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瀧口:これは例えば職場などでこういう人とこういう人が一緒にいると良いとか、そういうこともわかるんでしょうか?

福原:実際私たちの大手のお客様でも、バックオフィスで人の安全を守るというような時は繊細傾向が強い方が良いですし、あまり新規性が高すぎてしまう方より保守的にしっかり守っていくというような方がワークする職場ってたくさんあるんですね。実際私たちがそういう職場を分析させていただくと、保守性が高い人と、神経質傾向性もある人が選ばれていたりしますので、部署ごとの配置問題にも応用できるということがわかっています。

奥平:職場の配置でこういうのを使うのは面白いですね。たしかに経理部みたいなところに創造性が高い人が集まっていても困りますよね。

福原:元々これが出てきたのは、大学生の適性検査って対策本がたくさん出てるじゃないですか。対策本って認知レベルでコントロールできちゃうわけですね。でも、実際は何が見たいかというと、企業さんにとっても外交的な人ばかり欲しいわけではないんですね。

しっかりと内向的に内省ができてしっかりとルールを守れる人が欲しいにも関わらず、どういう人が就職に受かるということが対策本に書いてあるので、学生がそれを認知コントロールしてテストで回答が出てしまう。そういう状況に困っていた企業さんが多くいらして、「認知レベルでごまかしが効かないようなテストを入れたい」という企業さんが増えている傾向にあります。

瀧口:どれくらいの企業が導入しているんですか?

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福原:現在100社を超えるお客様がありまして、新卒で使っていただく場合も多いですが、新卒人気ランキングで言うと上位30社中では12社さんがご導入されていて、上位100社では25社と、比較的多くの学生たちが希望する企業様での採用が急速に増えているという感じです。

瀧口:これは採用にも使えますし、社内の人事にも使えるということですよね。

福原:まさにそうなんです。これまでのテストって一つのテストじゃないですか。一つのテストで認知でコントロールできるということになってしまうと、どうしても一つ強い性格を出すと、弱くなってしまう性格を出さないと本当の能力は見えない形になります。

採用の時にはそれでいいわけですけど、育成って努力をすればどんな能力でも人間は伸びるわけですから、そこを見るものはちゃんとテストを分けなくてはいけない。そこを二つの形で、なかなか変えにくい潜在レベルでの性格と、そして事後的にいくらでも伸ばす能力を分けているので、私たちは採用から育成まで一貫して使えるような仕組みです。

奥平:気質の方は変わらないけど、右側は変わると。

福原:いくらでも変わります。瀧口さんの場合は自己評価で一気にこれから伸びていく余地がたくさんあるので学びになりますし。

奥平:伸びしろがいっぱいあると。こっちは伸びしろが全然ない。

福原:奥平さんは元々が高すぎてしまうので(笑)。

奥平:褒め殺されている感じですけど(笑)。

瀧口:面白いですね。自分のことって意外と分からないですもんね。人事とか関係なくても自分で知るというのは面白いですね。

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福原:元々私たちが開発しようとしたのは、自分の成長を見る時に身長やどういう学校に行ったというデータしかないじゃないですか。でもある意味偏差値で測れる能力ってほんの一部しかなくて、人間はさまざまな能力を成長させているわけですよね。そういうものをしっかりと可視化させて、まさに多様な社会を作っていくためには私たちのような仕組みが必要なんじゃないかなと。そうしてできたのがこの「GROW」という仕組みになります。

瀧口:従来型の適性検査、例えば「SPI」とかありますけど、根本的な違いはどういうものなんでしょうか。

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福原:「SPI」さんのテストは基本的には採用で使われると思いますが、ご本人が答えるので、本人は受かりたいという気持ちがあるので本当のことを言うとは限らない、という前提のもとに作られているテストなわけです。例えばある一つの強みを出すと、一つの特性が弱くなるという大きな特徴があります。私たちでいうと左側の気質を見に行くというものに近い。ですから育成ツールではないわけです。私たちは右側の育成ツールと組み合わさっているので、もともとの発想が異なっている。

さらに言うと対策本があるという中で、直接的な言い方をすると認知能力の高い子たちというのはコントロールしやすくなるんです。逆にどのように自分を見せたいか。認知能力の高さと見せたい自分が組み合わさってしまうと、本当にそこの強み弱みを見分けられているのか、本当の自分を出せているのか、と私たちが問題意識を持って作っているのがこの「GROW」になります。

瀧口:結果を見た我々としてはどう活用すればいいんでしょうか。

福原:まず気質のところは自分がどういう状況の時に楽なのか、それを知っているのは一つの強みになるわけです。

瀧口:これはそのままでいいということですか。

福原:この気質は良い悪いではないんです。例えば先ほど「ラットが死ぬ」と言いましたけど、逆に言うと動いちゃいけない時に動きすぎる可能性もあるんです。なので良い悪いではなくあくまで特性なので、自分がどういう状況が楽なのかということを知っておくことで、さまざまなキャリアを作る時の考えるベースになります。右側の360度評価は私たちのお客様でも2カ月、3ヶ月で入れて、特に若手の方で自己評価と他者評価にずれがあるのか、自分の発露の仕組みにずれがないのか、という何らかの差に意味があるわけです。

どういう学びをしていくかという学びのためのツールに使えるわけです。さらにこれを周りの方が見られれば、瀧口さんにこんなチャンスを提供したらどうなのかな、ということにも使えるわけです。人事においてはこの人をここに抜擢したらどんなことが起こるんだろうとか、こんな研修を与えてみたらどうだろうという、研修や配置の個別化を、ご本人の意向に沿った形でできるという強みがあります。

瀧口:自己評価はある面では正しいともいえるということなんですね。他者評価と自己評価は両方見ていかなくてはいけない。

福原:もちろん今回の場合はこれで採用とかではないわけですが、例えば採用面接の時に当然自己評価を高くしたいわけです。そうすると例えば正直こういう状況で候補者がやってくると、自己評価が高すぎるところは言っていることがそのまま本当なのかがわからないわけです。ですからその差のところをインタビューで聞いていただいて、なぜ他者評価と自己評価の差があるんだろうと考えた時に、360度評価は恐ろしく役に立つわけです。