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幸松:そうですね。意外と町工場同士の横のつながりってあるところはあるんですけど、実はそんなになかったりして、そこの情報交換が意外と役に立つこともあるんですよね。将来的にキャディを中心とするネットワークをそういった面でも活用していけたらと思います。

加藤:なかなか2代目3代目の方でも、先代から引き継がれた"ものづくりスピリット"と、親会社というか自分が下請けになっている会社さんとのやり取りの中で「やっぱりもっとこういう風にしたい」という思いがあってもなかなかそれを話す場すらないし、ちゃんと考える場もなかったりするので、いろんな志の高いパートナーさんが集まることによってそれを一緒に話せますし、キャディが作るというよりは「一緒に作っていきましょう」と。だからこそパートナーなんです。そういう所をすごく大事にしているので、そういうことを話せる場を作って、産業を盛り上げていく存在でありたいという思いもあって開催いたしました。

瀧口:今、従業員の方はどれくらいいるんですか?

加藤:60~70名くらいです。

瀧口:その60~70名がミッションを共有するというのは、組織が大きくなっていく中で大変さはありますか?

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加藤:もちろん大きくなる中で一通りある程度経験してきてると思うんですけど、幸いなことに採用の段階でもキャディのカルチャーへのフィットとか、何を大事にしているか、キャディでやっていくこととその人がやりたいことが合っているかということをすごく大切にして見ているので、問題みたいなものは逆に組織が大きくなってからは少ないですね。

どちらかというと大変だったのは、最初3人で始めて人が入って来てから10人くらいになるまではいろんなかけ違いもあり、我々も全部やっていたのでそんなことに時間も使っている暇もなく、いろいろ起こりながら、組織としても学習していきました。今の方がむしろやりやすいです。人が増えると大抵崩壊するんですけど、あまりそういう感じではないですね。

瀧口:10人くらいの頃にミッションやカルチャーのすり合わせというのが一番大変だったと。

加藤:会社の根幹みたいなものは決まっていたんですけど、どちらかというとカルチャーですね。そもそもカルチャーって無くて人の集合体でしかないので、どういうことを大事にするかという価値観はあれど、いろんな人が入ってきて、いろいろ擦り合わせはありました。

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瀧口:製造業に特化したベンチャーは原さんが今まで取材されてきた中でありましたか?

原:タイプは違うんですけど製造業って古い会社が多くて、そこでベンチャーをやろうとした時にハードウェアが絡むベンチャーってなかなか資金調達が難しかった時期が長かった気がするんですよね。例えばアメリカもソフトウェア産業で、お金がかからない、人件費とアイデアでいける軽いビジネスにお金が集まりがちだったんですけど、ハードウェアには集まらず。たぶん向こうでいうとKickstarterとか違う形で資金を集める流れに行ったと思うんですけど、日本は製造業が非常に強い国なので、ハードウェアのベンチャーはもっと出てきてほしいという感覚はすごく持っていましたね。

瀧口:この前セコイア・キャピタルの方にお話を聞いた時、セコイア・チャイナの方が「日本の今後の産業でどういう所のスタートアップに興味ありますか?」というお話をしたんですけど、「重厚長大な製造業のデジタルトランスフォーメーションというのが日本の中で今後一番伸びると思うので、BtoBのスタートアップが一番注目ですね」とおっしゃっていて。まさにキャディさんだなと思いました。

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加藤:結構、"日本である理由がある産業"というのはなかなかないなと思います。特にベンチャーでやる時にITだと当然英語の方が強いんです。ソフトウェアも英語みたいなものですし。マーケットプレイスでいったらアメリカも大きいですし、中国も大陸がつながっている東南アジアもありますし、東南アジアも一つの国というより全体のマーケットが形成されていきますし。

日本は陸の孤島で何が世界で勝てるんだと言ったら、外国人10人に日本の知っている会社を一人5社あげてくれと言ったら、50分の50が絶対ものづくりなんです。当然これから勝っていくものたくさんあると思うんですけど、今"ものづくり"がものすごく強くて。私が聞いた時は100%でした。パナソニックであり、トヨタであり、川崎重工であるのが彼らにとって日本のイメージであって。銀行でもなければ商社でもなければ通信でもない。ここはやはり我々がやっていく中でもブランドとしてすごくやりやすいですし、実際に強みもありますし。もっと生まれてくるべきだと思いますね。