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瀧口:さて、ここからはツクルバの村上CEOにもお話を伺っていきます。ツクルバは「場の発明」というキーワードをミッションに掲げていらっしゃいますけど、実際はどんな事業をされているんですか?

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村上:場の発明というのは抽象的な話なんですけど、人と人、人と情報が交差する場を発明、つまりたくさんの人々が使ってくれる大きなインフラとなるような事業を作ろうという意味です。具体的にはメインとなるのがリノベーション住宅の流通プラットフォーム、「cowcamo(カウカモ)」というサービスです。その他にコワーキングスペースの「co-ba(コーバ)」という事業であったり、いろんな企業のオフィスのデザインもさせていいただいております。

瀧口:「cowcamo」は中古の物件をリノベーションして流通させているというものですか?

村上:そうですね。我々がリノベーションするわけではなくて、リノベーション住宅を持っている人、作っている人の物件を我々のプラットフォームを通じてエンドユーザーとつなぐ、街のプラットフォームですね。メディアを軸にした流通のプラットフォームなんですけど会員が今12万人いて、日本最大級のリノベーション住宅に特化したプラットフォームになっています。

瀧口:いろいろなスタートアップのオフィスも手がけていらっしゃいますよね。実際今までどんなオフィスのデザインを手がけてこられたんですか?

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村上:代表事例としては、「アカツキ」さんや「メルカリ」さんのオフィスになります。アカツキさんのオフィスはカラフルガーデンをコンセプトにしていて、いろいろな賞も受賞させていただき、アカツキさんらしい素敵なオフィスになっています。メルカリさんは事業の規模拡大とともに、早い時から並走させていただいて、アップデートもお手伝いさせていただいております。

神先:私も2社とも伺ったことありますが、アカツキさんのエントランスはみんな写真を撮ったりしていて、すごく綺麗な素晴らしいオフィスでしたね。

瀧口:「ジャパンタクシー」さんはフロアに本物のタクシーが置いてあると聞きましたが、そのデザインも手がけられたんですよね。

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村上:日本交通からスピンオフして、ITのサービスをやっていくというジャパンタクシーは、また日本交通とは別のアイデンティティを表明したいということで、そちらのオフィスデザインをやらせていただきました。

瀧口:別のアイデンティティということで、本物のタクシーを置くことを思いつかれたんですか?

村上:Phone Appliさんのオフィスも見させていただいて改めて思いましたが、経営の意思だったり、自分たちのアイデンティティを表現する媒介としてオフィスを捉えていらっしゃる経営者さんや会社が増えてきたと思っています。ジャパンタクシーさんの場合は革新、今までの常識を覆すことをやっていくんだということをそこで表現する。だって本物のタクシーがあるなんておかしいじゃないですか。「どうやって持ってきたんだろう」って(笑)。

瀧口:本当ですよね。どうやって持ってきたんですか?

村上:「できるの? これ本物?」ってなりますよね。やればできるってことが伝わるわけです。

瀧口:そこにタクシーがあることによってそういうことを伝えられるというのは、デザインの面白いところですよね。

村上:単に社長がやりたかっただけっていうケースもありますけどね(笑)。でもそういうアクションがまさにアイデンティティになっているので。

瀧口:常識を超えていくぞっていうメッセージが伝わってきますね。実際にPhone Appliさんのオフィスを一緒に回っていただきましたけど、どうでしたか?

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村上:私が今までたくさん見てきたりお手伝いさせていただいたりしたオフィスとも結構違うなと思いました。非常にユニークな取り組みをかなり取り入れられてると思い、私も勉強になりましたし、すてきなオフィスだなと思って見ていました。先ほど申し上げたように、意思やアイデンティティを表現する媒介としてのオフィスになっているなと思っていて、違和感あるものを取り入れるとか、知的好奇心をくすぐるような取り組みだったり、その中でも効率よくいろんなものが可動式になっていたり、柔軟な変化に対応できるようなオフィス設計になっているので非常に成長ベンチャーらしいオフィスになっていますね。

中川:めちゃめちゃうれしいですね。

神先:テントがあるオフィスってありましたか?

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村上:初めてですね。私もスノーピーク(キャンプ・登山・アパレルを中心としたアウトドアブランド)は大好きなので。「これもスノーピークだな」なんて思いながらテントも見ていました。ああいうのもインパクトもありますし、社員からするとさっきのタクシーの話じゃないですけど「あ、いいんだ」と。遊び心も取り入れていいんだとか、自分たちは何か新しい物を作りだしているんだというアイデンティティになっていると思うんですよね。それでいて片付けもしやすいじゃないですか。

瀧口:メッセージ性もあって、機能性もあってというところですよね。スノーピークさんとは共同のコラボというところでもあるんですよね。

中川:そうです。「スノーピークビジネスソリューションズ」という会社になるんですけど、そちらの会社様の東京のショールームを兼ねていて、スノーピークさんのお客様をお連れいただくこともあったりします。ただ面白おかしくキャンプ用品を置いただけでは全くなくて、かなりコスト削減にもつながっていて。

セミナーをする時は椅子やテーブルを片付けて100人、200人入れる大広間のような空間を作るんですけど、それを従来のオフィスでやろうとすると、大きい会議室をもう一つ作っておかなくてはいけないんです。でもあまり使わないじゃないですか。週1、2回とか。だったらその時だけ社員に隅っこに移ってもらうとか、テレワークで家や喫茶店で仕事をしてもらうとか、柔軟にオフィスを変化させてトータルのコスト削減につながっているという効果が、実際一番大きな目的の一つでした。