アメリカを代表する味の1つが赤くて大きなロブスター。しかし、そのロブスターの漁場として知られる海では今、 異変が起きていました。
アメリカとカナダの国境をまたいで広がるメーン湾。その港町の一つ、アメリカ・メーン州ポートランドには、多くの観光客が訪れます。
目的のひとつがロブスター。メーン州ではロブスターの水揚げ量が30年前と比べて、5倍以上に急増。ロブスター漁を体験できるツアーも人気です。
ツアーで向かった先は、3日前にロブスターのワナを仕掛けた場所。その中には、ロブスターの姿が! 海の恵みの豊かさを実感できるこのツアーですが、その一方で、ある不安も。
メーン湾の水温はこの30年、水温が毎年0.06度上昇し、世界平均の3倍の速さで、海の温暖化が進んでいるのです。
不安の根拠は、 メーン州から500キロ以上、南西に下った ロングアイランド湾にありました。その船着き場には、漁の最盛期にもかかわらず、ロブスターを捕るためのワナが3,000個も放置されていました。
実は、ロングアイランド湾では、1999年を境に、ロブスターが急激に減り、コネティカット州の水揚げ量は、ピークだった1998年のわずか3%にまで落ち込んでしまったのです。
ロブスターの生息に適した水温は、12~18度の間ですが、ロングアイランド湾では、水温20度以上の日数が1999年以降、急速に増えているのです。
この町で30年以上ロブスター漁を続けているタイラーさん。5日前に仕掛けたワナを引き上げると、その中には若いロブスターを食べてしまう、ブラックシーバスが・・・。水温上昇に伴いロングアイランド湾で急増しているのです。
この日捕れたロブスターは「約60キロ。そんなに多くないし、状態もよくない。もう昔のようには戻らないだろう」とタイラーさんは言います。
アメリカのロブスターに起きた異変は、気候変動への対策が進まないことへの警鐘なのかもしれません。
この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年8月22日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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