20200131_nikkei_09.jpg

小泉:交通課題はAIと相性がいいだろうなと思っています。あとはR4Dの中でもVRやARをやっているメンバーがいるので、視聴体験をどうやってリッチにしていくかという面では、アントラーズやコンテンツの掛け算が非常にいいと思っています。スタジアムの中での視聴もそうですし、来ない人たちが家やパブリックビューイングを通して、どうやってスタジアムに来ているような臨場感を楽しめるのか。そこで楽しんでいただいて次はスタジアムに行ってみようというようなこともあると思うので、テクノロジーが入ることで今までのファンの楽しみ方をアップデートしたり、今までファンじゃなかった人を取り込んだり、そういうことをやっていきたいと思っています。

瀧口:鈴木さんが一番注目していらっしゃるテクノロジーはどの分野ですか?

20200131_nikkei_15.jpg

鈴木:やはり地域課題って医療や健康、教育や環境などたくさんあるわけですよね。我々がプロサッカーを28年前にここでスタートした時に地域の人たちに非日常をどう体験させるかということでスタートしたんですけど、今Jリーグ全体で見ると56のクラブがそれぞれの地域の中で、スポーツを核としてどうやってまちづくりをするかと言うフェーズに入ってきている。

音楽でもスポーツでもエンターテイメントビジネスの顧客への接し方というのは、10年後の顧客をどう見るかということに進化している。我々が地域の皆さんのためにスタジアムで見せられることというのは、10年後の顧客のために今何を始めているかというのを見せられる場所なので、さっき言ったようなテクノロジーのスタートのところをきちんと理解していかなくてはいけない。

新しい技術がいきなり地域に入ってくると拒否反応から始まってしまうので、まずその体験の場になることでスタジアムが大きな役割を果たせるのかなという気がしています。ペイメントもそうですよね。地元の人がものすごい構えてしまうことが、ここで簡単に使えるようになると地域に広がっていく気がします。

瀧口:たしかに鹿島というチームが好きだからやってみようという、楽しいところから入るのはいいですよね。

20200131_nikkei_14.jpg

小泉:スタジアムや地域をPoC(概念実証)の場として大企業が使っていくという中で、新しいスポンサーさんを獲得するとかですね。今NTTドコモさんがスポンサーで、例えば5Gを使ってスタジアムでどういうことができるかということを僕ら提供しているわけなんですけど、そういった形でスタジアムを一緒に運営していく中で何か実証実験が行われていくような場を僕らとしては提供していきたいと思いますし、チームがあると、みんながアントラーズのためならやろうかと、地域の理解やストレスが一気にサッカーチームがあることで下がるので、それを僕らが進めていきたいと思っています。

瀧口:何事も楽しいというところから入る、提供できるのはサッカーチームがあるからということですね。

鈴木:自治体の距離感があると思うので、アントラーズが中に入ることによって自治体の理解度が違う。例えば鹿嶋市と連携協定を結んで将来テクノロジーを使ったまちづくりをどうしましょうかということをスタートしていると、それが近隣に広がっていく。良い事例が見せられるといいなと思いますね。

小泉:スタートアップやテック業界にとってはどの自治体に話していいかわからない、自治体もどの技術を使っていいかわからないというミスマッチが起こるので、そこをアントラーズやメルカリが入ることによってマッチングさせるようなハブになりたいと思っています。それがメルカリで応えられるものもあれば、メルカリで応えられないけどあそこのベンチャーはこの技術があるとわかることもある。そこをつないであげることによって本当にシナジーが生まれやすいプラットフォームを作ってあげられると、まちづくりも一気に進むんじゃないかと思いますね。

20200131_nikkei_16.jpg

瀧口:スタートアップもオンライン上が多かったと思うんですけど、OMO(=Online Merges with Offline)でオンラインとオフラインが混ざりあうというところで言うと、実証実験だったりリアルの場でいかに試していくかということが大事ですよね。そうするとやはりこういう場が欲しいですね。