「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

IoTや人工知能(AI)を使って保育士の負担を軽減する「スマート保育園」の実現を目指すユニファ。2019年9月には、官民ファンドのINCJなどを引受先とする第三者割当増資で約35億円を調達したと発表。調達資金の一部を使い、リクルートマーケティングパートナーズが16年に創業した保育園向けITサービス「キッズリー」を凸版印刷グループのフレーベル館から買収、「スマート保育園」を軸とした新たなプラットフォームの整備を急ぐ。ユニファが解決を目指す「社会課題」とは? ユニファ代表取締役CEOの土岐泰之氏に聞く。

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瀧口:さて、本日の日経STARTUP Xにご一緒していただくのは、初登場の神先孝裕さんです。神先さん、よろしくお願いします。

神先:よろしくお願いします。

瀧口:神先さんは株式会社Kepple(ケップル)の代表を務めていらっしゃるということで、スタートアップ関連の情報サービスを手がける会社と伺ったんですが、実際どんなことをされているんですか?

神先:私たち株式会社Keppleはスタートアップを支援するグループとして日本で活動しておりまして、スタートアップのバックオフィスの支援からベンチャーキャピタルさんや事業会社さんを初めとする投資家さん向けのポートフォリオの管理ツール、それから現在はアフリカでもスタートアップに投資するような活動をしております。

瀧口:アフリカまで幅広くやっていらっしゃるんですね。今日はよろしくお願いします。そして今回のゲストをご紹介します。ユニファ株式会社の代表取締役、土岐泰之さんです。よろしくお願いします。

土岐:よろしくお願いします。

瀧口:土岐さんのユニファという会社は、神先さんご存じでしたか?

神先:もちろんです。ユニファさんは先日35億円の資金調達をしましたけど、スタートアップ業界では非常に有名な会社です。

瀧口:では土岐さんに根掘り葉掘りお話伺っていきたいと思います。まずテーブルの上にいろいろ並んでいますが、こちらはどんなものか一つ一つ伺っていきたいと思います。まずこちらのデバイスは何でしょうか。細長いペンのようですが。

土岐:こちらは保育園や家庭で使っていただける体温計なんです。

瀧口:体温計ですか。体温計の割には大きく見えますね。

土岐:保育園で体温を測る場合、大抵わきの下で測るんですが、数十秒から1分かかって、その間に子供は暴れてしまうんです。もっとスマートにしていこうということで、こちらのスマート体温計を使っています。ぜひ実際に使っていただければと思います。

瀧口:どのあたりがスマートなのか気になりますね。

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土岐:このボタンを押していただいて、これを近づけます。ちょっとおでこよろしいですか? 体温計を近づけていくとおでこから3cmくらいの距離で接触せずに体温を測ることができます。「36.8℃」と出ていますね。

瀧口:少し体温高いですね。

土岐:3秒で測ることができます。

瀧口:早いですね。

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土岐:このデータはBluetoothでデータが飛んでいきまして、グラフにしたり先生がメモを取ったりすることができます。保育園の現場で子供たちがずらっと並んで数十秒で測って、測った体温を手書きで書いて、と今まで一人あたり1分かかっていたのが3秒で済みます。

瀧口:保育園にいる子供たちというのは、1日にどれくらい測るものなんですか?

土岐:大体1日2回くらい測りますね。朝来た時とお昼寝から起きた後です。

瀧口:では1日2回の保育士さんたちの負担がだいぶ軽減されるんですね。そしてまた気になるのが、先ほどから時計のようなものを胸元に付けていらっしゃいますが、こちらは何でしょうか。

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土岐:これ実はカメラなんです。保育園って子供の成長の記録という形で写真を撮るケースが昔から多くあって。昔はデジタルカメラで写真を撮っていたんですが、写真を撮ると先生の手がふさがってしまいますし、デジカメをむけるとどうしても子供がピースしちゃうんですよね。でもこうして先生のエプロンに付けていただくと、自動でどんどん撮ることができます。実際に撮った写真はこういった形でタブレットにデータが飛んでいきます。先ほど撮らせていただいた写真もこちらに飛んできていますね。

瀧口:そうなんですか。さっきの打ち合わせの写真が撮られていますね。

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土岐:これは管理画面なので粗い画質なんですが、実際は800万画素で撮れます。パソコンの管理画面で見ることができます。我々のAI技術で、子供が写っていなかったり、ブレブレの写真は自動ではじいていきます。いろんな写真が撮れてしまうので、先生が全てチェックするのではなく、AIの力でいい写真と思われるものを選んで、保護者に提供するという流れでやっています。

瀧口:それは撮る瞬間に判断するのではなくて、撮った写真の中からAIが選別すると。

土岐:そうです。

神先:子供たちが遊んでいる自然な姿を撮れるんですね。

土岐:先生も一緒に遊んでいたりすると手がふさがっていますし、本当に大切な瞬間は遊んでいる瞬間に起きたりしますし、これで誰の手間を介することなく子供のみずみずしい成長の姿を残していければ保育士にとってもご家族にとっても、お父さんやお母さん、おばあちゃんも「こんなことして遊んでいるんだな」「この子と仲良いんだ」という新しい気付きのきっかけを与えられるかなと思っています。