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瀧口:そしてそんなお二人が出会われたお話を伺いたいんですけど、メルカリは2017年からアントラーズのスポンサーをされていたということですが、その頃からのお付き合いということでしょうか。

小泉:最初に私が柴崎岳選手と知り合う機会があって、試合見に来てくださいよと言われて来た時に初めてお会いさせていただきました。そこで「今後テクノロジーでフットボールももっと変わらなきゃいけないよね」ということで「何か面白いこと一緒に何かやりませんか?」ということになりました。僕らも会社を作って2、3年目くらいだったので、当時は女性がユーザーとして多かったので、男性ユーザーもしくは40、50代くらいのユーザーをしっかり獲得していきたいなと思っていて、ある意味アントラーズの持っているアセットと相性がいいなと思ったので、そこで一緒になることになりました。

瀧口:鈴木さんは最初に小泉さんに合われた時の印象はどうでしたか?

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鈴木:いわゆるネット企業の社長さんって、カリスマ性があったり、強いものがあったりするイメージじゃないですか。それがまったく覆されて。

瀧口:覆されたんですか。

鈴木:人の話をよく聞けるし、ある意味リベラルだし、スポーツだけじゃなくいろいろなものを見ている。その時は割と衝撃的でした。

瀧口:なるほど。同じ目線で話せる相手だなと思われたということでしょうか。

鈴木:そうですね。プロスポーツの周辺環境がだんだん変わってきている中で、いわゆるメーカーがプロスポーツを支えていけるかどうかという疑問を実は僕も持っていて。その時に小泉さんの考え方と、将来はやはりこの業種だよねというところが握れたというところですね。

瀧口:それはこの2017年からスポンサーをされていて、2019年のタイミングに経営権を取得されたというのは、どういう背景があったんですか?

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小泉:ずっとスポンサーとして話していく中で、DAZN(ダゾーン)さんが入ってきて、賞金であったりお金の面も変化があって、選手もヨーロッパに移籍があったり、サッカーを取り巻く環境の中でダイナミックな変化があって。今までの親会社であられた日本製鉄さんとの話の中で、私たちのような"toC"のサービスをやっている会社でありテクノロジーを持っている会社がやった方が、アントラーズの企業価値というか、今後発展していく上ではそれがベストだろうということで経営権を交代することになったんですね。

村山:プロ野球のチームを経営しているところはたくさんあるじゃないですか。そういう意味では野球もメルカリのユーザー層を広げていく意味では可能性があったのかなと思うんですが、そこでサッカーにしたのはグローバルで見るとやはりサッカーなのかなということからでしょうか。そこはいかがですか?

小泉:グローバル目線は当然ありましたね。コンテンツとしては若い人達も野球と同じように多くの人が見ているコンテンツだし、今回サイバーエージェントさんも町田ゼルビアを買収したり、かなりネット企業がサッカーに増えてきてはいますので。テクノロジー系にいるとエンターテイメントであるとか、リアルなビジネスがテクノロジーでかなり変わってくるんじゃないかなと。

地域に根ざしているJリーグというのはある意味ローカルなところで、フットボールビジネスではない地域に根差したビジネス、これをテクノロジーで変えていこうというと、サッカーチームが持っている地域との連携というのはむしろ強いんじゃないかなと思います。

瀧口:小泉さんは今までずっとIT企業をやって来られて、スポーツビジネスというのはもちろん初めてだと思うんですけど、入ってみて驚いたことや最初の印象はいかがでしたか?

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小泉:そういう意味では2年間スポンサーをやっていたので驚いたことはないんですけど、一方で仕事の進め方がネット企業のようにオンラインで完結するものと、サッカーチームの選手もいて地域経済もあってというところでケアするところが全然違ったり、シーズンも1年を通してPDCAを回していくのと、ネット企業のように1日でPDCA回すみたいなところとはまた違うので。

ただ時間軸みたいなものは違うと思うんですけど、一方でファンやコンシューマーがいて、きちんと楽しんでいただいて、お金を頂戴して、データを持って経営していくという意味でいうとやっていることはそれほど変わらないなと思います。

瀧口:"toC"というところでは。

小泉:アントラーズというといろんなことをやってきていますし、そこはそれほど変わらないんじゃないかなと思います。