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瀧口:コーティングされた紙のような印象ですけど。では失礼します。(破ろうとして)本当だ。これ紙と全然感触が違って、にょーんと伸びる印象です。

奥平:向きを変えたらどうですか?

瀧口:全然破れない。伸びますね。

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奥平:でも実はできるんじゃないですか。私もやってみていいですか? (破ろうとして)あれ、いかない。

瀧口:伸びますよね。

奥平:あ、切れた。今相当力入れました。

山﨑:切れ目が入るとそこから割けるんです。

瀧口:感触としてはプラスチックと紙の間という感じですね。ゴムっぽい感じもあります。のびる感じが触っていて気持ちがいいですね。

山﨑:耐久性や耐水性を活用していろんな製品を作っています。水の中に1日中入れていただいても問題ないです。

奥平:メニューなんてちょうどいいですね。

山﨑:そうなんです。そういった機能面と環境面を考慮して皆さんにお使いいただいています。

奥平:では加工も一切せずに。

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山﨑:そうです。紙で印刷すると通常プラスチックでラミネートすると思うんですけど、LIMEXはそれをしなくて済むんです。

瀧口:ラミネートのツルツルした感じというよりは、サラサラした感じですね。

山﨑:印刷適性を上げるためのコーティングはしているんですけど、ラミネートはしていないです。

奥平:吉野家に行くのに気づきませんでした。知らないうちに。

瀧口:いつの間にか身近な存在だったんですね。

奥平:ラミネートが必要ないというと、従来品からの置き換えと考えた時にコスト的にも有利になるイメージですか?

山﨑:今までお使いいただいていたものと価格を同じ、または安くしてお使いいただけるケースが出てきています。

奥平:代替素材ってコストが高くなる印象があってなかなか普及しないというのがこれまで定説でしたが、それを乗り越えつつあるわけですね。

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山﨑:エコノミーとエコロジーを両立させるというのがこのLIMEXの大きなコンセプトなんです。今は一つのパイロットプラントを保有してここで開発と生産をしているのでコストが上がるんですけど、今後生産を増やしたり海外での生産を開始することによって、圧倒的なエコノミーとエコロジーをいろんな製品で提供していくことができる。この石灰石自体がどこにでもあって、とにかく豊富で安い。それを主原料にしているのって大きな武器になっているんです。

奥平:最近プラスチックゴミの問題が国内外で大きく取り上げられていますけど、捨てる時はどう処理するんですか?

山﨑:自治体によってルールは変わりますが、今のところは一般廃棄で焼却していただくようお伝えしています。今後は我々がLIMEXを回収していき、新しい製品として生まれ変わらせていくということを世界中で展開していきたいと思っています。

瀧口:リサイクルできるようにしていくということですか。

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山﨑:LIMEXを回収して一つ手を加えて価値を上げて新しい製品に生まれ変わらせるということを"アップサイクル"というんですけど、これは我々が作った言葉ではなくて世界中で最近言われ出しているんです。例えばアディダスさんが海洋プラスチックを回収してきて、そこから靴の一部を作り出したり、スターバックスさんが店内の容器を回収してそれに木のくずをまぜてテーブルを作って店内で使ったり、元の物に価値を加えて再製品化する。今はその使用量が少ないので一般廃棄でというお話をしていますけど、LIMEXは世界中で展開していこうと思っているので、どんどんいろいろなパートナーと手を組んで回収する仕組みを構築してアップサイクルを実現していこうと思っています。

瀧口:リサイクルではなくて、アップということは一つ次元が上がった形になると。例えばLIMEXの素材だとどのように変わるんですか?

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山﨑:例えばこれは福井県の鯖江市さんと協定を結ばせていただいてできた製品です。鯖江市は業務用漆器で国内シェア8割以上を占めているんですけど、鯖江市で使われたLIMEXの印刷物を郵便局などに回収拠点になっていただいて、回収したLIMEXを成形して漆を塗布して再生品化、アップサイクルしていくんですけど、もともとゴミになるようなものをこういった形にしています。

奥平:言われなければ再生品とはわからないですよね。そうすると牛丼屋さんのメニューがいずれお椀になったりするわけですね。

山﨑:そういうのを将来やりたいんです。お椀にするのか何にするのか別として、店内で使われたものをアップサイクルしてまたそのお店で違う用途でお使いいただく取組みを世界中で加速させたいと思っています。

瀧口:しかもそれを各国で自給自足できるという。

山﨑:そうなんです。それをとにかくやりたくて。