日本全国で多くのパンが作られていますが、その約9割が輸入小麦を使用しています。そんな中、北海道十勝産小麦を使ったパンが地元の帯広市で大人気。しかしそこに至るまでには多くの困難がありました。
2009年、帯広市にオープンした人気のベーカリー「麦音(むぎおと)」。この店最大の特徴が、十勝産100%の小麦を使っていることです。
さらに、小麦だけでなくイースト菌や天然酵母、あんパン用のあんこを作るためのあずきや砂糖など、とことん十勝産にこだわって作っています。
4代目の杉山雅則社長は「十勝を豊かにするためには、地産地消がひとつのやり方」だと言います。
「麦音」を運営している満寿屋商店は、帯広市を中心に6店舗を展開していましたが、2016年には東京にも出店し、2018年には過去最高の売り上げを記録しました。
現社長の父で2代目の健治さんは、地元十勝を盛り上げるため地元産の食材にこだわっていましたが、どうしても納得できないことが...。
それは目の前に広がる小麦畑の小麦が使えないということ。当時、国内ではパン用の小麦はほとんど生産されていなかったのです。
十勝産小麦でパンを作りたいという思いが強くなっていく中、北海道の農業試験場がパン用の小麦「ハルユタカ」を開発しました。
「ハルユタカ」を使ったパン作りを試行錯誤すること2年。1990年に十勝産小麦を使ったパンの商品化に成功しました。
しかし、その2年後の1992年、健治さんはガンに侵され志半ばで亡くなってしまったのです。
大学生だった雅則さんは、跡を継ぐことを決め、修行のためアメリカに。
帰国後、十勝に戻った雅則さんが突きつけられたのは、満寿屋商店でさえ「ハルユタカ」の使用量は10%に満たないという現実。
生産量が全然足りなかったのです。
パン用の小麦を生産してもらおうと、「ハルユタカ」で作ったパンを農家に届けて回る雅則さん。するとパン用の小麦を作る農家が増えていきました。
そして2012年、ついに満寿屋商店は全商品で十勝産小麦100%を達成したのです。
この映像と記事はテレビ東京「カンブリア宮殿」(2019年8月15日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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