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瀧口:最初は「働かせてください!」みたいな感じで行かれたんですか?

幸松:そうですね。何社か断られましたけど。

瀧口:びっくりしちゃいますよね(笑)。

原:無償でもダメだったりするんですね。

幸松:やっぱり「何でうちにわざわざ来るの?」みたいな感じでしたね。

瀧口:コンサルを辞めた青年がいきなり工場に来たら驚きますよね。

原:なんとなく私の町工場のイメージでは頑固な技術者が多いイメージなので、パートナーシップを組んでいくにしても入り口のハードルがすごく高いイメージがあるんですが、実際はどうでしたか?

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幸松:そういう会社さんもいらっしゃるんですけど、実はすごく志を持った40代~50代の2代目、3代目の若手社長も結構いらっしゃって。そういった方々って若い頃からインターネットに触れてますし、業界が今後変わっていくなということを感じていらっしゃるのでキャディの話をすると面白いねって言ってくださったりします。

原:変わっていくなというのはどちらかというと危機感みたいなものなんですか?

幸松:というのもあるんですけど、どちらかというと漠然とした不安もありながらキャディがやりたいことを説明すると、やっぱりメリットはあるんですよね。これまでの多重な下請け構造であるとか、正直無駄な見積もりに苦しんでいるという現状もある中、ITというのはそれを良くする術になるよね、ということはきちんとご理解いただけるので、希望を持っていただけることはありました。

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瀧口:キャディのシステムに反映される町工場のデータを採取するにあたって、データを託すというのは結構工場の方からしても大きいことなのかなと思いますが、そのあたりはいかがでしたか?

幸松:それは結構大変でしたね。特に会社を始めて最初の頃はかなり時間もかかっていて、取引を重ねる中でようやくということではありましたが、最近はキャディがどういうことをしているのかというのを理解していただいている会社さんが増えてきたので、すんなり受け入れてくれることも増えました。

瀧口:3ヶ月の修行と言いますか、現場に関わって現場の感覚を理解されたことはやはり大きいですよね。後々「やってよかったな」という実感はありましたか?

幸松:そうですね。もちろん相場が大体どのくらいかわかるという事業的なこともありますし、製造業って非常に情に厚い業界というか、人のつながりを重んじるところがあるんですよね。その時にキャディの私に限らずメンバー一人一人が「製造業のこんなところが好きだ」とか「こうしていきたい」ということを自分の言葉で伝えられるということが、どんな人に会うにも重要で。ある意味そこの入り口みたいな事例に私がなれたのはよかったなと思いますね。

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瀧口:今年の2月に町工場のパートナーの方と一緒に交流パーティーを開催されたと伺いましたが、こういったパーティーはよくやられるんですか?

幸松:なかなかないですね。

瀧口:なぜやろうと思ったのですか?

幸松:いくつか理由がありまして。一つは純粋に我々の感謝を伝えたいという気持ち、もう一つは我々も訪問して加工会社さんに思いを伝えているけど、製造業にとってあまりにも新しいビジネスだし、ある意味黒船的な存在でもあるし、「キャディってどんなことを考えているんだろう」ということは語っても語りつくせないというか、伝わりきれていないところも当時はあったと思うんです。

なので一同にイベントをやって、加藤も含めていろいろな社員に触れてもらいながら、本当にキャディが描きたい世界をちゃんと伝えた時に、キャディはこういった世界を目指しているんだと、ベンチャー的に産業をぶち壊すのではなくて、産業の良い所を生かしながらより良くしていくということをちゃんと伝えたかったので、こういった会を開催しました。

瀧口:なるほど。キャディ対一つ一つの町工場だけではなくて、横につながる町工場さん同士が会うことによってキャディいいよね、という空気も生まれて来そうですよね。