「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

日本の金属加工業界は多数の優秀な町工場が支えている。だが日々の受注に対する見積もり作業は繁雑で、発注側も複数の業者に図面を送るなどムダが多かった。これを劇的に効率化するプラットフォームを構築したのがキャディだ。3DのCADデータをアップロードすれば最適な工場の見積もりを7秒ではじき出す。創業者の加藤勇志郎CEOと技術責任者の小橋昭文CTOが起業を決意した経緯と熱意を語り尽くす。

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瀧口:さて、今日は蔵前にあるキャディ株式会社にお邪魔しています。原さん、今日もよろしくお願いいたします。

原:よろしくお願いいたします。

瀧口:そして今回のゲストはキャディのCEO加藤勇志郎さん、そして共同創業者でCTOの小橋昭文さんです。よろしくお願いします

加藤・小橋:よろしくお願いします。

瀧口:キャディは金属加工業界に革命をもたらそうとしているということなんですが、まずどんな会社か伺いたいと思います。その前に机の上にあるものが気になりますね。これは何でしょうか? 触っても大丈夫ですか?

加藤:大丈夫ですよ。何でもないんですけど金属加工品です。

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瀧口:これが金属加工品なんですね。オブジェかと思いました。

原:想像を超える重さですね。

加藤:意外と詰まってます。

瀧口:これは何に使うんですか?

加藤:これが何に使われるかはあれなんですけど(笑)。基本的にはいろんな装置や機械、電車の部品などいろんな製造業のモノづくりの中で使われている金属の部品をキャディでは扱っています。

瀧口:何でも作るんですか?

加藤:基本的には大きく二つやっていまして、「板金」と言われる板から作るものと、「切削」と言われる削っていくもの。これは丸いものを削っているんですけど、そういうものをやっています。

瀧口:キャディはそれを作っている会社なんですか?

加藤:私たちは仲介する受発注プラットフォームになります。お客様は大きな所で言うと自動車メーカーや家電メーカーなどのメーカーさんになるんですが、設計図の図面のデータをうちのシステムにアップロードするとリアルタイムで原価を計算して、いくらで作れるのか瞬時で見積もりを出してそのまま発注ができる仕組みです。

一方の裏側がより特徴的で特許も取っているんですけど、全国の町工場数百社がネットワークとしてうちのシステムに登録していただいて、それぞれがある製品を作るといくらでできるのかというのを全て解析して最適な工場を見つけて、そこに対して自動で発注していくようなシステムです。

瀧口:見積もりが出るまでどれくらい時間がかかるんですか?

加藤:世の中の一般では数日から1~2週間なんですけど、うちでは3DCADデータがあれば7秒でできます。

瀧口:7秒ですか!

原:7秒間で何をやっているんですか?

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加藤:7秒でシステムが頑張って働いているんですけど、例えばこの金属加工品がどうやって作られるかというのを解析しています。各町工場によって持っている機械も違えばスキルも違うし、人件費も材料費も全然違うのでそれを計算して、この会社は80円、この会社は95円で作りますというのを全部出します。もちろん品質も見ますが価格的に最適なものを見つけるという作業をを7秒でしています。

瀧口:その7秒のシステムを作っていらっしゃるのが、CTOの小橋さんということですね。

原:むちゃくちゃ頭良さそうですね。

全員:(笑)。

瀧口:本当ですね。オーラが。

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小橋:作業服着てるだけですけどね。

瀧口:CTOとして7秒を実現するためにどういう仕組みを作りだしたんですか?

小橋:この一つ一つの部品をどうやって作っているのかというのが最終的に金額につながってくるんですけど、それをどうやって作るかというシミュレーションをするんです。簡単に言うと人件費や工場の機械、いろんな所でお金がかかりますが、そういうのがどれくらいかかるのかというのを計算するために部品の形状を分析するんです。

この一つ一つの物体を作るのにどういう機械を使って誰がどういう風に手を動かせばできるんだろうとシミュレーションしています。そしてシミュレーションした結果、金額が出てきます。その解析、アルゴリズムというものをメインに創業時から開発を続けています。

原:いわゆる解析して出てきた金額というのは、やはり最初はハズレがあったりもするわけですよね。それがどんどん精度が上がって今に至るということでしょうか。

小橋:そうですね。そういう前提とか金属の価格とか。金属って1キロ何円で買って来るんですけど、その値動きがあったり業界としていろんな変動要素があるので、そういうのをちゃんと取り込むことによって精度が上がってきたということはあります。

瀧口:どの工場が一番加工が得意なのか、ということも全部データとして読み込んでいるということですか。

小橋:まさにその通りです。

瀧口:マッチングを自動でやってくれるという仕組みでもあるんですね。