鈴木:そういうマインドがある中で製造業の関係会社にいたものですから、意思決定プロセスの段階がすごいわけです。むしろそっちにストレスを感じていた社員が多かったのかなと。情報共有とか意思決定のプロセスの階層が少なくなることに関してみんな飢えていたという感じですよね。
瀧口:「待ってました!」という感じなんでしょうかね。あと小泉さんのツイッターで稟議書をデジタル化したと出ていましたが。
小泉:紙の稟議だとサッカーって遠征多いので、遠征に行っちゃってそこで稟議が止まってしまうと経営面だと1、2日の遅れが非常にロスしてしまうので、いろいろな紙をデジタル化したりしています。なるべく小さいチャレンジができるような、ある意味ネット企業っぽい考え方で運営しているので、徐々にチャレンジの数を増やしていって。ある意味このスタジアムとかファンビジネスの中でもどうしてもやはり既存の仕組みが大事であるんですけど、新しいことしないとファンも飽きちゃうと思うんですよ。新しいことたくさんしていこうというところで大きな変化が見えてくるんじゃないかなと思っています。
鈴木:名刺管理ソフトなんて2年間議論して入れるべきだってみんな言うわけですよ。でも最後計算していくとちょっと高いから駄目だよねって二の足を踏んでいたんですけど、経営統合したら3日後に入ってました。これメルカリじゃ当たり前でしょって。議論の余地なく入るでしょってそんな感じでしたね。
瀧口:メルカリでも社内のカルチャーを作られることに長けていらっしゃるなと。「Go Bold」だったり、性善説に基づいた人事だったり。アントラーズでは今までの伝統を守りながらだと思うんですけど、そういう意味ではどう見ていらっしゃいますか?
小泉:そういう意味では非常にカルチャーも似ていて。伝統を守るというところは当然あるんですけど、ベンチャーマインドのようにチャレンジしてきた歴史があるので、比較的アントラーズとメルカリのカルチャーは似ているなと思っています。なので逆に言うとその中でさらにチャレンジできるその背中をどう押してあげられるかというところだと思っています。答えは社員が持っていると思うので、彼らが表現しやすいような仕組みやシステムを入れていって、今ある制限を取っ払っていきながらもっとベンチャー企業っぽくする感じですね(笑)。
瀧口:そこが最後決定できなくて止まっていたというところもあったということですよね。
鈴木:でも2年間のスポンサー期間、ある意味お見合い期間だと思っているんですが、そこがあったのがすごく大きくて。お互いのカルチャーを理解する時間があったんですね。それがなくてじゃあSlack入れましょう、となったらもう少し拒否反応があったのかなという気もしますね。
瀧口:スタジアムの中もメルペイでキャッシュレス化があったり。実際反応はどう感じていらっしゃいますか?
小泉:徐々にキャッシュレス化も進んできていまして、そうは言ってもキャッシュレス使ったこと無い人もまだまだいらっしゃいますので、メルペイスタッフが設定しますよ、というスペースを設けたらそこが大行列になっていて。設定してあげると便利だねと感じて使ってくれたりしますし。
事実かなり利便性を感じてキャッシュレスの比率もどんどん上がってきていまして、私たちドコモさんもスポンサーなので、メルペイとdポイントはどこでも使えるようになってきて、チケットもQRコードになってきていますし、そういうデータがたまっていって次に来場していただいた時にお得な情報があったり。1回来た人が2回3回来たくなるような仕組みを作っていきたいと思っています。
村山:スタジアムというリアルな場でいろいろな決済など新しいものを試していくのも一つの方向でしょうし、いろいろなシナジーも出てくるでしょうけど、そのあたりは小泉さん、始まったばかりではありますけど、見えてきた手ごたえみたいなものはありますか?
小泉:おそらくこの2月末の新シーズンスタート後にスタジアムに来ていただくと、もっといろいろ変化しているんじゃないかと思いますね。
村山:仕込まれていることがいろいろあるんですね。
小泉:仕込んでます。そこはやはり僕らももっとチャレンジしていくので、たぶん今までのアントラーズファンからするとだいぶ今シーズン以降変わったなと思っていただけるところが多いんじゃないかと思いますね。キャッシュレスだけじゃなくて。
村山:楽しみですね。
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