「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

「働き方」「就職」の意識が大きく変わる中、今や技術系の学生にとって大企業は数ある進路の1つに過ぎず、新卒後にスタートアップへと身を投じる人も珍しくなくなった。先端テクノロジーの研究に携わってきた東大卒の俊英はどんな職場を選んだのか。宇宙で活躍する作業ロボットの開発を手掛けるGITAIの古田悠貴氏はひょんなことからスタートアップに入社。その経緯や、スタートアップならではのメリットを聞いてみた。

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瀧口:今日のゲストをご紹介させていただきます。まずは宇宙作業ロボットを開発するGITAIの古田悠貴さんです。よろしくお願いします。

古田:よろしくお願いします。

瀧口:古田さんは東京大学を卒業された情報理工学博士ということですね。そしてもう一方、動画像解析AIを開発するACESの代表取締役、田村浩一郎さんです。よろしくお願いします。

田村:よろしくお願いします。

瀧口:田村さんは今も東大の博士課程に在学中ということで、二足のわらじですね。

田村:そうですね。二足のわらじで深夜に研究しています。

瀧口:今回のテーマですが、日経産業新聞が『ITの秀才 引きつける新興』ということで古田さん、田村さんを取材しました。なぜスタートアップに飛び込んだのか、さらに深くお話を伺いたいと思います。

そして今回のSTARTUP Xですが、今までご一緒していた奥平編集委員がアメリカ・シリコンバレーの支局長となり渡米されたため、前回をもって卒業されました。今回から村山さんに加わっていただきます。日経新聞コメンテーターの村山恵一さんです。よろしくお願いします。

村山:よろしくお願いします。

瀧口:村山さんもシリコンバレーにいらっしゃった時期があるんですか?

村山:はい。2005年から2009年まで4年間行っていました。

瀧口:村山さんの専門はどういった分野でしょうか。

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村山:入社してから会社に27年いるんですが、基本的にはずっと記者をしています。振り返ってみると産業構造の変化を反映していると思いまして、入社した頃は大手町や丸の内の伝統的な大企業を取材していて、そういう所が世界の先端を引っ張っているようなケースもありましたし、技術的にも面白いものがどんどん生まれてきました。

ですがここ3~5年くらいで見ると、今日のテーマでもありますけどスタートアップやベンチャー、あとは若い起業家の人達、こういう方々の話を聞く方がより世界が見える気もしますし、産業の変化の最前線が伺える。本当に新しい会社というのが世界でどんどん起こっていますし、日本でもそういうムーブメントを盛り上げていかないといけないと思っています。

瀧口:イノベーションの源泉はスタートアップだと。

村山:だと思います。そういうことに刺激を受けて大企業が変わるということも日本の場合大事だと思いますね。

瀧口:なるほど。ではまず古田さんから伺いますが、東大で博士号を取得されて今年新卒でGITAIに入社されたんですね。

古田:はい。今年の4月から新卒でGITAIに入社しました。この歳で(笑)。

瀧口:今おいくつですか?

古田:28歳です。

瀧口:田村さんは26歳。

田村:そうです。

瀧口:ACESは2017年11月の起業ということで、在学中に起業されたということですね。ではなぜお二人がスタートアップの世界に飛び込んだか、お話を伺っていきたいと思いますが、まずはVTRを見てみましょう。

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瀧口:これはGITAIのオフィスですか?

古田:そうですね。ここで日々ロボットの実験をしています。

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瀧口:カメラがたくさんついていますね。これは何のロボットですか?

古田:これは宇宙空間で宇宙飛行士の作業を代行するためのロボットです。

瀧口:GITAIはそれがメインの事業ということですね。これは何をしているんでしょうか。

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古田:これはさっきのロボットを地上から操作するための操縦デバイスになります。

瀧口:リモコンと呼んでいいんでしょうか?

古田:コックピットと我々は呼んでいます。

瀧口:連動して動いているということですね。

古田:そうです。遠隔で操縦できる仕組みです。

村山:これはプロトタイプですよね。スケジュール的にはどんなイメージなんですか?

古田:一応目標としては、来年末くらいまでにこのプロトタイプで宇宙に上げられるものをどんどん上げて実証実験をしていき、確認が取れたものを旗印にビジネスを展開していこうと考えています。

瀧口:すでに宇宙に上げているものはありますか?

古田:まだないです。

瀧口:では今研究開発中の段階ということですね。

古田:はい。今はロボットができることを増やして、どんどん能力を拡張する時期です。人並みに働けるような能力を身に着けていき、いざ宇宙に行った時に宇宙飛行士の人たちが彼らの仕事に集中できるように、その他のことを全て引き受けることができるよう今頑張っています。