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瀧口:オフィスの立地も考えて決められたと伺いましたが。

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田村:(東京・文京区の)本郷三丁目駅から徒歩1分で、東大のすぐそばにしました。不動産屋さんにもここじゃないとダメですというのを伝えて。今事業としては研究者の技術価値が高いビジネスをしているので、彼らがここなら帰り道に寄っていくかと思ってくれるぐらいの所にこだわってオフィスも移転しました。

瀧口:かなり合理的ですね。

田村:そうですね。研究者をいかに大切にするかということが僕の会社では大事で。一つ裏ミッションじゃないですけど、研究室の人達の能力にいかにレバレッジをかけて社会に価値を還元させるかということが僕たちの会社のやり方なので、そこはいろいろ意識をしています。

瀧口:レバレッジをかけるというのは、良いビジネスモデルを作るということでしょうか。

田村:それもありますね。スタートアップをやっている大きな理由の一つとして、ゼロから定義できるということがあると思うんです。その分大変なことばかりではありますが、大企業と違ってゼロから全部定義できる。大企業でいきなり「リモートOK」と言っても無理だけど、今僕が「リモートOK」と言えばできるじゃないですか。

ゼロからやっていけるということがあるからこそ、レバレッジの効くビジネスモデルを考えることができる。給料が上がらないというのも、企業のやり方というよりも産業構造の問題だと思っていて。結局Googleだったら0.01%の精度を上げられる優秀な研究者によって、100億円くらいの価値が生まれるわけですよね。でも日本は人と人の属人的なビジネスをしているので、優秀な人が稼げても月に500万~600万円くらいなんです。

そんな給料あげられるわけないし、むやみにあげて来てもらったところでそんなに意味がない。そうしたらそこまで優秀じゃなくてもそこそこ優秀な人を2人雇った方が、売り上げが上がったりするんです。そもそも属人的なビジネスモデルが日本の課題なのかなと思います。

瀧口:キャリア論みたいな話になると思うんですけど、どういう人材がこれから強いと思いますか?

古田:うーん。

瀧口:もしくはこういう風に自分の能力やキャリアを積み上げていきたいということでも、お話を伺えれば。

古田:自分が楽しいと思ったことを伸ばすから、伸ばすこと自身が楽しくなるじゃないですか。基本的には自分が楽しいと思うことを見つけて、それを一番生かせる会社を選ぶか、自分で起業するか。やりたいことベースで探すのが一番いいと思います。その方が三方良しみたいな感じでいいと思いますね。

瀧口:田村さんはどうでしょう。

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田村:結構難しいところではあるんですけど、個人として何ができるのか、何が積みあがっているのかというところを意識して動ける人材というのが今後価値として高くなるだろうと思います。そのうえで好きな物を突き詰めてこれは誰にも負けないというやり方もありますし、僕みたいに技術と何かの領域を掛け合わせて、この掛け算の領域できる人ほとんどいないよね、とか。個人の何が積みあがっていくのかというところが重要だと思いますね。

村山:最近大企業でも取材していて聞くのは、今副業が流行っているじゃないですか。大企業に勤めている人が結構副業をしたがっていて。どんな副業がしたいのということで少なからずあるのは、スタートアップで働きたいと。それは大企業で自分がスペシャリストとして築いてきた分野があるけど、そうじゃない世界にも挑戦してみたいといった時に、そもそも挑戦しているスタートアップの人や起業家と触れ合うことで、自分を磨いたり新しい自分を引き出したいという、スタートアップで働きたいという大企業の人材って結構いるらしいんです。

瀧口:私の友人でも多いです。

村山:そういうことが日本でも起こってきたんだなとポジティブに受け止めたらいいと思うんですけどね。

瀧口:個人レベルでオープンイノベーションが始まっていると。

村山:そういう意味でもスタートアップという成長エンジンが増えてきたとはいえ、まだまだ日本で絶対数という意味ではもっと増えないといけないと思いますから、お二人みたいな人に刺激を受けて、僕も私もと広がっていくことが大事だと思いますね。

瀧口:まさに皆さんを刺激する存在のお二人だと思いますので、これからのご活躍楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

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