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瀧口:先ほどはたこ焼きロボットを見させていただきましたけど、同じ所でソフトクリームを作るロボットもいらっしゃるということなので、こちらもVTR見てみましょう。

瀧口:かわいいですね。これは犬ですか?

沢登:そうです。このワンちゃんにソフトクリームのコーンやカップを渡すと作ってくれます。

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瀧口:綺麗に巻いていますね。

沢登:これも結構トレーニングが必要で、いきなりやってもこんなに綺麗にできるものではないんですね。

瀧口:美しい。しかもしゃべっていましたね。

原:むちゃくちゃかわいいですね。

瀧口:「また来てね」って言っていましたね。

沢登:「また来てね」とか「始めるよ」とか「オッケー」って言ってくれます。

瀧口:名前はあるんですか?

沢登:名前はレイタくんっていいます。

瀧口:なんでレイタくんなんですか?

沢登:もう1台ありまして、そのロボットが女の子でレイカちゃんだったんです。今回男の子の犬になったのでレイタくんかなって(笑)。

瀧口:小さい子はああいうの喜びますよね。

沢登:そうですね。個人的に私は娘と息子がいるんですけど、すごく大好きで。ソフトクリームを買いに来て喜んでいました。

瀧口:なぜ普通のロボットのような形ではなくて、あのかわいらしい雰囲気にしたんですか?

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沢登:一つ私がソフトクリームをやろうとして思ったのは、ソフトクリームの場合は単純に労働力のサポートというだけではなくて、それも経費の削減にはなると思うんですけど、売り上げアップの方を考えたいなと。もっと言うと、来てくれる人が楽しんでくれるものを作りたいなと思いました。なので単にロボットがソフトクリームを巻いてくれるだけではなくて、見て楽しいというところにこだわった結果、ああいうワンちゃんのロボットになりました。

原:見て楽しいというところにこだわりをお持ちなんですね。

瀧口:エンターテインメントとしての食という観点ですね。

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沢登:そうですね。我々としても飲食とロボットというのはロジックとアートで成り立っている部分もあると思っていて。この二つをしっかり組み合わせた結果として素晴らしいビジネス・製品・サービスができると思っていますので、単純にロジックで動くというだけではなくて、アート、見て楽しいとか表現できないおいしさ、人の感覚というところを大切にしています。

瀧口:沢登さんが今の会社を作られたきっかけは何だったんですか?

沢登:私はもともとロボットが好きで、大学でもロボコンをやっていたんです。

瀧口:東京大学の工学部出身でいらっしゃったんですね。

沢登:ロボコンで優勝も経験しましたし、ロボットが大好きで。起業も大学院の時にしようと思ったんですね。そう思いつつも大学院を卒業して始めたのが飲食業の世界だったんです。

瀧口:それは何でですか? 全然イメージが違いますが。

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沢登:私の祖父母の家が飲食店で、私自身もそこに預けられて毎日過ごしていたんです。私はロボットを作り、祖父母は飲食店で食べ物を作る、という感じで、私としてはロボットと飲食業って切っても切り離せないくらい、自分の人生で大切なものだったんです。なので、大学院卒業してすぐに飲食店にチャレンジしたというのが一つ大きなきっかけとしてあります。

原:祖父母のおうちで小さい時からロボットを作っていたということですか?

沢登:そうです。かなり小さい頃から車やロボットのおもちゃも好きだったんですけど、プラモデルなどでロボットを作るのが好きでした。

瀧口:原さんももしかして?

原:私も好きでしたね。ガンプラとか。

瀧口:飲食店には実際勤務されてみてどうでしたか?

沢登:やはり長時間労働、重労働、肉体労働というところが大きくて。ロジックとアートで言うと、アートが求められる分野だったんですね。そこで働いてみて楽しさもあったんですけど、やはり私としてはなかなかこの肉体労働というのが辛かったんです。なのでそこで経験し楽しさをつかんだ一方で、非常に大きな苦痛や無駄に思えることがあるなと感じたんです。その後ロボットの会社に入って起業して、このようなロボットと飲食業を合わせた事業を始めるきっかけになりました。

瀧口:飲食店に勤められた時に楽しさもあったということですが、どういう楽しさでしたか?

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沢登:一番はおいしいものを出せている時、あるいはおいしいものかどうかに関わらず、来てくれているお客さんが楽しんでいるのを見ることが非常に大きな喜びでしたね。

瀧口:楽しいことに集中できるような環境にしたいということですか。

沢登:おっしゃる通りです。やはり来てくださっているお客様が楽しんでいる一方で、働いている人が苦労してギリギリの生活をしているのでは、なかなか飲食店って長続きしないと思うんですね。そこを皆さんにとって楽しいものにしようと思ったらやはりテクノロジー、イノベーションが必要だと強く感じました。

瀧口:2014年に起業されたんですよね。この頃の時期は最初の資金調達の部分ではどうでしたか? 飲食とロボットという部分で資金調達する際は周りからどう受け止められましたか?

沢登:実は起業した頃はまだ飲食業にロボットを持ち込めると思えていなかったんです。ロボットの技術はまだまだ未熟だと思っていまして、技術開発だけをしていました。資金調達もあまりすることなくやっていたんですね。実際に飲食業、特にたこ焼きから始めてロボットで飲食業に革新を起こそうと思ったのは2017年の4月で。その時に資金調達の難易度というのは以前に比べると圧倒的に低くなったと感じました。

瀧口:その頃から市場環境が良くなってきたんでしょうか。

原:そうですね。いわゆるお金余りと言うか、スタートアップの業界の方にお金が流れやすくなりましたよね。

沢登:それと同時に飲食業っていうのが切羽詰まってきたなというのを感じまして。私も具体的な根拠を持って始めたのではないんですけど、今思うと非常にタイミング的に良かったなと思いますね。

瀧口:なるほど。人手不足という課題と、市場環境が整ったという条件が揃った時期でしたね。

沢登:私もしばらく飲食業から離れていたんですけど、人手不足と労働観の変遷というか、働く人たちが飲食業を含めて肉体労働とか長時間労働を避けるという明確な傾向、そして経営者側にも危機感が出てきていたみたいなんですね。だから私が飲食業をロボットで変えたいですと言った時に非常に注目していただいて、最初から大手の飲食店の会社からラブコールをいただきました。

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