円滑じゃなくなってきたなと感じましたか?

中川:数でいうと100人かなと思っていて・・・「100人の壁」って言うじゃないですか。弊社も100人を超えたくらいに社内のコミュニケーションに課題が生まれてきました。

瀧口:今は社員は何人ですか?

中川:今は170人です。その壁をギリギリ超えられたかなと思っているんですが。僕が一番やばいなと思ったのは、社員から「会議室がないから打ち合わせができません」ってクレームがすごく来るようになっちゃったんです。何で会議室に行かないとコミュニケーションできなくなっちゃったんだろうと。それが一番やばいと感じたきっかけでしたね。それで社長と話して、言葉が正しいかわからないですけど、なんだか大企業病っぽくなり始めちゃったよねって。

ちゃんと予定取って資料作って1時間の会議をしないと社員同士話しちゃいけないみたいな雰囲気が出始めちゃったので「ちょっとそろそろやばいね」という話をして。これは一気にモデルを変えようということで、ちょうどオフィスも手狭になってきたのでオフィスを移転するタイミングでこういうオフィスにしました。

瀧口:なるほど。村上さんの所は今何名ですか?

村上:正社員で120名くらいですね。

瀧口:100人の壁を超えてというところですね。組織作りの難しさはどうでしょうか。

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村上:特にうちの場合は4年前に10人だったところから120人になっているんです。100人の壁って量もそうなんですけど速度も関係があって、上がる速度が急速になればなるほど出てくるんですね。当然もともといたメンバーからすると新しい人の顔と名前が一致しないというのはよくある話で。人間が認識するキャパを超えていると思うんですよね。

そうすると当事者意識が欠けてきて、オフィスにごみが落ちていても誰も拾わなくなったり。そういうのは当事者意識が欠けているサインだと思うのでいかに当事者意識を持ってもらうか、この会社は自分が作っているんだという意識を思ってもらうことがすごく大事だと思います。そのためにあらゆる施策を打っていく。くりかえし言うこともそうですけど、言うだけでも伝わらない。

瀧口:ツクルバはデザイン、ビジネス、テクノロジーを融合されている会社なので、プログラマーの方やデザイナーの方、アーキテクトの方などいろいろな職種の方が働かれているわけですよね。それって普通のIT企業ともまた違った難しさがあるのかなと思いますが、コミュニケーションで気を使われている部分はありますか?

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村上:マネージメントは複雑で難しくなっていると思います。ただそれが事業の競争優位にもつながっているので意識して頑張ってやっています。どうやっているかというと、専門職のコミュニケーションはコモディティ化できないので、中心にあるのは何を自分たちが目指しているかというミッション、ビジョンですよね。

何のために我々は存在しているのかということが中心にあって。行動指針やバリューというのはそれぞれのチームでプロフェッショナリズムの軸がそれぞれある。でも中心には何を目指しているのかという目的、意義、大義みたいなものがある。そこをしっかりクリアにするということが大事かなと思います。

瀧口:去年上場もされてフェーズが変わってきているところですよね。

村上:特に社会的責任も大きくなっているので、そこも逆に社員がプレッシャーに感じるとか、社員からすると今までよりさらにやることが増えている状態になっているので、でも社外の人にも同じビジョンを共有して、僕たちはこういうことを目指しているんですと。それも社内も社外もあらゆるステークホルダーがワンワードで共通のものを見て、それを共に創っていく関係が作れたらいいなと思いますが、言うは易しで。メンバーからするとすごく大変なことも増えたと思います。

神先:スタートアップだといわゆる5名からスタートしてシードで資金調達して、シリーズAで数億円調達すれば、人として30名から50名規模に変わっていくと。ステージが上がっていくごとにオフィス移転って必ず関係してくるかなという気がしていて。コミュニケーションを円滑に保つ、バリューを浸透させているという点においてオフィスをどういう設計にするかというのは非常に重要になってくるんですかね。

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村上:そうですね。初期というのは事業も目まぐるしく変わりますし、人もどんどん入って来る。朝令暮改と言う言葉もあるようにカオスな状態なんですよね、ベンチャーは。カオスな状態にあるべきなんですけど、カオスな状態の受け皿になってくれるようなオフィスが求められているかなと。シェアオフィスみたいなものが流行っている理由も、柔軟に明日から10人分だけ拡張したいとか、普通のオフィスってありえないじゃないですか。

だから割高でもニーズがある。50人~100人くらいでシェアオフィスは無理になったらPhone Appliさんのように可動式にしたり、いざというとき解体できたり。コスパよく機能性を持ってかつアイデンティティを表現してというのが大事だと思います。

瀧口:そういう意味では一つの解を見せてくださっている気がしますね。テントやキャンプ用品など機動性が高い。

中川:そうですね。見た目にこだわらずその根っこの部分を一番解決してくれるのが、アウトドア用品だったというのはありますね。

瀧口:目まぐるしく変わるスタートアップの環境に合わせてハードも変えていけるということが大事なんですね。