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瀧口:IGSのミッションで「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人をつくる。」と書いてあるんですけど、"幸せを作る人"というのはどういう人材のことですか?

福原:まさにそこが親御さんであったり上司であったり先生であったりで、私自身も周りの人に助けていただいて成長したわけで、一人で成長する人っていないわけですよね。そういう意味では自分を助けてくれる人たち、より周りで支援しやすい仕組みを作りたいというのが元々のIGSのビジョンになっています。

瀧口:よりよい環境をその人に提供できるようにするということですか。

福原:そこが一番大きいですね。

瀧口:それは福原さんの原体験として何かあるんでしょうか。人だったり環境だったり。

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福原:ありますね。実は私は中学校の時にいじめられていた暗黒の時期があって、その時先生が誰も気が付いてくれなかったんです。私も言えなかったですし。まずデータ化をしなくてはいけないと思ったのは、気付かれることなくいじめられている子が非常に多いということでした。

データ化されていない怖さです。その中においてデータ化が重要だということ。ただそこに気が付いてくれる先生もいらっしゃってその先生の支援だったり、アメリカの企業にいた時のアメリカ人上司のおかげで成長したと思っているので、その仕組みをもっと多くの人に知ってもらいたいというのがあります。

瀧口:仕組みがあれば先生もより目が届くようになるということですね。

福原:おっしゃる通りです。

奥平:少し中期的に見た時に、今は基本的に「GROW360」を企業に売って、「Ai GROW」を学校に売るという2本の柱ですよね。例えば今後学校で使った人が就職をして社員になったりするとものすごい長い期間のデータが貯まるわけですよね。すごく活用方法っていろいろあると思うんですが、中期的なイメージはどう考えられていますか?

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福原:私たちは最終的に個人の方に一生涯寄り添う支援をするためのベースデータを作っていきたいと思っております。そのデータをどう使うかは、データは個人のものですので、個人の方の希望によって変えればいいと思うんです。

例えば何かしらお金の問題を持っている方がいて、このデータを使ってお金を借りることができるのであればそう使っていただければいいですし、逆に新しい学ぶ場所を見つけたいということであれば、私たちのベースのデータと実際のいろいろな学校などのデータを組み合わせて使っていけばさらに成長する可能性もあるので、私たちはベースデータでいろんな企業様と連携して、全て個人主導で、個人がどう使いたいかということを一番最適な形で提供したいと思います。

瀧口:人生におけるマッチングみたいな感じですね。今までどの大学に行きたいとかどの会社に行きたいとか、私の場合は偶然の出会いやたまたま誰かに言われたりするような偶然が多くて、それ運命のように思ってきたところもあるんですが、それをより良い環境に行ける確率を増やしていけるということですよね。

福原:本当に良い担任の先生とか、良いコーチとか、良いメンターを作っていきたいと思っています。

奥平:データの活用の考え方についてまさに個人のものとおっしゃいましたけど、最近で言うとリクルートの「リクナビ」で内定辞退に関する確率みたいなものを出して企業に提供したというのが大きな批判を受けましたよね。データをお金に換えるというビジネスをするにあたっていろんな使い方をしたいって思うわけですが、そこは社内でどういった線引きをされているんですか?

福原:一般論なんですけど、あくまで個人の能力に関するデータは個人のものですよね。個人の方々の幸せに添う形でしか使うべきではないと思っています。ですから私たちはデータをお預かりしている場合においては、その個人の方々が使いたい方向で使っていただけるような仕組みを作っていきたいと思っています。

奥平:基本的に目的外使用はしないと。

福原:もちろんです。ご本人の望む形以外で使うということは一切考えていないです。

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瀧口:もう一つ伺いたいのが、先ほど「日本人の方が世界で活躍する時に最後のショートケーキのイチゴが足りないような感覚を覚えた」とおっしゃいましたけど、今後世界で活躍する人材になるためには何が必要だと思いますか?

福原:私が知る今の日本の現状を考えた時に、戦後日本ほど成功した国はないわけですよね。どれを取ってみてもきれいな形で欧米諸国に追いつくためのシステムができた。だからこそあらゆるものが時代が変わってしまって世界のトップに追いついた瞬間、システム全てがうまくいっていないということが起きている。

そういうことを考えた時に今必要な人材というのは、時代と共に必要な人材も変わってくると思うんですが、日本の場合は強いビジョンを持って、ある程度コンフリクトを恐れずどっと前に持っていける人達、ある種の独裁者的な人達、そのくらいの思いを持ってやっていける人達というのも必要なんだと思います。その部分って、先ほどの自己評価だけで自分は行けるんだ!という若い人たちほど持っている可能性は高いわけで、若い人たちに期待していきたいという気持ちは大きいですね。

奥平:高い自己評価は将来を作っていくかもしれないと(笑)。

瀧口:期待していてください(笑)。本日はありがとうございました。

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