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瀧口:実際このテーブルの上に置かれているものがその商品になるんでしょうか。

高松:そうです。こちらは京友禅の老舗の会社さんと一緒に開発して売り出している、QINUDE(キヌード)という化粧品ブランドになります。

瀧口:京友禅の会社と一緒にお化粧品を作っていらっしゃるんですか?

高松:我々が一緒にやっている京友禅の会社さんは純国産の着物作りにこだわっていらっしゃるんですね。ところがどんどん着物の流通量が減っている。それに合わせて養蚕農家さんも減っている。この状況が続いていくと日本から純国産の着物が消えてしまう。そういう事態が起こりかねないという現状なんです。

奥平:これはいつ発売のものですか?

高松:今年です。少し前置きが長くなりましたが、実は養蚕農家の方が作る生糸の内、着物に使えるのは約半分で、残りの半分は着物にするには長さが足りなかったり、節があって染めた時に色が濃く出てしまったりと着物に使えなかったりする。そうすると養蚕農家の方が頑張って作ったものの半分が行き場を失ってしまう。

瀧口:それは捨ててしまうんですか?

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高松:捨ててしまう場合もありますし、安価で別の商品になることもあります。そうなると作り手のモチベーションも上がらないですよね。もちろん将来的には経済的にも負担になるということで、このままいくと養蚕農家の方も日本から消えてしまう。それに伴って純国産の着物も消えてしまい、日本の貴重な着物の文化も、もしかしたらどんどん消えてしまうかもしれない。

では着物になっていない日本の養蚕農家の方が作った生糸を生かして、何か新しい商品を作れたら養蚕農家の方も頑張って養蚕業を続けようと思い、結果的に国産の生糸が増えて純国産の着物も守られ、日本の大切な着物文化も守られるのではないかということで考えたのが、このQINUDEという商品です。

瀧口:お化粧品にしようというのはどういう発想だったんですか?

高松:このQINUDEの主成分はもちろん絹なんですけど。

瀧口:「キヌード」ですもんね。

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高松:絹と素肌を表すヌードをかけあわせた商品名です。絹は人間の肌とほぼ同じ成分で作られていまして、人体に必要なアミノ酸は全部で20種類あると言われていますが、そのうちの18種類が含まれています。ですので、このQINUDEを使うと肌の再生が促す効果が期待できるのではないかと。

奥平:基本的にはこの会社はQUANTUMの子会社として設立するのですか?

高松:新規事業を立ち上げてある程度育ったところで別会社化したり、事業のパートナーさんがいらっしゃる場合はパートナーさんと一緒に共同事業会社化したりしています。

奥平:単独出資だったり共同出資だったりするわけですね。今そういう形で会社になっているのは何社くらいあるんですか?

高松:会社化しているのはまだ5社もないんですが、我々が関わって新たに世の中に出した製品、サービスとしては10個くらいです。

瀧口:そして安藤さん、お待たせいたしました。「SOUNDS GOOD」というサウンドレーベルの事業をされているんですね。パソコンをずっと持っていらっしゃいますけど、何が入っているんでしょうか。

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安藤:これにはいろんな企業の音が入っています。

瀧口:企業の音というのはどういうことでしょうか?

安藤:多分、口で説明するよりは先に聞いてもらった方がいいかと。その上で説明した方が分かりやすいと思います。

瀧口:ではお願いします。

安藤:分かりやすい音からかけますね。

(音声が流れる)

瀧口:わかった、印刷している音?

奥平:プリンターの音ですか?

安藤:かなり近いですね。3Dプリンターの音です。普通のプリンターだともっと平面的な音なんですけど、3Dプリンターらしい右往左往している音になります。

奥平:昔のカートリッジ式のワープロってこういう音していましたよね(笑)。

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安藤:ユカイ工学さんという会社にセラピーロボット・Qoobo(クーボ)というロボットがあるんですけど、これはそのしっぽのパーツの一部を出力する音として収録させていただきました。これ結構マニアックな音なんですけど、機械が好きな人とかロボットが好きな人には、聞くと「落ち着く」と言われていまして。こういう音が好きな人もいるんだなと思った音です。

瀧口:「しっぽができる音だな」と楽しむ感じですか?

安藤:そうですね。制作過程の音ということで一番分かりやすい音にしたんですけど、今のがユカイ工学さんの音でした。

瀧口:他にもあるんですね。

安藤:こちらは僕がほぼ毎日聞いている音です。だいぶ癖が強いんですけど、ちょっと当ててみてください。

瀧口:癖が強い音って何だろう(笑)。

(音が流れる)

奥平:何か機械っぽいですね。

安藤:今ジリジリっていうこの、あ、言っちゃった(笑)。

瀧口:何かを焼いている音ですか?

安藤:惜しいです。これは業務用のバーナーの音です。

瀧口:バーナー! 当たっていますよね?焼いている音。

安藤:近いですね。才能あります(笑)。今鳴らしているのがこれですね。

瀧口:東京ガスって書いてありますね。

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安藤:東京ガスさんといえばガスなので、バーナーというところで分かりやすい音にしましょうと僕らが選んで。今1種類流したんですけど、実際4種類あっていろんなバーナーの音があって。温度によって音も違います。

瀧口:知らなかった(笑)。

奥平:面白いんですけど、これがどう商売になっていくんでしょうか。

安藤:僕らが今考えているのって、こういうノイズを聞く人がすごい増えているんです。

瀧口:最近、咀嚼音を聞きたいという人がYouTubeでも増えていますよね。

安藤:ASMRと言われているんですけど、それっていわゆるノイズだろうなと捉えていて。そういった企業が持っている音というのをASMR化して、僕らは音声コンテンツとしてリスナーに届けるという事業をやっています。