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瀧口:御社の強みはAIによる制御技術で、どうチューニングしていくかというところに強みがあるということでしょうか。

沢登:そうですね。我々はロボットアームをどううまく動かすか、そしてセンサーの情報を取り込んでロボットを賢く動かすというところが強みです。

瀧口:スッという優しい動きがね。

原:ああいうのは完全にソフトウェアで制御をしているんですね。

沢登:そうですね。

瀧口:人が隣にいても安心感のある動きでしたよね。

原:よく産業用ロボットの見学とかに行くと、ここからは危ないから入れないというところがあるじゃないですか。遠くから見る存在だったものがあそこまで近くで一緒に働いているというのはなかなかなかったですよね。

沢登:私たちもロボットの見た目以上に、動きによって人に安心感を与えるということを非常に気にかけているところです。

瀧口:例えばイトーヨーカドーさんもそうですけど、導入された企業にロボット本体そのものを売るということなんでしょうか。それともレンタルなのか、どういったビジネスモデルになっているんでしょうか。

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沢登:そこは非常に工夫が必要なところで、今までのロボットのビジネスモデルというのは基本的にロボットの付いたシステムを「はい、どうぞ」と納めるんですけど、これにはいくつか問題があります。そもそもロボットのシステムというのは高くなりがちで、1千万円をはるかに超えて2千万円とかになってしまうんですよね。でもそれでは普及しない。

それと売り切りで売ってしまうと、せっかくロボットアームはいろいろなことができるはずなのに、ある一つの機能が付いただけで終わってしまう。これは非常にもったいないことなんです。ロボットアームをフルに活用して、その汎用性によっていろんなことをできるようにしたいというのは我々の願いでもあり、ユーザーからの要望でもあるんです。

なので当社としてはそれに応えるためになるべくお客さんが買いやすく、なおかつ我々としてもビジネスとして成り立つモデル、そしてロボットがしっかりと使いこなされる、つまりロボットアームの汎用性をフル活用できるビジネスモデルを考えた時に、RaaS(ラース)と言われるモデルを考えました。これは売り切りではないです。基本的にはレンタルで安く導入してもらって、お金を払い続けてもらうことで我々としてもロボットを賢くする、違う機能を付けるというアップデートをしていくものになっています。

瀧口:RaasというのはMaaS(マーズ)とかSaaS(サーズ)とかありますけど、それのロボット版で"RaaS"ということですか?

沢登:そうですね。Robot as a Service。サービスとしてロボットを使ってもらう。お客さんに使っていただくロボットは製品というよりもサービスなんです。つまり1台機械を買うこととは違って、ロボットがどんどんいろんなサービスをしてくれることを期待してもらった上で、レンタルさせていただいているということです。

瀧口:これはサブスクリプション型のモデルと言っていいんですかね。

原:今、自動車から何から様々な業界でサブスクリプション型モデルって広まっていますよね。ロボットもということですね。

沢登:ロボットはやはりいろいろな可能性があるので、サブスクリプションモデルに非常に向いていると思うんですよね。なので、ある機能に満足しなくても別の機能が提供できるということがあるんです。それは例えるならば定額で本やビデオを見放題なのと一緒で、我々としても定額のような価格で「たこ焼きにしますか、焼き鳥にしますか、寿司やラーメンにしますか」と選べるような世界にしていきたいと思っています。

瀧口:ソフトウェアのアップデートが価値となっているので、サブスクリプション型の価値が出てくるということですかね。

沢登:まだまだ「○○ as a Service」って特にロボットのようなハードウェアが関わるようなところは難しいんですけど、我々はそこをソフトウェアと一体化することでロボットの能力を上げていって、お客様は気軽にロボットを購入していただけたらと思っています。

瀧口:ソフトの更新がどれくらいロボットの動きを進化させるかというVTRがあるので、見てみましょう。

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瀧口:これも良い動きをしているんじゃないかと思うんですけど、


原:左側は以前のものですか。

沢登:1年前ですね。右の新機種は動きの速さ、精度、一気に調理できる数が最大限96個になったのに加えて、半分、4分の1、8分の1の個数を調理するという生産量の調整ができるようになっています。

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原:なんとなく右の方が繊細な動きをしているような気がしますね。

沢登:動きのパターンが多くなってきて、確実にたこ焼きを転がして焼くということができるようになっています。

瀧口:無駄な動きがなくなっています。

原:あれくらい変わるんですね。変わっているのはソフトウェアだけですか?

沢登:そうです。ソフトウェアしか変わっていないです。

瀧口:それであんなに変わるんですね。

原:すごいですね。1年でそれだけ変わるってことですね。

沢登:今後はさらに加速度的にロボットの成長を実感していただけるようにしたいと思っています。

瀧口:今はどれくらいの頻度でソフトウェアのアップデートをしているんですか?

沢登:基本的には1ヶ月に1回ですね。

瀧口:それよりもさらに頻度を高くしようということなんですか?

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沢登:頻度的には変わらないんですけど、そこに目に見える機能のアップデートというのが重要だと思っています。やはり飲食店に来るお客様って、季節ごとなど来るたびに新しい発見というものを好むんですね。なので、そういった要求に応えられるようにロボットも進化させて、今までできなかったあんなことができているとか、こんな動きするようになったんだとか、いきなりしゃべりだしたとか、いろんな要素を加えることで最終的には食べに来るお客さまを飽きさせない工夫が必要だと思っています。

瀧口:あとやはりサブスクリプションモデルだと長く使ってもらわないといけないということもありますからね、そのためにもアップデートは大事と。

沢登:売り切りにしないことによって、お客さまと一緒にリスクを共有しているというところもあります。もちろんリスクを共有するだけじゃなくて、チャンスを共有していると思っています。また、一緒にこのロボットを飲食業に広めていくんだというパートナーとして捉えていただいて、先ほど映していただいたセブン&アイさんともパートナーと思って一緒に開発していこうと。たこ焼きやソフトクリームに限らずいろいろなところでロボットを入れようと、今後進めていこうと考えているところです。