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奥平:具体的なチャンネルとしてはどういう経路でリスナーに届くんですか?

安藤:今音声プラットフォームってかなり世の中に存在しているので、基本的には既存のプラットフォームに乗せて発信しています。具体的にいうとSoundCloud、YouTube、Spotify、Apple Podcastなどです。

奥平:企業がブランディングに使うという狙いですか?

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安藤:そうです。僕らは「若者」というのをキーワードにやらせていただいていまして、若者に対してはブランディング。若者とのコミュニケーションを難しがっている企業さんがすごく増えていて。昔みたいにみんなが同じドラマを見ているわけではないので、それぞれ好きなものが違った時に一つのコミュニケーションの仕方だと誰が何を考えているのか、なかなか企業さんが把握できていないという現状があるんです。

その時に今流した音のように、音楽に変換するということをやっています。アーティストさんとコラボすることによって新しい音楽が生まれると考えて、取り組んでいます。音楽を通すことによってアーティストのファン、若者と新しいコミュニケーションができるんじゃないかと。そういったプロモーション、ブランディングをしています。

瀧口:それはどうやって収益を出しているんですか?

安藤:リスナーに対しては無料で視聴できるようになっていますが、企業さんがブランディングの一環として使用する場合には僕らに関わる費用をいただいています。

奥平:いわゆる広告宣伝費としてですね。そもそもどういう経緯でこういう事業を立ち上げようと思われたんですか?

安藤:僕自身の話になるんですが、「音のブランディングって誰もやっていないな」とブランディングの活動を通していく中で感じていて。少し音のブランディングというところにチャレンジしたいと思ったことと、スマートスピーカーというのがこれから普及していくだろうと感じる中で、これから音のブランディングというのは企業から確実に求められていくんじゃないかと感じたので、先にSOUNDS GOODでチャレンジさせていただきました。

瀧口:それは音を使った企業のブランディングをするということですか? それとも音自体にブランドを付けるということなんですか?

安藤:僕らは今両方あると思っていて、音自体がブランドとして機能していくようにもしていますし、音を使ったいろんなブランディングがあるかなと思っています。僕らがバーナーの音をなぜ録るのかというと、各企業さんが音の資産を持っていて、その資産をどう活用するかというところまで僕らが踏み込めればと思っています。その一つとして音楽アーティストとのコラボというところがメインになってくるかと思います。

奥平:ハーレーの大型バイクのエンジン音みたいなものはある意味、音の資産という使われ方をしていますけど、それがもっといろんな業種にひろがっていくイメージでしょうか。

安藤:そうです。

瀧口:音を楽しむって面白いですね。

奥平:ここまで伺ってきてよく分からないのが、化粧品と音が出てきたけど一体この会社は何なのかと(笑)。どうしてこういうものが二つ並んでいるのかなと。

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高松:まさに生活者が求めているものを作る時に、我々には「この領域」という区切りがないので、世の中が求めているものをビジネスパートナーの方と一緒に作っていきます。そういうのを積み重ねていくと、傍から見て「一体この会社は何屋さんですか?」というのが現状ですね。

瀧口:そもそもこのQUANTUMという会社はどうやって誕生したんですか?

高松:少し偉そうに言うと広告会社の未来を作る、あるいは未来の広告ビジネスを作るという挑戦がQUANTUMでした。

奥平:高松さんはもともと博報堂のご出身でいらっしゃいますよね。

高松:はい。わたしは1989年に博報堂に入社したのでかれこれ30年ですね。QUANTUMを創業したのは2016年なので、25年近く広告ビジネスに関わっています。

奥平:基本的には広告畑の方なんですね。

高松:そうですね。

瀧口:その時に何か芽生えた問題意識みたいなものがあったんですか?

高松:はい。私が入った時期、まさにジュリアナは1994年でしたけど、広告ビジネスというのは少しチャラい言い方をするとイケイケな業界で。非常に楽しく仕事をさせていただいて。

奥平:バブル期絶頂ですよね。

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高松:世の中的にはバブル後だったんですけど、広告ビジネスの特徴でいろんな業界のお客様と仕事をしている関係で、あまり大きく景気が悪くなることもなかったんです。広告事業は順調に育ってきたなというのが私の認識なんですが、この先広告ビジネスはもちろん続くと思うんですけど、大きく変化をしていくだろうと。

(早稲田大学大学院の)入山章栄先生がおっしゃっている『両利きの経営』の中の「知の深化」、これは既存の広告ビジネスに関わっている我々の仲間がどんどん進めていくと思うんですけど、新しい領域を探すという「知の探索」にぜひ挑戦したいということで始めたのがきっかけです。

瀧口:ではその「知の探索」とは何なのか。後編で詳しく伺いたいと思います。ありがとうございました。

(C)Paravi