20191011_business_30.jpg

奥平:その新たな柱を作るための人材の育成、というのが正しい言い方かわからないですけど、どうやって新しい人を取り込んで柱を増やしていくんでしょうか。

鈴木:先ほどお話したように普通に採用という形もありますけど、去年10月から新しくボーダレスアカデミーという社会起業家養成所を始めました。これはボーダレスグループに入ってほしいという魂胆は全くなくて、社会起業家としてチャレンジしやすい枠組みが広がれば、どんどん増えて良い社会を作れるよね、というエコシステムを作りたいという思いがあって。10月から始めました。

奥平:それはセミナーのような感じですか?

鈴木:その4カ月の期間の中で、自分のソーシャルビジネスプランを完成させるというものです。

奥平:それをサポートしながらやっていると。

瀧口:結構人は集まっていますか?

鈴木:今2期目ですけど、第1期目は東京と福岡で合計50人です。

奥平:結構集まっていますね。

鈴木:第2期目も50人の社会起業家の卵たちが集まっています。

奥平:ちなみに参加するのは有料なんですか?

鈴木:有料です。

奥平:それはいくらでしょうか。

鈴木:社会人ですと入学金合わせて25万円ですね。

奥平:25万円払って毎回50人が集まると。では機会があればやりたい人は相当いるってことですね。

鈴木:たくさんいると思います。

瀧口:お金を払っても学びたいということは真剣度合いが高いですよね。

鈴木:本当に真剣ですね。第1期の50人の中ですでに自分で事業を立ち上げたという人が4、5人いて。「もうじきやりますよ」と言う人も7、8人控えていました。そういう意味では14、5人いましたね。

奥平:その中で仲間に入られた人もいらっしゃるんですか?

鈴木:いますね。

奥平:では結果としては採用にもつながっていくと。

鈴木:そうですね。結果論ですけど。

20191011_business_32.jpg

奥平:今後のソーシャルビジネスの行く末についてお伺いしたいのですが、すごく意地の悪い言い方をしてしまうと、こういうものはブーム性があって毎回そのたびにキーワードを作ってなんとなく無くなって、また忘れた頃に次ができてという見方がありますよね。一方で、今お話を伺っていると毎回50人お金を払ってくるということは、やる方の意識が根本的に変わっているのかなと思いますが、今後についてはどう見通しを立てられますか?

20191011_business_33.jpg

鈴木:世界中でソーシャルビジネスという考え方というのはどんどん広がっていくと思うんです。それは経済という見えるものをずっとお金や物で追い続けてきて、物やサービスというものは基本的には満たされてきた中において、「でも実は苦しんでいる人ってたくさんいるよね」って気付き始めた。そうした時に「お金やルールよりも、人をちゃんと主軸に据えて、人と向き合って人のために働いていくことが本来の在り方じゃない?」ってみんな気付き始めていると思うんです。

そうした時に人と向き合ってその人が本当に幸せになるために何をするのか。それをビジネスとして何を実現するのか。そういうことを実際に真剣にやろうとする人って増えていると思いますし、それが増えた時にはソーシャルビジネスという言い方は無くなっているかもしれない。ビジネスでしょ、当たり前でしょ、というような言い方になっているかもしれない。

奥平:興味深いのが例えば流通を取ってみても、今日現在、寡占が進んでいって大型化していって、大手の力が増していくようなところがあるじゃないですか。そうしたところとソーシャルビジネスとの関係は今後どうなっていくんでしょうか。

20191011_business_35.jpg

20191011_business_36.jpg

鈴木:基本的には大きな企業さんは、大きな企業さんだからこそできる技術の蓄積などたくさんお持ちだと思うんです。一方僕らみたいなちびっこベンチャーは、ベンチャーだからこそ突っ込める領域がある。となると、共に良い社会を作るという考えを共通に持てるとすれば、お互い助け合えるところは助け合おうぜ、とお互いどんどん共創していくという関係性になっていくと思います。

奥平:協力関係。伊勢丹が売ってくれるというところから始まって、いろんな可能性はあると。

鈴木:そうですね。あると思いますね。

瀧口:高橋さんはいかがですか。ソーシャルビジネスがどのように広まっていってほしいと思いますか?

20191011_business_38.jpg

高橋:先ほど鈴木が言った大企業との連携以外のところで言うと、自分がやっていて感じるんですけど、行政やNPOのような、目的がお金儲けじゃなくてある課題を解決するという同じ目的を掲げている他の団体さんともどんどん関わっていけると思いますし、そうなった時に「これはソーシャルビジネス」と分けなくても、この課題に関してタッグを組んで一緒に進んでいく。そういうことも拡大していくんじゃないかと思います。

瀧口:輪がどんどん広がっていくと。

奥平:逆説的にはソーシャルビジネスという言葉が無くなることがゴールですよね。一般に溶け込むことがゴールですね。

鈴木:そうですね。

瀧口:今日は貴重なお話どうもありがとうございました。

(C)Paravi